ジェームズ・ボンド (英: James Bond) は、イギリスの作家イアン・フレミング(1908年 – 1964年)のスパイ小説、およびこれを原作とする映画の主人公である、イギリス秘密情報部 (MI6) の工作員である。ジェームズ・ボンドには、任務遂行中は自分の一存で容疑者を殺めても不問にされる殺人許可証(いわゆる「殺しのライセンス」)が与えられており、「007」(00セクションに所属する7番の番号を振られたエージェント)のコードネームを持つ。
007シリーズの映画シリーズ一覧
イアン・フレミングのスパイ小説「007シリーズ」は1953年の第1作『カジノ・ロワイヤル』に始まって、フレミングが没する1964年まで書き継がれる。超人的なプレイボーイのスパイをヒーローとし、グラマラスな美女を配した「洗練されたマッチョイズム」の物語は大衆の嗜好に合致し、また冷戦状況下では、東側諸国を絶対悪に擬す安易な設定が濫用しやすかったことから、1950年代後半以降、膨大な量の007亜流の小説が世界各国に氾濫した。
1960年頃、フレミングの原作を読んだプロデューサーのアルバート・R・ブロッコリは、「これは映画化に向いている」と感じ、フレミングに交渉を求めた。しかし、フレミングは映像権を一足先にハリー・サルツマンに売り渡していた。ブロッコリは直ちにハリー・サルツマンと接触、二人は手を組んでイオン・プロダクションを設立し、協力して007映画の製作に当たることになった。
検討の結果『ドクター・ノオ』が映像化に最も向いていると判断され、ユナイテッド・アーティスツを配給会社に、職人肌の監督テレンス・ヤングを当てて映画化した(1962年公開。邦題は『007は殺しの番号』)。この映画は低予算ながらも、予想以上の大ヒットとなった。主役のショーン・コネリーはこの1作で成功、ボンドは彼の当たり役となった。モンティ・ノーマン作曲、ジョン・バリー編曲、演奏の「ジェームズ・ボンドのテーマ」も大好評で、以後の作品のオープニングで、ボンドを狙う銃口が逆に撃たれて血を流すシーンと共に必ず流されるようになった。
この作品のヒットに影響され、1960年代中期には「007もどき」のB級スパイ映画が世界各国で濫造されたが、一つとして007を超える成功を収めたものはなかった。
引用元: ウィキペディア(Wikipedia)ジェームズ・ボンド
『007 ドクター・ノオ』以後、イオン・プロダクションによってプロデュースされる007映画は、主演俳優を幾度か変えつつも、現在に至るまで人気シリーズとして存続している。
作 | 映画タイトル | 原題 | 公開年 |
第1作 | 007 ドクター・ノオ | Dr. No | 1962年 |
第2作 | 007 ロシアより愛をこめて | From Russia with Love | 1963年 |
第3作 | 007 ゴールドフィンガー | Goldfinger | 1964年 |
第4作 | 007 サンダーボール作戦 | Thunderball | 1965年 |
第5作 | 007は二度死ぬ | You Only Live Twice | 1967年 |
第6作 | 女王陛下の007 | On Her Majesty’s Secret Service | 1969年 |
第7作 | 007 ダイヤモンドは永遠に | Diamonds Are Forever | 1971年 |
第8作 | 007 死ぬのは奴らだ | Live and Let Die | 1973年 |
第9作 | 007 黄金銃を持つ男 | The Man with the Golden Gun | 1974年 |
第10作 | 007 私を愛したスパイ | The Spy Who Loved Me | 1977年 |
第11作 | 007 ムーンレイカー | Moonraker | 1979年 |
第12作 | 007 ユア・アイズ・オンリー | For Your Eyes Only | 1981年 |
第13作 | 007 オクトパシー | Octopussy | 1983年 |
第14作 | 007 美しき獲物たち | A View To A Kill | 1985年 |
第15作 | 007 リビング・デイライツ | The Living Daylights | 1987年 |
第16作 | 007 消されたライセンス | Licence To Kill | 1989年 |
第17作 | 007 ゴールデンアイ | GoldenEye | 1995年 |
第18作 | 007 トゥモロー・ネバー・ダイ | Tomorrow Never Dies | 1997年 |
第19作 | 007 ワールド・イズ・ノット・イナフ | The World Is Not Enough | 1999年 |
第20作 | 007 ダイ・アナザー・デイ | Die Another Day | 2002年 |
第21作 | 007 カジノ・ロワイヤル | Casino Royale | 2006年 |
第22作 | 007 慰めの報酬 | Quantum of Solace | 2008年 |
第23作 | 007 スカイフォール | Skyfall | 2012年 |
第24作 | 007 スペクター | Spectre | 2015年 |
第25作 | 007 ボンド25 | Bond 25 | 2020年 |
番外
- 『007/カジノロワイヤル』(Casino Royale, 1967年)
- 『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(Never Say Never Again, 1983年)
- 『幸福と栄光を』(Happy and Glorious, 2012年)
主演俳優別映画シリーズ作品解説
初代ボンド:ショーン・コネリー(7作品)
ショーン・コネリーは、スコットランド出身の映画俳優。『007』シリーズの初代ジェームズ・ボンド役で有名。公称身長188cm。
1961年、ジェームズ・ボンド役としてイオン・プロと5本の作品に出演する契約を交わし、翌1962年の『007 ドクター・ノオ』で知名度は世界的に上昇した。5作出演の契約遂行後も2度の返り咲きで計7本の作品でボンド役を務める。
007 ドクター・ノオ
『007 ドクター・ノオ』は、イアン・フレミングの長編小説『007』シリーズ第6作。また1962年公開、テレンス・ヤング監督のスパイアクション映画。『007』シリーズ映画化第1作。ジェームズ・ボンド役をショーン・コネリーが演じた初の作品である。シリーズ第1作である本作は、100万ドルというシリーズ中最も低予算で製作されたが、6,000万ドルに近い興行収入を上げ、1962年の映画の世界興行成績で第1位となった。映画史に刻まれるスパイ・アクション映画の金字塔、007シリーズの記念すべき第1作。
007 ロシアより愛をこめて
『007 ロシアより愛をこめて』は、イアン・フレミングの長編小説第5作。また1963年に製作された『007』シリーズ映画第2作。低予算で作られた007映画第一作「ドクター・ノオ」の成功により、さらにアクション要素を強めた活劇大作。屈強な殺し屋との格闘、ヘリコプターによる追跡、ボートでの脱走と、見せ場が次から次に登場する。
日本初公開においては、「007危機一発」の題名で1964年4月25日、東京はミラノ座・パンテオン・丸の内東映パラス・浅草東映パラスの松竹東急系でロードショー公開され、配給収入は2億6038万円であった。因みに前作「007は殺しの番号」は配給収入5780万円で、4倍の収入増であった。映画初演邦題タイトル「危機一発」は、その後の「ドラゴン危機一発」や「黒ひげ危機一発」などで使われている。
007 ゴールドフィンガー
『007 ゴールドフィンガー』は、イアン・フレミングの長編小説『007』第7作。また1964年の映画『007』シリーズ第3作。アカデミー音響効果賞受賞。前作『007 ロシアより愛をこめて』のヒットで、シリーズの人気を決定付けたが、この映画でさらに人気を不動のものとしたと言っても過言ではない。
映画「007 ゴールドフィンガー」 (字幕版)予告編
ボンドが世界各地を飛び回る、Qの研究室に訪れ多種多様な秘密兵器の説明とそれらの兵器を受け取る、ボンドカーの登場など、現在の007シリーズの基礎がこの作品である。
007 サンダーボール作戦
『007 サンダーボール作戦』は、イアン・フレミング、ケヴィン・マクローリー、ジャック・ウィッティンガムの長編小説『007』シリーズ第8作。また1965年公開、テレンス・ヤング監督のアクション映画。『007』シリーズ第4作。シリーズで初めて水中アクションを取り入れた作品。前作『ゴールドフィンガー』から一転、再びシリアス路線に戻った。
007は二度死ぬ
『007は二度死ぬ』は、イアン・フレミングの長編小説『007』シリーズ第11作。また、1967年公開の『007』シリーズ映画第5作。丹波哲郎が日本の情報機関のボスとしてほぼ全編にわたって登場するほか、初の日本人ボンドガールとして若林映子と浜美枝が登場した。それまで顔が映ることのなかったスペクターの首領・ブロフェルドが、本作で初めてその姿を現す。
本作ではトヨタ自動車が自動車のプロダクトプレイスメントの独占契約を結んでいたため、ボンドカーの2000GTを始め、二代目クラウンや三代目コロナなどが登場する。
007 ダイヤモンドは永遠に
『007 ダイヤモンドは永遠に』は、1956年に出版されたイアン・フレミングの長編小説(『ジェームズ・ボンド』シリーズ第4作)。また1971年公開の、ガイ・ハミルトン監督のスパイアクション映画。『007』シリーズ映画化第7作。ショーン・コネリーのボンド復帰作であり、ボンド卒業作。
ネバーセイ・ネバーアゲイン
『ネバーセイ・ネバーアゲイン』は、007シリーズ第4作目『007 サンダーボール作戦』を、アーヴィン・カーシュナー監督がリメイクしたアメリカのスパイアクション映画。1983年公開。初代ジェームズ・ボンドを演じたショーン・コネリーが、久々にボンド役に復帰し話題となった作品である。
2代目ボンド:ジョージ・レーゼンビー(1作品)
ジョージ・レーゼンビーは、オーストラリア出身の俳優。2代目ボンド役が有名であり、歴代ボンドのなかでも唯一、ヨーロッパ圏以外の出身の俳優でもある。身長188cm。ショーン・コネリーが映画007シリーズの主演降板を表明し、また、後に三代目を襲名するロジャー・ムーアとの出演契約の断念を受け、イオン・プロダクションは数百人からなる二代目007候補を検討した。結果、レーゼンビーがスクリーンテストに合格した。アクションの上手さをピーター・ハント監督に買われたことが要因だった。
ロジャー・ムーア時代はムーアが二代目ボンドと勘違いされるほど存在感が薄かったが、原作ファンによる作品の再評価や、一本しか出演していないプレミア感から、年を重ねるごとに存在感を増している。
女王陛下の007
『女王陛下の007』は、イアン・フレミングの長編小説007第10作。また1969年公開、ピーター・ハント監督のアクション映画。007シリーズ第6作。ジェームズ・ボンド役をジョージ・レーゼンビーが演じた唯一の作品である。公開当時はジェームズ・ボンド=ショーン・コネリーの印象が未だ根強く、新人であったジョージ・レーゼンビーも、当時の評判は必ずしも良くは無かった。
映画「女王陛下の007」 (字幕版)
予告編劇中でメインのボンドガールが死亡する最初の作品。結婚直後にテレサが死んだ設定は以後のシリーズでも踏襲されている。次作『ダイヤモンドは永遠に』のオープニングシーンで、テレサの敵討ちにブロフェルドを殺害するシーン、『私を愛したスパイ』では、スパイのアニヤにこのことを言われてボンドがやや怒るシーンなどがある。
3代目ボンド:ロジャー・ムーア(7作品)
ロジャー・ムーアは、イギリス出身の俳優。1973年から1985年の間に、イギリスの大人気スパイ映画『007』シリーズで、7作にわたってジェームズ・ボンドを演じた。身長は185cm。3代目ジェームズ・ボンド役に抜擢され、低迷していたシリーズの人気を立て直し、国際的スターの座にのぼる。
前作『007 ダイヤモンドは永遠に』で一度限りの復帰となったショーン・コネリーの後を継ぎ、新しいジェームズ役に指名されたのがロジャー・ムーアである。タフでワイルドなコネリーと正反対の路線を目指したため、彼が演じるジェームズはショーン時代のハードな部分が削られ、軽妙でユーモラスなジェームズとなった。
007 死ぬのは奴らだ
『007 死ぬのは奴らだ』は、イアン・フレミングの長編小説『007』第2作。および、それを翻案とした1973年公開、ガイ・ハミルトン監督のスパイアクション映画。『007』シリーズ第8作。ジェームズ・ボンド役をロジャー・ムーアが演じた初の作品である。
007 黄金銃を持つ男
『007 黄金銃を持つ男』(ダブルオーセブン おうごんじゅうをもつおとこ、The Man with the Golden Gun)は、イアン・フレミングの最後の『007』長編小説(早川書房版の題名は『黄金の銃をもつ男』)。また1974年公開、ガイ・ハミルトン監督のスパイアクション映画。『007』シリーズ映画化第9作。イアン・フレミングは本作の校正中に死去したため、彼の遺作となった。
007 私を愛したスパイ
『007 私を愛したスパイ』は、イアン・フレミングの長編小説『007』第9作(日本語版のタイトルは『007 わたしを愛したスパイ』)。また1977年公開の、ルイス・ギルバート監督による『007』シリーズ第10作となるスパイ・アクション映画。

内容は秘密兵器とアクションを大掛かりにした荒唐無稽なスペクタクル・アドベンチャーとしての魅力を全面に押し出したものとなった。シリーズ最大のヒットを飛ばし、ブロッコリの手腕と本格的なロジャー・ムーア時代の到来を世に知らしめることになった。本作で初期のコネリー時代のシリアスとポップのバランスの取れた作風からムーアの演じるボンドのコミカル路線に移行されたとも言われる。
「私を愛したスパイ」 (字幕版)予告編
<ストーリー>
007シリーズ第10弾。世界中で大ヒットを記録したボンド映画でも屈指の超人気作!英ソの原子力潜水艦が行方不明になるという怪事件が頻発。早速調査に向かったボンドは、ソ連から派遣された女スパイのアニヤと遭遇。やがて2人は、海運王ストロンバーグの世界制覇の野望が一連の事件を引き起こしたことを知る……。
007 ムーンレイカー
『007 ムーンレイカー』(ダブルオーセブン ムーンレイカー、Moonraker)は、イアン・フレミングの長編小説『007』第3作。また1979年公開、ルイス・ギルバート監督のスパイアクション映画。『007』シリーズ第11作。映画『スター・ウォーズ』の成功がもたらした世界的なSF映画ブームの中で製作され、「遂にボンドが宇宙へ進出した作品」として注目された。そのため、ボンドの数多い冒険の中でも最も荒唐無稽なものとなった。また、物語の舞台もカリフォルニア、ベニス、リオ、アマゾン、宇宙とめまぐるしく変わり、全編通してスピーディーな展開となっている。ムーア主演007の中では本作が最高の収益を上げた。

007 ユア・アイズ・オンリー
『007 ユア・アイズ・オンリー』は、1981年公開、ジョン・グレン監督のスパイアクション映画。007シリーズ第12作。また、原題はイアン・フレミングの007シリーズ第1短編集 (日本語タイトルは『007号の冒険』)と、同書収録の短編(『読後焼却すべし』)のタイトルでもあり、本映画の原作としてはその他同書の『危険』が使用されている。

ジョン・グレン監督の1作目として、これまでの推理小説的、あるいは特撮作品と打って変わって大胆なスタントシーンで構成され、スーパーアクションムービーとなった作品。オープニングのヘリコプター・空中スタントから、カーチェイス、スキーアクション、銃撃戦、そして水中での格闘、ロック・クライミングと、スリリングなシーン満載の大作。SF色が濃い前作『ムーンレイカー』から007映画の原点へ軌道修正されたシリーズ中傑作の一つである。
引用元: ウィキペディア(Wikipedia)『007 ユア・アイズ・オンリー』
007 オクトパシー
『007 オクトパシー』は、1983年公開、ジョン・グレン監督のスパイアクション映画。007シリーズ第13作目。また、イアン・フレミングの第2短編集であり、本映画の原作としては、表題作の他『所有者はある女性』が使用されている。
<ストーリー>
殺された情報部員009の任務をフォローすることになった007、ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)。謎の男カマル・カーン(ルイ・ジュールダン)の後を追い、インドへ向かった彼は、そこで宝石強盗団の女首領オクトパシー(モード・アダムス)と出会い、ともにカーンの陰謀に立ち向かっていく。
シリーズの原点たるアクションに立ち戻って好評を得た前作に続いて、ジェットコースター感覚のアクション・シーンのつるべうちで観る者を圧倒。またボンドがピエロ姿に扮するなど、どこかとぼけたユーモア感覚も漂う第13作。
007 美しき獲物たち
『007 美しき獲物たち』は、1985年公開、ジョン・グレン監督のスパイアクション映画。『007』シリーズ第14作。原作小説はイアン・フレミングの短編『バラと拳銃』(From a View to a Kill )である。ロジャー・ムーアがジェームズ・ボンドを演じた最後の作品である。ショーン・コネリーの降板後、1970年代、1980年代にわたって新しいファンを獲得して大衆文化の旗手を守り続けたムーア・ボンド最後の作品。ムーアボンドの集大成となるべく製作された。
<ストーリー>
殺された同僚003の死体から英国が秘密裏に開発した高性能マイクロチップが発見された。事件の謎を追うジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)は、容疑者リストのトップでもある大富豪マックス・ゾリン(クリストファー・ウォーケン)の城に潜入する。
ロジャー・ムーア最後の出演作品となったシリーズ第14作で、今回はアクションだけでなく頭脳戦もポイントとなる。
4代目ボンド:ティモシー・ダルトン(2作品)
ティモシー・ピーター・ダルトンは、イギリスの俳優。身長188cm。1987年、イギリスの大人気シリーズ映画『007』シリーズの4代目ジェームズ・ボンド役として、シリーズ第15作『007 リビング・デイライツ』と 第16作『007 消されたライセンス』に出演した。
若々しく活動的かつ本格派な新しいボンド像を作りあげた功績は大きく、ダイアナ妃がワシントンD.C.の英国大使館で『007 リビング・デイライツ』を見た際に「最もリアルなジェームズ・ボンド」と評した事は有名。『消されたライセンス』でのダルトンのボンドはイアン・フレミングの原作に最も近いとも言われる。
007 リビング・デイライツ
『007 リビング・デイライツ』は、1987年公開、ジョン・グレン監督のスパイアクション映画。007シリーズ第15作。シリーズ誕生25周年の記念作品でもあり、大型予算で製作された。ジェームズ・ボンドをティモシー・ダルトンが演じた初の作品である。
映画「リビング・デイライツ」 (字幕版)予告編コメディ・タッチだった前作までのロジャー・ムーアのシリーズとは打って変わり、全編通してシリアスでハードな展開が多い。ソ連KGB内部の権力闘争やアフガニスタン侵攻など当時の国際情勢を色濃く反映している。
007 消されたライセンス
『007 消されたライセンス』は、1989年公開、ジョン・グレン監督のスパイアクション映画。『007』シリーズ第16作。ティモシー・ダルトンがジェームズ・ボンドを演じた最後の作品である。
冷戦下の共産圏崩壊により冷戦の要素が組み込まれた最後の作品となった。これに伴い、次作からは作品のテイストも大きく変わり、ボンドの所属組織本部もユニバーサル貿易から実際のMI6本部となった。シリーズの分岐点となる作品である。
5代目ボンド:ピアース・ブロスナン(4作品)
ピアース・ブレンダン・ブロスナンは、アイルランド出身の俳優(5代目ジェームズ・ボンド)、映画プロデューサーである。身長187cm。1995年に007シリーズ第17作『007 ゴールデンアイ』にジェームズ・ボンド役で主演した。1997年の『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』では、サターン賞主演男優賞を受賞した。
1989年公開の『消されたライセンス』が興行的に失敗し、007シリーズの興行成績は一時衰えていた。しかし、ブロスナンが『ゴールデンアイ』でその人気を復活させ、批評的にも興行的にも成功、その後のシリーズの新たな道を開いた。
ブロスナンのボンド像で特筆に値する点は、ショーン・コネリーのタフかつワイルドなキャラクター、ロジャー・ムーアのエレガントかつユーモラスなキャラクター双方をバランスよく体現し、そこによりスマートさを加えて独自のボンド像を構築した点であろう。
引用元: ウィキペディア(Wikipedia)「ピアース・ブロスナン」
007 ゴールデンアイ
『007 ゴールデンアイ』(ダブル オー セブン ゴールデンアイ、007 GoldenEye)は、1995年公開、マーティン・キャンベル監督のアメリカ合衆国・イギリス製作のアクション映画。007シリーズ第17作。ジェームズ・ボンド役としてピアース・ブロスナンが演じた初の作品である。1990年代に入って冷戦が終結し、またアルバート・R・ブロッコリらシリーズ当初からの製作者が去ったことにより、シリーズ2度目の大きな転換期となった作品。ボンドが悪の組織と戦う構図は変わらないものの、シリーズの世界観を大きく変更した。やや時代から取り残され、下降線を辿りつつあったシリーズを復活させ、近代化した作品として現在でも評価が高いシリーズ中の傑作の一つである。
映画「007 ゴールデンアイ」 (字幕版)予告編
<ストーリー>
007シリーズ第17弾。人気の高い五代目ボンド=ピアース・ブロスナンの初登場作!ボンドは強奪された兵器「ゴールデンアイ」の追跡調査のためロシアに向かう。だが、そこには世界経済破壊計画を遂行する国際犯罪組織「ヤヌス」の陰謀が。しかもボンドを待ちかまえていたのは、任務遂行中に死んだはずの006だった……!
007 トゥモロー・ネバー・ダイ
『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』は、ロジャー・スポティスウッド監督のスパイアクション映画。1997年公開。英国諜報部MI6の諜報員007ことジェームズ・ボンドが活躍する007シリーズ第18作。米国では『ゴールデンアイ』の収益を上回り、1997年の映画の世界興行成績で、第4位を記録した。
007 ワールド・イズ・ノット・イナフ
『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』は、マイケル・アプテッド監督のスパイアクション映画。1999年に公開。007シリーズ第19作。日本での公開は2000年2月5日。複雑化した現代社会を描いており、シリーズの中では、やや複雑なストーリーとなっている。ブロスナンのシリーズでは初めてシリアス路線となっており、ボンドも無抵抗の敵の下っ端を射殺するなど、ハードな部分が多く、その分ボンドの恒例のジョークはあまり登場しない。

本作は、メインのボンドガールが死亡する数少ない作品。他にも『女王陛下の007』、『カジノ・ロワイヤル』でもメインのボンドガールが死亡するが、それらとは違ってボンド自身が任務遂行のため射殺する点で大きく異なる。ボンドが自らの手で女性を射殺したのもシリーズ史上初めてであった。
007 ダイ・アナザー・デイ
『007 ダイ・アナザー・デイ』(ダブルオーセブン ダイ・アナザー・デイ、Die Another Day)は、リー・タマホリ監督のスパイアクション映画。2002年公開。『007』シリーズ第20作。シリーズ40周年通算20作を記念して作られたダブルアニバーサリー作品である。ピアース・ブロスナンがジェームズ・ボンドを演じた最後の作品である。ダブルアニバーサリー作品らしく、過去の作品をオマージュしたシーンが多々見受けられる。
6代目ボンド:ダニエル・クレイグ(5作品)
ダニエル・クレイグは、007シリーズ初の、金髪のボンドとなる。それまでのボンドのイメージと大きく異なることもあって、欧米では発表直後にアンチサイトが出来るなど、バッシングが大きかった。非難の中公開された『007 カジノ・ロワイヤル』で、クレイグは原作のジェームス・ボンドのイメージに限りなく近い、寡黙でタフなボンドを演じきった。

その演技が評価されシリーズ最高記録の興業収入を樹立し(後に『007 スカイフォール』が同記録を更新した)、「ショーン・コネリー以来の最高のボンドだ」(ザ・サン誌)と絶賛されるなど、興業・批評、両方の面で成功した。また、シリーズ初の英国アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。
2008年に公開された『007 慰めの報酬』、2012年に公開された『007 スカイフォール』、2015年に公開された『007 スペクター』にもジェームズ・ボンド役で出演している。
007 カジノ・ロワイヤル
『007 カジノ・ロワイヤル』は、007シリーズの第21作目となる映画作品。ジェームズ・ボンド役としてダニエル・クレイグが演じた初の作品。
最初の任務は、自分の愛を殺すこと。これは若きジェームズ・ボンドが“007″になるまでの物語。
映画「007 カジノ・ロワイヤル」予告編
<ストーリー>
暗殺の仕事を2度成功させたジェームズ・ボンドは“00(ダブルオー)”の地位に昇格し、最初の任務で、世界中のテロリストの資金運用をしているル・シッフルの存在を突き止める。高額掛け金のポーカーで資金を稼ごうとするル・シッフルと勝負するため、モンテネグロに向かうボンドの前に、国家予算である掛け金1,500万ドルの監視役として財務省から送り込まれた美貌の女性ヴェスパー・リンドが現れる……。
007 慰めの報酬
『007 慰めの報酬』は、007シリーズの第22作目となる映画作品。ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる作品としては第2作目である。前作『007 カジノ・ロワイヤル』からの続編となる。前作のラストシーンの直後からストーリーが始まる設定とされている。
<ストーリー>
初めて愛した女・ヴェスパーを失ったジェームズ・ボンドは、ヴェスパーを操っていたミスター・ホワイトを尋問し、背後にいる組織の存在を知る。早速捜査のためにハイチへと跳び、知り合った美女カミーユを通じて、組織の幹部であるグリーンに接近。環境関連会社のCEOを務める男だが、裏ではボリビアの政府転覆と天然資源の支配を目論んでいるのだった。ボンドは復讐心を胸に秘めながら、グリーンの計画阻止に動くが……。
007 スカイフォール
『007 スカイフォール』は、イーオン・プロダクションズ製作による映画『007』シリーズの23作目。ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる作品としては第3作目である。「007 スカイフォール」では、上司「M」が物語のキーを握り、ボンドの忠誠心が試されるという展開に。
<ストーリー>
トルコ イスタンブール。MI6(英国情報局秘密情報部)のエージェント007ジェームズ・ボンドは、各地で潜入捜査をしているNATOの諜報部員の情報が記録されているハードドライブを強奪した敵を追跡し、その組織をあと少しのところまで追い詰める。しかし、あと一歩まで迫ったところで、先に潜入していた同僚エージェント ロンソンが傷を負ってしまう。そんな中、上司のMは非情にも敵の追跡を最優先にするよう指令を下す。後から駆け付けたアシスタントエージェント イヴと共に、敵を追跡するボンドだったが……。
007 スペクター
『007 スペクター』(原題:Spectre)は、イーオン・プロダクションズ製作による映画『007』シリーズの24作目。ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる作品としては第4作目である。絶対最強の宿敵“スペクター”。世界規模で暗躍するその犯罪組織の正体とは!?ジェームズ・ボンドとの因縁と幼少期の秘密が、いま明らかに!
映画『007 スペクター』予告2
<ストーリー>
メキシコでの休暇中に起こした不祥事により、全ての任務からはずされたボンド。Mの監視から逃れ単独でローマへと赴く。そこでボンドは殺害された悪名高い犯罪者の未亡人であるルチア・スキアラと出逢い、悪の組織スペクターの存在をつきとめる。その頃、ロンドンでは新国家保安センターの新しいトップ、マックス・デンビーがボンドの行動に疑問を抱き、Mが率いるMI6の存在意義を問い始めていた。ボンドは秘かにマネーペニーやQの協力を得ながら、スペクター解明の手がかりとなるかもしれないボンドの旧敵、ホワイトの娘マドレーヌ・スワンを追う。死闘を繰り広げながらスペクターの核心部分へと迫る中、ボンドは追い求めてきた敵と自分自身の恐るべき関係を知ることになる――。
007 ボンド25
『ボンド25(原題)』は、ダニエル・クレイグ(51)がジェームズ・ボンドを演じる、映画『007』シリーズ最新作。2020年4月の公開予定。
ボンドスーツ
ボンドスーツ (Bond Suits) は、映画『007シリーズ』において主人公のジェームズ・ボンドが身に纏うスーツの総称、またそのスタイルのこと。『007シリーズ』におけるジェームズ・ボンドの衣装としてスーツ(およびタキシード)は、それを着たままアクションシーンをこなすことが本シリーズのお約束であることから、1作目以来特に重要な位置を占めており、ジェームズ・ボンドのスタイルを構築する上で欠かせないものになっている。
途中に1度ジョージ・レーゼンビーの時代を例外として、アンソニー・シンクレアは初代ショーン・コネリーのシリーズ卒業までスーツの製作を行った。コネリーからロジャー・ムーアに代わって以後も、歴代のジェームズ・ボンドは基本的にこの最初に確立されたスタイルをフォローしつつ、おおよそボンド役の俳優が変わるのに対応して製作者も変わるような形で現在まで継続しているが、ビスポークテイラーからファッションブランドにその担い手が変わりつつある。
俳優 | メーカー |
ショーン・コネリー | アンソニー・シンクレア |
ジョージ・レーゼンビー | Dimi Major |
ロジャー・ムーア | Cyril Castle、Angelo Roma、ダグラス・ヘイワード |
ティモシー・ダルトン | Stefano Ricci |
ピアース・ブロスナン | ブリオーニ |
ダニエル・クレイグ | ブリオーニ、トム・フォード |
ジェームズ・ボンドをイメージしたスーツも、腕時計やその他のアイテム同様に、商品化されている。公式にスーツを提供しているトム・フォード社からのシリーズの新作公開い合わせてコレクションとして販売されたものや、あるいは初代のアンソニー・シンクレアによる製品、さらには様々なビスポークテイラーがボンドスーツをそれぞれに再現したものまで、様々なものを見つけることができる。
「ジェームズ・ボンド」モデル / 007モデル商品
いつの世も男性たちの憧れであるジェームズ・ボンドは、映画界のファッションリーダー。ボンドをモデルにしたアイテムは多数存在する。ボンドカーにはじまり、秘密兵器としてお馴染みの腕時計、ライター、ひげ剃り、最近ではパソコンや携帯電話までボンドモデルが発売されている。
- 時計
- オメガシーマスター300″SPECTRE”リミテッド (通算24作品目記念モデル 世界限定7007本)
- オメガシーマスターアクアテラ ジェームズ・ボンド 007 リミテッド (通算24作品目記念モデル 世界限定15007本)
- オメガシーマスタープロフェッショナル(40周年通算20作目記念モデル)
- スウォッチ007モデル
- ライター
S.T.デュポン007プラチナ・ライン - 髭剃り
シック・ジャパンウルトラ - 携帯電話
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズCyber-shot K800/K790 シルバー - パソコン/デジタルカメラ
ソニーSony VAIO TX 007 Bond Bundle (デジタルカメラのサイバーショットT50とアルミケースのセット) - スーツ
慰めの報酬 トム・フォード リージェンシー ライン 21BL4B、スカイフォール トム・フォード ライン名未定
関連項目
ボンドカー / ボンドガール / ガンアクション