ガンダムシリーズ屈指の悪女といえば、機動戦士Vガンダムのカテジナ・ルースを筆頭に、機動戦士ガンダム0083のニナ・パープルトンと、逆襲のシャアのクェス・パラヤの3名が「ガンダム三大悪女」(宇宙世紀3大悪女)と評されて、名前をあげられる事が多かったが、宇宙世紀・アナザーともにガンダムシリーズがますます充実し、価値観も多様化したため、キャラ設定の見直しが進み、新たな悪女キャラの台頭などにもより、3人目の候補は多く、ファンの間でも意見が分かれるところであり、壮絶な席の譲り合いが繰り広げられている。

ガンダム三大悪女の最初期メンバー

殿堂入りの悪女

カテジナ・ルース(機動戦士Vガンダム)
カテジナ・ルースは、TVアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場するキャラクター。物語序盤、主人公「ウッソ・エヴィン」が憧れる「利発で優しいお姉さん」として登場。敵に人質として攫われてから士官「クロノクル・アシャー」に惹かれ接近、急速に敵軍に関わっていき、誰もが思い描くヒロイン像から大きく乖離していくことになる。

中盤以降、序盤の「お姉さん」という面影はまるで無くなり、冷酷で狂気じみた悪女に変貌を遂げて主人公らの前に立ちふさがるようになる。ガンダムシリーズの中でも屈指の悪女と評されるキャラであり、「ガンダム三大悪女」においては必ずと言って良いほどその名が挙がるほど。

第27話では、「カテジナさん、おかしいよ!おかしいですよ!」というウッソ・エヴィンの泣きながらの名台詞が生まれた。

第36話では、母ミューラ・ミゲルの救出を妨害するカテジナ・ルースに対してウッソが叫んだ台詞「おかしいですよ、カテジナさん!」が生まれた。語感が良いのかこちらの方が一般的に浸透している。ガンダムファンの間では「おかしいですよ」は「カテジナさん」の枕詞と化している。

シュラク隊のフランチェスカ・オハラに対して発した台詞である「とち狂ってお友達にでもなりに来たのかい!?アハッ!」も、カテジナ・ルースの狂気を現す台詞のひとつとして有名。

最終決戦においては投降したと見せかけて隠し持っていたナイフでウッソを刺したりするなど、悪評の種となるエピソードを多数残した。

エクセレントモデル RAHDXG.A.NEO カテジナ・ルース メガハウス(MegaHouse)
エクセレントモデル RAHDXG.A.NEO カテジナ・ルース メガハウス(MegaHouse)

突き抜けたドクズっぷりが一周回って妙なカリスマ性を発揮し、近年では人気悪役キャラとなっている。

新勢力の台頭によって候補レベルの悪女

ニナ・パープルトン(機動戦士ガンダム0083)
ニナ・パープルトンは、OVA『機動戦士ガンダム0083』のヒロイン。主役機である「ガンダム試作一号機(GP01)」及びライバル機の「ガンダム試作二号機(GP02)」の開発に携わっているアナハイム・エレクトロニクスのシステムエンジニアとして登場。GP02奪取時に「私のガンダムが!」と絶叫するなど、当初から非常識的な面を見せていた。

ニナはガンダムシリーズのキャラクターの中でも一、二を争うほど、その人格が嫌われており、カテジナ・ルースやクェス・パラヤなどと並んで、(最初期の)『ガンダム三大悪女』と呼ばれている。

ニナパープルトン
最終盤において、唐突に、ニナパープルトンは、敵軍パイロットであるアナベル・ガトーの昔の恋人であったことが判明する。

昔の恋人「アナベル・ガトー」に深い未練を抱いており、主人公コウ・ウラキがコロニー落としの最終調整を行うガトーに銃を向けた場面で、コウを裏切って敵であるはずのガトーを庇い、コウに対して威嚇の発砲までしている。この衝撃的な裏切りシーンが、彼女の評判を最悪にしているのは間違いない。

クェス・パラヤ(逆襲のシャア)
クェス・パラヤは、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場するキャラクター。地球連邦政府の参謀次官アデナウアー・パラヤの娘。ニュータイプの資質を持ち、劇中では敵味方の陣営を転々とする。ニュータイプ研究所で訓練を受けたクェスはファンネルを使いこなすなど非凡な才能を見せ、ヤクト・ドーガやα・アジールの性能を発揮していく。

感受性が強く、他人の心情を敏感に読み取ったり、鋭い直感力を持つ一方で、情緒不安定で感情の起伏が激しく、自分勝手な行動をとってしまったり、思ったことを包み隠さず口にしてしまったりするような面もある。

理想の男性像として「アムロ・レイ」に巡り会い近付くが、恋人であるチェーン・アギの存在とアムロの言動に反発し、シャアとの邂逅を機に敵軍に寝返ってしまう。


『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』予告編

新勢力の悪女候補・悪(敵)役

宇宙世紀のガンダム作品で著名な悪女

レコア・ロンド(機動戦士Zガンダム)
レコア・ロンドは、『機動戦士Ζガンダム』に登場するキャラクター。エゥーゴの戦艦・アーガマに所属する女性士官。パプテマス・シロッコと出会ったレコアは、女性として認めてくれた彼に興味を示し、その後ティターンズに実質的に寝返ることになってしまった。

仲間であったが裏切り敵対する、というガンダムにおける「裏切り者キャラ」のはしりのような存在。

ファラ・グリフォン(機動戦士Vガンダム)
ファラ・グリフォンとは、TVアニメ「機動戦士Vガンダム」に登場するキャラクター。ザンスカール帝国ラゲーン基地の司令官。ギロチン執行人の家系出身で、自らもギロチンによる処刑を行っていた。常に鞭を携帯している。無断でギロチンを断行した為に失脚し、宇宙漂流刑に処される。この刑で受けた恐怖に耐えかね自害寸前まで追い詰められてしまった結果、極度に情緒不安定な状態となってしまった。

復帰後の狂いっぷりはあのカテジナにも匹敵するほどで、自分の部下でも平気で殺してしまう程であった。TVシリーズでは明言されていないが、復帰後の狂いっぷりやサイコミュ兵器搭載型のザンネックやゲンガオゾといったMSを乗りこなす描写から、小説版やゲーム等では「強化人間」として扱われることが多い。

シャクティ・カリン(機動戦士Vガンダム)
シャクティ・カリンは、TVアニメ『機動戦士Vガンダム』のヒロイン。

戦闘中に錯乱してヤナギランの種を植えたり、捕虜を独断で解放して一方的に投降するなど、戦時下において状況を把握できていない行動が散見され、それらを原因として戦死者すら幾人か出してしまっている(ウッソの母親ミューラ・ミゲルの悲惨な死も、シャクティの行動が間接的な原因であるとも言える)。仲間の少年たちにすら「病気が始まった」とまで表現されたこともある。

リガ・ミリティアにとってはトップエースであるウッソのパートナー、ザンスカール帝国にとっては姫君と、双方の勢力に影響を与える立場であったため、彼女の行動が各勢力に与えるインパクトが比較的大きかったことが、いつも事態を複雑にしてしまっていた。これらの事から、シャクティは悪女に数えられることもある。

シーマ・ガラハウ(機動戦士ガンダム0083)
シーマ・ガラハウは、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するキャラクター。シーマとその艦隊は破壊活動や虐殺など公国宇宙軍の「汚れ仕事」の実行者であったこと、また、保身を図ったアサクラ大佐に責任を押し付けられたことから、一年戦争終結時に他のジオン公国残存勢力からアクシズへの亡命を拒否されている。帰属する場所を持たない彼女らは以後、宇宙海賊として生きる事を余儀なくされる。民間・連邦はもとより、時に他の公国軍残党の船舶までもが略奪の対象とされた。

自らが搭乗するガーベラ・テトラで「ガンダム試作3号機(GP03)」を追撃して復讐戦を挑むが、GP03のメガビームキャノンにより串刺しにされ、壮絶な最期を遂げる。

ハマーン・カーン(機動戦士Ζガンダム・機動戦士ガンダムΖΖ)ガンダムシリーズ最強の女傑。
ハマーン・カーンは、『機動戦士Ζガンダム』および『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場するキャラクター。ミネバ・ラオ・ザビの摂政に就き、事実上のアクシズの指導者となる。アクシズおよびネオ・ジオンの実質的指導者。高い指導力と政治力を有した政治家である一方、モビルスーツのパイロットとしても高い技量を有し、劇中、多くのエースパイロットと互角以上の戦いを繰り広げている。絶大なカリスマ性をもち、一勢力を率いるに足る指導力をもつ女傑。
キシリア・ザビ(機動戦士ガンダム)
キシリア・ザビは、テレビアニメ「機動戦士ガンダム」に登場するキャラクター。ジオン公国を統べるザビ家の長女にして軍司令官。一年戦争開戦以前から様々な陰謀や謀略に関わってきた。悪女というよりも悪役という印象が強い女性。

宇宙世紀0079年12月31日、長兄ギレンが父デギンを謀殺したことを知り、これを機にア・バオア・クー攻防戦の最中に司令部でギレンを射殺。兄に代わって総司令となるが、皮肉にもそれまで優勢だった戦況がこの暗殺による指揮系統の混乱をきっかけに暗転。

戦局が絶望的となった時点で、司令部のトワニング大佐(准将、少将説もあり)に事後処理を任せ、ザンジバル級機動巡洋艦で脱出を図るが、発進寸前にシャアがブリッジに向けて放ったバズーカ砲の直撃によって死亡。最期の瞬間、自分に砲口を向けるシャアを確認したときの表情は驚愕に充ちたものだった。これはこのとき、キシリアはシャアが搭乗していたMSジオングからの識別信号が途絶した報告を受けており、彼を戦死したものとみなしていたためである。

アナザーガンダム作品で有名な悪女

ネーナ・トリニティ(機動戦士ガンダム00)
ネーナ・トリニティは、『機動戦士ガンダム00』に登場するキャラクター。ソレスタルビーイングとして活動するチームトリニティのメンバーの一人で、トリニティ兄弟の末っ子。搭乗機は「ガンダムスローネドライ」であり、他機のサポートを中心とする。見た目からファンの多いキャラクターであるが、ネタ抜きのド外道として扱われている。

どうしようもなく身勝手かつ自己中心的な性格、気が向くままに破壊行為や殺戮行為を楽しむ残忍さ、単なる気まぐれで起こした行動が多くの無関係の人間の人生を狂わせるなど、いかにもな萌えキャラなのに全ての行動が視聴者に不快感を与えるように機能している。アニメ史上でも稀に見る特殊なキャラクター。

引用元: ピクシブ百科事典「ネーナ・トリニティ」

次の戦場へ向かう途中で偶然、ルイス・ハレヴィとその家族が同席していた結婚式を見付ける。このとき「自分達は世界を変えるために戦ってるのに呑気に楽しそうなのが気に入らない」という理由で

「死んじゃえばいいよ」

という一言と共にビームライフルを発射。彼女の両親と親戚を皆殺しにしただけではなく左手を失う大怪我を負わせた。このためルイス・ハレヴィのファンなどから毛嫌いされている。

フレイ・アルスター(機動戦士ガンダムSEED)
フレイ・アルスターは、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場するキャラクター。

PHASE-16「燃える砂塵」とPHASE-17「カガリ再び」では、未成年の多くが視聴できる時間帯であるにもかかわらず、性行為を示唆するシーンとキラと肉体関係がある事を告白するシーンが放映されて、当時BPOへ抗議が向けられ毎日放送へ回答要請が行く出来事も起こった。

ミリアリアが捕虜であるディアッカを殺そうとしている所を目撃する。ミリアリアはサイに止められ正気を取り戻したが、フレイは「コーディネイターなんて皆死んでしまえばいいのよ!」と言い放ち、部屋に置いてあった拳銃でディアッカを殺そうとするが、ミリアリアに阻止されてしまう。直後、ミリアリアに何故コーディネイターを庇ったのか激しく詰め寄るもその場から去って行った。

フレイ・アルスターは「番組序盤から中盤にかけて感情の赴くままに自己中心的な行動を繰り返す」等、アークエンジェル内のトラブルメーカー的な役回り故に視聴者からその行動を大いに問題視されていたが、番組後半でキラを利用した事を悔い、その後悲劇的な最期を遂げた事で、評価が序盤から大きく変わっていた。

王留美(機動戦士ガンダム00)
王留美(ワン・リューミン)は、「機動戦士ガンダム00」に登場するキャラクター。ソレスタルビーイングの出資者兼エージェント。自己中心的な本質の持ち主であるが故に、政治力に長けている反面、人望は全くといってよい程無く、側近を務め自分を気遣おうとする紅龍や拾って部下として自分の手元に置いていたネーナ・トリニティに対しても、高圧的な振る舞いばかりをしていたようである。

自らの個人的なエゴの為に支援を行い続けた結果、不興を買ったリボンズからは見捨てられるのと同時に、ネーナからも見限られてしまう事になり、自身を庇って紅龍も命を落とした結果、とうとう全てを失う事になる。その直後、辛うじて刹那・F・セイエイに救われて、彼にヴェーダの所在の情報に託すが、半ば錯乱していた事で追い込まれた自らの状況を分かっていなかった留美は、彼に差し伸べられた救いの手も振り払ってしまい、一人だけシャトルで脱出しようとしたところを、待ち構えていたネーナのガンダムスローネドライの攻撃によって殺害されてしまった。

ロマリー・ストーン(機動戦士ガンダムAGE)
ロマリー・ストーンは、『機動戦士ガンダムAGE』に登場するキャラクター。機動戦士ガンダムAGE 第2部・アセム編のヒロインにして、後の(第2部の主人公)アセム・アスノの嫁(第3部の主人公となるキオ・アスノを出産する)。学生時代にアセム・アスノやゼハート・ガレットと親交を深めている。しかし、視聴者にはまるでアセムよりゼハートへの好意が勝っているように描かれている。

特に有名なものが21話にてゼハートと交戦したアセムに対する「(ゼハートと会えて)いいなぁ」という発言で、傷心のアセムと視聴者に多大な衝撃を与えた。また24話ではゼハートがアセムに銃を向けた場面に遭遇、アセムが隙をついてゼハートの銃を奪い形成逆転した時はゼハートを庇っている。

これらの描写(特に24話のシーン)が視聴者の不興を買い、「ニナ・パープルトンの再来」と辛辣な評判が寄せられていた。

関連項目・リンク

ガンダムシリーズに登場するニュータイプ・強化人間と搭乗機の一覧
ガンダムシリーズの悲劇のヒロイン一覧
ガンダムシリーズの歴史一覧