観客が爆笑・失笑した「映画史上もっとも馬鹿げたモンスター」の一覧。『怪物の花嫁』の「張りぼてのタコ」や『ロボット・モンスター』の「宇宙ロボット」などB級やC級モンスターをもはるかに下回る最低の「Z級モンスター」の大集合。

1950年代の有名な馬鹿げた(Z級)モンスター映画

映画史上最低の監督と名高いエド・ウッド監督のSF映画『怪物の花嫁』 / 巨大怪物=ただの「張りぼてのタコ」が登場する。

ベル・ラゴシが自ら「張りぼてのタコ」に絡みつき、必死に格闘を演じる。
ベル・ラゴシが自ら「張りぼてのタコ」に絡みつき、必死に格闘を演じる。大ダコと大格闘。

『怪物の花嫁』(原題: Bride of the Monster)は、1956年のアメリカ映画。エド・ウッドが監督・原案・脚本を務めたSF・ホラー映画である。最低の映画と名高い「プラン9・フロム・アウター・スペース」以前に撮影した初のSF映画。放射能による人体の巨大化をもくろむ博士が巻き起こす凶行を描く。

ヴォーノフ博士(ベラ・ルゴシ)というマッド・サイエンティストは、自らが造った大ダコと格闘して果てる。
ヴォーノフ博士(ベラ・ルゴシ)というマッド・サイエンティストは、自らが造った大ダコと格闘して果てる。

ただの「張りぼてのタコ」は、映画史に残る爆笑モンスターとして語り継がれている。

最低映画のひとつに数えられるSF映画「ロボット・モンスター」/人類を滅ぼしたモンスター(宇宙ロボット)

最低映画のひとつに数えられる『ロボット・モンスター』には、友人から借りたゴリラスーツに宇宙飛行士のヘルメットを被せただけの宇宙ロボットが登場する。
最低映画のひとつに数えられる『ロボット・モンスター』には、友人から借りたゴリラスーツに宇宙飛行士のヘルメットを被せただけの宇宙ロボットが登場する。

『ロボット・モンスター』(原題:Robot Monster)は、1953年に制作されたアメリカ映画、SF映画。モノクロ、スタンダードの立体映画(3D映画)として制作された。配給はアスターピクチャーズ。日本未公開。B級映画、 カルト映画と評され、『プラン9・フロム・アウタースペース』と並び最低映画のひとつに数えられる。潜水夫のヘルメットを被ったゴリラのような安っぽい情けないエイリアンが登場することで有名。映画史上もっとも馬鹿げたモンスターと評されることが多い。

余りの低予算のため、タッカーは自分の意図するロボットの着ぐるみを製作することが出来なかった。そこで友人のジョージ・バローズに、彼の作ったゴリラスーツを借り、それに宇宙飛行士のヘルメットを被せて、これを宇宙ロボットだと言い張ることにした。

引用元: ウィキペディア(Wikipedia)『ロボット・モンスター』

ロボット・モンスターは、あまりにも安っぽすぎる「チープSF映画」の代名詞的な存在となっている。身体はゴリラの着ぐるみ、頭部は潜水帽…これが人類を滅ぼした宇宙人だとは。
ロボット・モンスターは、あまりにも安っぽすぎる「チープSF映画」の代名詞的な存在となっている。身体はゴリラの着ぐるみ、頭部は潜水帽…これが人類を滅ぼした宇宙人だとは。

妖怪巨大女 / 巨大化した裕福な女が登場する。

『妖怪巨大女』(原題: Attack of the 50 Foot Woman)は、アメリカ合衆国の1958年のSF映画。サイズが変化する人間を描いた『戦慄!プルトニウム人間』や『縮みゆく人間』を模した映画。

UFOに遭遇、宇宙人によって巨大化した裕福な女が、不貞を働く夫とその愛人に復讐するカルト作品。

The Twonky / ブラウン管のテレビが襲ってくる


トゥオンキー(原題:The Twonky)は、1953年に制作されたアメリカのモノクロ(白黒)SFコメディ映画。ブラウン管のテレビモニターが襲ってくる。

恐怖のワニ人間

恐怖のワニ人間(原題:THE ALLIGATOR PEOPLE)は、1959年の映画。

from hell it came/顔のついた木

From Hell It Came(原題)は、1957年のアメリカのSFホラー映画。

双頭の殺人鬼

双頭の殺人鬼(原題:THE SPLIT/THE MANSTER)は、1959年の日米合作のモンスター映画。1人の日本人科学者が研究の鬼と化し、実験的に怪奇な人間を造り出すという物語。日本で撮影されたモンスター映画としてホラー・ファンの間で語り草になっている。

《ストーリー》
薬物による人間改造に執念を燃やす鈴木博士(中村)は、火山の麓にある研究所で美しい女助手と共に実験を重ねていた。研究熱心のあまり人体実験にも手を伸ばした博士は、妻(武智)をおぞましい怪物に、実弟を獣人に変えてしまう。そして3人目の実験体に選ばれたのが、取材に来た在日アメリカ人記者ラリー(P・ダインリー)。怪しげな薬液を注射されたラリーは、日に日に心身ともに獣人化。やがて右肩に目が現れ、ついにはもう一つの頭が生えてきて双頭の怪物となり、東京の街で凶行を重ねる。

The Ship of Monsters(1959年)


Ship of Monsters(原題)は、1960年のメキシコのSF映画。頭でっかちの宇宙モンスターが登場するメキシコ映画。

人類危機一髪!巨大怪鳥の爪

巨大な七面鳥のような怪鳥が大暴れするSFパニック映画。
巨大な七面鳥のような怪鳥が大暴れするSFパニック映画。

人類危機一髪!巨大怪鳥の爪(原題:THE GIANT CLAW)は、1957年のSFパニック映画。宇宙から飛来した巨大怪鳥がニューヨークを襲う。怪鳥の造形が陳腐であるが、当時のアメリカ空軍との迫力ある戦闘シーンや緊迫感あふれるドラマ演出など、50年代SF映画の代表作の一本ともいえる作品。

1960年代から70年代のZ級モンスター映画

呪われた海の怪物 /『ひらけ!ポンキッキ』のムック似の怪物

呪われた海の怪物(原題:CREATURE FROM HAUNTED SEA)は、ロジャー・コーマン監督による1961年製作のアメリカの映画。絶海の孤島で繰り広げられる金塊強奪戦。そこに現れた奇怪なモンスターの正体は!?

ムック似の怪物は、レインコートにモップを貼り付け、目玉はテニスボールで簡易に仕上げている。
ムック似の怪物の着ぐるみは、レインコートにモップを貼り付け、目玉はテニスボールで簡易に仕上げている。

怪物の着ぐるみは、現地調達・・・ボディはレインコートにモップを貼り付け、目玉はテニスボールと、完成品は『ひらけ!ポンキッキ』のムック似のお茶目に仕上がっている。映画情報雑誌「映画秘宝」等では「ムック怪獣ポンキッキ」と紹介された。

【ストーリー】
革命後のキューバ。前政府の金塊を強奪、国外逃亡を図るトスタード将軍とその側近達。これを手引きするマフィアのレンゾとその情婦マリーベル。レンゾの手下を加えた一行は、カストロ新政権の追っ手を振り切り、脱出用の船でカリブ海へ。しかしレンゾは、金塊の独り占めを画策していた。伝説の海の怪物をでっちあげ、襲われたように見せかけながら、将軍とその部下を次々に殺害していく計画であった。だが、彼の思惑に反し、その海には本当に怪物が存在していた・・・。

SF映画史上最悪の作品と呼ばれる「クリーピング・テラー」/宇宙から飛来した「人喰いカーペット」

SF映画史上最悪の呼び名も高い『クリーピング・テラー』。宇宙から来た人喰いカーペットが人間を襲う。
SF映画史上最悪の呼び名も高い『クリーピング・テラー』。宇宙から来た人喰いカーペットが人間を襲う。

クリーピング・テラー(原題:THE CREEPING TERROR/THE CRAWLING MONSTER)は、1964年のSFパニックホラー映画。台詞が少なく、あまりにも意味不明なナレーションが更にカルト化させた要因であり、マニアにとっては至上の一品と言えるだろう。

ロッキー山脈付近で発見されたUFOから人間を襲うモンスターが現れた。そのモンスターは人間を食べて分解し、データーを故郷の星に送っていたのだった…。

ミミズバーガー / 巨大ミミズ人間(下半身ミミズの化物)

巨大なミミズ人間=下半身ミミズの化物…。
巨大なミミズ人間=下半身ミミズの化物…。

ミミズバーガー(原題:THE WORM EATERS)は、1975年のアメリカのホラー映画。立ち退きに応じないために嫌がらせを受ける頑固な老人が、飼ってるミミズを住民に喰わせて復讐を図るというホラー・コメディ。本物のミミズを食べる悪趣味なシーンで一部では有名になった作品。ミミズを喰った人間が下半身ミミズの化物になる衝撃的な設定。

パスタにミミズが混入されていた…。
パスタにミミズが混入されていた…。
ミミズを誤って食べてしまった女性が苦しみだす…。
ミミズを誤って食べてしまった女性が苦しみだす…。
足元から白い泡が出てきて、下半身からミミズのような形態に…ミミズ人間に。
足元から白い泡が出てきて、下半身からミミズのような形態に…ミミズ人間に。

【ストーリー】
ハーマン爺さんは静かな山で一人暮らし。友達はミミズのみという偏屈ぶり!そんな愛するミミズ達の住処を都市開発で市長達が開拓すると発表したから大変。ハーマン爺さんは培養していた生ミミズを街の人間の食べ物にこっそり混入、それを食べた者は巨大ミミズ人間となってしまうのだった!!

ミミズ人間に変態していく。次々とミミズを喰った人間が下半身ミミズの化物になっていく。
ミミズ人間に変態していく。次々とミミズを喰った人間が下半身ミミズの化物になっていく。

ドクター・ゴードンの島 / コウモリ男


ドクター・ゴードンの島(原題:THE TWILIGHT PEOPLE/ISLAND OF THE TWILIGHT PEOPLE)は、1972年のアメリカとフィリピンのホラー映画。南海の孤島で繰り広げられるマッド・サイエンティストの人間獣化実験を描いたSFホラー。別題は、半獣要塞ドクターゴードン (旧ソフト題)。

アタック・オブ・ザ・キラー・トマト

ある日突然殺人トマトが人間を襲い始めるという、そのあまりのバカバカしさが人気を呼び、3本の続編まで製作された伝説のおバカSFカルト・ムービー。
ある日突然殺人トマトが人間を襲い始めるという、そのあまりのバカバカしさが人気を呼び、3本の続編まで製作された伝説のおバカSFカルト・ムービー。

『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』(Attack of the Killer Tomatoes!)は、1978年公開のアメリカ映画。一部に熱狂的なファンを持つカルト映画とされている。B級映画をも下回る「Z級映画」「不朽の駄作」とも評される。「映画史上最悪の野菜映画」として名高い。『キラーコンドーム』(96)、『アタック・オブ・ザ・ジャイアントウーマン』(96)、『アタック・オブ・ザ・ジャイアント・ケーキ』(99)など多くのフォロワー作品を生んだ。

映画史上に燦然と輝く、おバカ映画の金字塔「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」。
映画史上に燦然と輝く、おバカ映画の金字塔「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」。
ある日突如として現れた殺人トマトたちが人間を襲い始める。ついには軍対巨大殺人トマトたちの全面戦争が勃発し…。
ある日突如として現れた殺人トマトたちが人間を襲い始める。ついには軍対巨大殺人トマトたちの全面戦争が勃発し…。

【ストーリー】
ある日突如として全米に殺人トマトが現れ、次々と人間を襲い始めた。犠牲者が続出し、この事態を深刻とみた軍は会議を開き、対トマト用に開発したアンドロイドのテストを行うがあっけなく失敗。今度は対トマト要員のスペシャリストたちを召集し、トマトたちと戦わせるが全く歯が立たない。日に日に増え続けるトマトたちは巨大化し、ついには軍対巨大殺人トマトたちの全面戦争が勃発、街は大パニックに陥る。

『キラーコンドーム』は1996年のドイツのホラー・コメディー映画。男性の性器が何者かに食いちぎられるという事件が多発、犯人は突如人々を襲う殺人コンドーム。
『キラーコンドーム』は1996年のドイツのホラー・コメディー映画。男性の性器が何者かに食いちぎられるという事件が多発、犯人は突如人々を襲う殺人コンドーム。

1980年代以降のZ級モンスター映画

首だけ女の恐怖

超強烈な内蔵丸出し首だけ妖怪が話題のインドネシア作品。首だけ女は、インドネシアに伝承される妖怪がモデルになっている。
超強烈な内蔵丸出し首だけ妖怪が話題のインドネシア作品。首だけ女は、インドネシアに伝承される妖怪がモデルになっている。

首だけ女の恐怖(原題:MYSTICS IN BALI/LEAK)は、1981年のインドネシアのホラー映画。アメリカから来た魔術研究家のキャシーは、バリ土着のリアクと呼ばれる黒魔術のマスターに暗い森の中で秘儀を教わる。キャシーは、首から内臓を垂らして飛び回る妖怪「首だけ女」にされてしまう。

キャシーは、首から内臓を垂らして飛び回る「首だけの妖怪」にされてしまう。夜な夜な徘徊する妖怪首だけ女。
キャシーは、首から内臓を垂らして飛び回る「首だけの妖怪」にされてしまう。夜な夜な徘徊する妖怪首だけ女。
キャシーの生首(妖怪・首だけ女)は、産気づいている妊婦の股間に顔を埋め、胎児を吸いだして食べてしまう(妊婦のお腹がへこんでいく演出)。
キャシーの生首(妖怪・首だけ女)は、産気づいている妊婦の股間に顔を埋め、胎児を吸いだして食べてしまう(妊婦のお腹がへこんでいく演出)。
妊婦の胎児を食べ終わり、猛スピードで夜空を飛んで行くキャシーの生首(首だけ女)。
妊婦の胎児を食べ終わり、猛スピードで夜空を飛んで行くキャシーの生首(首だけ女)。

 

ズーマ/恐怖のバチあたり

ズーマ/恐怖のバチあたり(原題:ZUMA)は、1987年のフィリピンのホラー映画。

考古学者により、10万年ぶりに復活した魔神ズーマ。全身緑色でニメートルはあり、両肩に大蛇を抱える魔神。彼は、主食である処女の心臓を求めてさまよう。魔神による連続殺人を知った警察署長は、警戒体制を敷くが、魔神の凶行は続く。魔神は警察署を半壊させ、署長は首を引きちぎられて殺される。そして、魔神に犯された女性は、彼の血を引く娘を産むのだった。

モンスター・イン・ザ・クローゼット/暗闇の悪魔

モンスター・イン・ザ・クローゼット/暗闇の悪魔(原題:Monster in the Closet)は、1986年のアメリカのホラー映画。カリフォルニアの小さな町に突如として現れたモンスターとの闘いを描いたSFホラー・コメディ。

珍妙な「合体モンスター」映画

合体モンスターブームの先駆け『シャークトパス』
シャークトパスは、オオジロサメとタコの細胞を合成して生み出された新型の生物兵器。
シャークトパスは、オオジロサメとタコの細胞を合成して生み出された新型の生物兵器。

『シャークトパス』(原題: SHARKTOPUS)は、2010年にアメリカ合衆国のSyfyで放送されたテレビ映画。

ピラニアとアナコンダが合体した『ピラナコンダ』
頭がピラニアで胴体がアナコンダという巨大モンスター「ピラナコンダ」が襲い掛かるモンスターアクション。
頭がピラニアで胴体がアナコンダという巨大モンスター「ピラナコンダ」が襲い掛かるモンスターアクション。

ピラナコンダ(原題:Piranhaconda)は、2012年のアメリカの映画。

関連キーワード・関連項目

「動物パニック映画」年代記(クロニクル)