ガメラは、大映(現:KADOKAWA)が1965年に公開した特撮映画『大怪獣ガメラ』に登場する架空の怪獣。『大怪獣ガメラ』以降も続編、及びガメラの登場する映画作品が継続的に製作されており、これら全作品を総称して「ガメラシリーズ」と呼ぶ。東宝のゴジラシリーズと共に日本の怪獣映画を代表する作品群である。

昭和時代の作品(倒産以前の大映によって製作された作品群)のガメラを「昭和ガメラ」、平成時代の作品(徳間グループ傘下の大映によって製作された、所謂『平成3部作』)のガメラを「平成ガメラ」、角川映画時代に製作されたものを「角川ガメラ」と呼称する。

昭和ガメラシリーズ

『大怪獣ガメラ』(監督:湯浅憲明)

『大怪獣ガメラ』(監督:湯浅憲明)
『大怪獣ガメラ』(監督:湯浅憲明)

『大怪獣ガメラ』(だいかいじゅうガメラ)は、大映東京撮影所が製作し、1965年(昭和40年)11月27日に封切り公開された日本の特撮怪獣映画。白黒、ワイドスクリーン、78分。

時代背景

本作の公開当時、特撮を駆使して巨大な怪獣を描く「怪獣映画」は、特技監督に円谷英二を擁する東宝の独擅場であった。東宝の『ゴジラ』に対抗する怪獣映画企画として、大映社長の永田雅一の声がかりで本作が製作されることとなった。

『大怪獣ガメラ』のタイトルで、封切り公開されるや大ヒットとなり、ガメラは次作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』で返り咲き、ガメラの主演映画は一躍大映のドル箱シリーズとなっていった。

概要

ジェット機をたたき落とし、東京タワーをわし掴み! 火を吹いて空を飛ぶ世紀の大怪獣!北極海の氷の下に8000年以上も眠り続けていた”ガメラ”が、原爆により突然目を醒ました! 大映が初めて挑んだ怪獣映画「ガメラ」シリーズの記念すべき第1作

登場怪獣

大怪獣ガメラ
大怪獣ガメラは、北極の氷の下で眠っていた、古代アトランティスの伝説に登場する巨大な亀。炎など熱エネルギーを吸収し、口から火炎を放射する。手足を引っ込めて炎を噴き出し、「回転ジェット」によって大空を飛行する。凶暴であるが、子供に対しては親愛の情を見せる。

ガメラシリーズの第1作「大怪獣ガメラ」予告篇
『大怪獣ガメラ』は、大映東京撮影所が製作し、1965年11月27日に封切り公開された日本の特撮怪獣映画。白黒、ワイドスクリーン、78分。東宝のゴジラシリーズに対抗しうる大映オリジナルの怪獣映画を作ろう、ということで企画が開始されたのがこのガメラだった。映画は大ヒットし、翌年には続編『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』が制作されるに至り、その後7作品もの続編を連ねるドル箱シリーズへと成長。経営末期だった大映の貴重な稼ぎ頭となった。

『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(監督:田中重雄、特撮監督:湯浅憲明)

『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(監督:田中重雄、特撮監督:湯浅憲明)
『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(監督:田中重雄、特撮監督:湯浅憲明)

『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(だいかいじゅうけっとう ガメラたいバルゴン)は、大映東京撮影所が製作し、1966年(昭和41年)4月17日に公開された日本の特撮映画作品。「ガメラシリーズ」の第2作。

概要

欲深な日本人がバルゴンの卵を宝石と間違えて持ち帰ったため新怪獣バルゴンの出現…再び地球に落下した火を吹くガメラと冷凍液で凍らすバルゴンが琵琶湖上で大激突は…

登場怪獣

ガメラ
前作に続き、本作に合わせてエキスプロダクションが新規製作した。鋭い目つきが特徴。
冷凍怪獣 バルゴン
ニューギニアの孤島にある魔境「虹の谷」で「千年に一度誕生する」と言い伝えられている、伝説の怪獣。

『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(監督:湯浅憲明)

『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(監督:湯浅憲明)
『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(監督:湯浅憲明)

『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(だいかいじゅうくうちゅうせん ガメラたいギャオス)は、大映が製作し、1967年(昭和42年)3月15日に公開された日本の特撮映画作品。ガメラシリーズの第3作。

概要

富士火山帯の異常な活動で目を醒ました怪獣・ギャオスは次々と人を襲い、名古屋城を破壊、一帯が火の海と化す。その火に引き寄せられ現れたガメラ。ガメラは怒りの火炎噴射を吹き、大怪獣同士のすさまじい決闘が勃発する・・・。 ギャオスVSガメラ、二大怪獣が激突するシリーズ第3作。

登場怪獣

ガメラ
前作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』のぬいぐるみの、顔つきを修正したもの。鋭かった目つきが、子供の味方らしく優しいものにされている。
超音波怪獣 ギャオス
コウモリをモチーフにした飛行怪獣。

『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』(監督:湯浅憲明)

『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』(監督:湯浅憲明)
『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』(監督:湯浅憲明)

『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』(ガメラたいうちゅうかいじゅうバイラス)は、大映が製作・配給し、1968年(昭和43年)3月20日に封切り公開された日本の特撮映画作品。ガメラシリーズの第4作目。

概要

ボーイスカウトのキャンプで潜水艇に乗り込んだ正夫とジムは、海中でバイラスの宇宙船が発射した”スーパーキャッチ光線”に捕らえられ人質になってしまう。救出に向かったガメラだが、体内にコントロール装置を埋め込まれ・・・。 陸、海、空で激闘を繰り広げてきたガメラが、遂に宇宙に飛び出したシリーズ第4作。

登場怪獣

ガメラ
前作『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』と同じもの。この作品から、足だけを引っ込めてジェット飛行するミニチュアが使われ、以後の定番となる人気を集めた。
宇宙怪獣 バイラス
イカをモチーフとした知的宇宙生物。バイラスの頭は三つの花弁状に分かれているが、一つにあわせると硬化し槍状になる。水中および空中を、イカのように水平に滑走して槍状の頭部で攻撃する。

バイラスの槍状の頭部はガメラの甲羅を貫くほどの威力を持つ。ガメラ危うし・・・この串刺しにされたガメラの場面は劇場では子供たちから悲鳴が上がったそうである。
バイラスの槍状の頭部はガメラの甲羅を貫くほどの威力を持つ。ガメラ危うし・・・この串刺しにされたガメラのトラウマ場面は劇場では子供たちから悲鳴が上がったそうである。

『ガメラ対大悪獣ギロン』(監督:湯浅憲明)

『ガメラ対大悪獣ギロン』(監督:湯浅憲明)
『ガメラ対大悪獣ギロン』(監督:湯浅憲明)

『ガメラ対大悪獣ギロン』(ガメラたいだいあくじゅうギロン)は、大映東京撮影所が製作し、1969年(昭和44年)3月21日に公開された日本の特撮映画作品。「ガメラシリーズ」の第5作。

概要

裏山に突如現れた円盤に乗り込んだ明夫とトムは、第十惑星の女宇宙人・フローベラとバーベラに捕らえられ、宇宙へと連れ去られてしまう。宇宙で二人が見たのは、ギャオスとギロンの激闘だった・・・。 マサカリ状の頭から手裏剣を発射するギロン、銀色の羽で飛来する宇宙ギャオス、そしてガメラが三つ巴の大決戦を繰り広げるシリーズ第5作。

登場怪獣

ガメラ
大怪獣ガメラ』、『対バルゴン』に引き続く、3代目に当たる。
大悪獣ギロン
惑星テラの環境が電子頭脳の狂いによって変化したために発生した怪獣の1匹で、出刃包丁に似た巨大な頭部を持つ四足歩行生物。
宇宙ギャオス
氷河期に入りつつある第十番惑星テラで繁殖し、勢力を伸ばしている。1匹はギロンに始末されるが、そのあとも画面に多数登場している。

『ガメラ対大悪獣ギロン』予告篇
『ガメラ対大悪獣ギロン』は、大映東京撮影所が製作し、1969年(昭和44年)3月21日に公開された日本の特撮映画作品。「ガメラシリーズ」の第5作。冒険好きな2人の少年・明夫とトムは、ふとしたことから宇宙船に乗ってしまい地球からちょうど太陽の反対側に位置する第10惑星テラに到着する。子供たちを救うため、地球の外に飛び出したガメラは、テラ人が操る宇宙の大悪獣ギロンと対決する。

『ガメラ対大魔獣ジャイガー』(監督:湯浅憲明)

『ガメラ対大魔獣ジャイガー』(監督:湯浅憲明)
『ガメラ対大魔獣ジャイガー』(監督:湯浅憲明)

『ガメラ対大魔獣ジャイガー』(ガメラたいだいまじゅうジャイガー)は、1970年(昭和45年)3月21日に公開された日本の特撮映画作品。ガメラシリーズシリーズ第6作。

概要

万博会場に陳列するため、ウエスター島にまつわる彫刻「悪魔の笛」を移動したことから、永い眠りから目醒めてしまった怪獣ジャイガーは、対するガメラの体内に卵を産み付けてしまう・・・。 ムー大陸からやってきた伝説の怪獣ジャイガーとガメラの死闘が繰り広げられるシリーズ第6作。

登場怪獣

ガメラ
前作『ガメラ対大悪獣ギロン』(1969年)で新造されたぬいぐるみを流用し、エキスプロによって頭のみ新規に作り直された。
大魔獣 ジャイガー
ウエスター島に眠っていたムー帝国の怪獣と言われる古代怪獣で、血の色は赤。ガメラはその存在を知っていたらしく、人間達が「悪魔の笛」を引き抜こうとするのを妨害するが、結局止められずに目覚めた。
小ジャイガー
大阪城での戦いでジャイガーに卵を産み付けられたガメラの肺の中で誕生した体長2メートルほどの子供。小ジャイガーの他に、当時の関連刊行物などでは「子ジャイガー」、「ジャイガー二世」、「吸血幼虫」などと呼ばれている。

ガメラ映画史上屈指のトラウマシーン。ジャイガーの吸血戦法で、卵を産み付けられたガメラは頭や前足が透けて見える状態で活動停止。
ガメラ映画史上屈指のトラウマシーン。ジャイガーの吸血戦法で、卵を産み付けられたガメラは頭や前足が透けて見える状態で活動停止。

尻尾の先端に輸卵管の針があり、その針でガメラの体内に卵を産み付け吸血寄生させる。寄生されたガメラの頭や前足が透けて見えることから、公開当時、「スケスケ戦法」とも呼ばれた。

本作品に挿入される「ゾウの鼻を切開して寄生虫の塊を取り出す記録フィルム」は、伝説レベルのトラウマシーンとして名高い。ゾウの鼻を切開して寄生虫の塊を取り出すこのシーンは特撮史上屈指のグロシーン。ブタの回虫を使って撮影したという。
本作品に挿入される「ゾウの鼻を切開して寄生虫の塊を取り出す記録フィルム」は、伝説レベルのトラウマシーンとして名高い。ゾウの鼻を切開して寄生虫の塊を取り出すこのシーンは特撮史上屈指のグロシーン。ブタの回虫を使って撮影したという。

『ガメラ対深海怪獣ジグラ』(監督:湯浅憲明)

『ガメラ対深海怪獣ジグラ』(監督:湯浅憲明)
『ガメラ対深海怪獣ジグラ』(監督:湯浅憲明)

『ガメラ対深海怪獣ジグラ』(ガメラたいしんかいかいじゅうジグラ)は、大映東京撮影所が製作し、ダイニチ映配の配給で1971年(昭和46年)7月17日に公開された日本の特撮映画。「ガメラシリーズ」の第7作。

概要

母国の海が公害に蝕まれたジグラ星人は、健一とヘレンと彼らの父親ら4人の人質をとり地球侵略を宣言する。ジグラの操る3色光線にはさすがの地球防衛軍の攻撃も歯が立たない・・・。480光年遥か宇宙の彼方から攻めてきたジグラ星人と子供たちの味方ガメラが、鴨川シーワールドで激突するシリーズ第7作であり、1965年から年1本のペースで製作された「ガメラ」シリーズは本作で一旦集結を迎える。

登場怪獣

ガメラ
『ガメラ対大悪獣ギロン』(1969年)で新調され、『ガメラ対大魔獣ジャイガー』(1970年)で頭をすげ替えたぬいぐるみを補修したもの。
深海怪獣 ジグラ
高度な文明を持つ海洋生物。環境汚染が進んだ自星を捨てて自身と一体化したような宇宙船に乗り、ひそかに地球へ移住しようと侵入する。

『宇宙怪獣ガメラ』(監督:湯浅憲明)

『宇宙怪獣ガメラ』(うちゅうかいじゅうガメラ)は、大映が製作し、1980年(昭和55年)3月20日に公開された日本の特撮映画。1971年の『ガメラ対深海怪獣ジグラ』以来、徳間グループ資本下となった大映によって9年ぶりに製作されたガメラシリーズの映画。事実上、昭和ガメラシリーズ最終作となっている。

概要

平和な地球に突然の危機。全宇宙を自分のものにするため、次々に星を征服してきた邪悪星人がついに地球を攻撃。彼らの武器は見たこともない巨大な怪獣だった。人を喰う怪鳥ギャオス、殺人光線を出すバルゴン、ツノからミサイルを発射するジャイガーなど凶悪な6大怪獣が現れ、東京名古屋大坂を破壊してゆく。そのとき宇宙の彼方からその姿を現したのが正義の味方スーパー・モンスター、ガメラだ。口から強力な火を吐き、マッハ3のスピードで空を飛ぶガメラが悪の手先の怪獣たちに闘いを挑んでいく。ガメラの力で危機に陥った地球は救えるか?

登場怪獣

ガメラ
ぬいぐるみは、本作まで昭和ガメラシリーズを支えてきたエキスプロダクションによって製作された。前作までと違い、首が鎌首をもたげたような形状になっている。

平成ガメラシリーズ(『平成3部作』と「角川ガメラ」)

平成ゴジラシリーズの盛り上がりが、ガメラの復活を後押しした。

『ガメラ 大怪獣空中決戦』(監督:金子修介、特技監督:樋口真嗣、脚本:伊藤和典)

『ガメラ 大怪獣空中決戦』(監督:金子修介、特技監督:樋口真嗣、脚本:伊藤和典)
『ガメラ 大怪獣空中決戦』(監督:金子修介、特技監督:樋口真嗣、脚本:伊藤和典)

『ガメラ 大怪獣空中決戦』(ガメラ だいかいじゅうくうちゅうけっせん)は、1995年(平成7年)3月11日に東宝系にて公開された怪獣映画。大映製作の平成ガメラシリーズ第1作である。平成ゴジラのヒットを受けて、昭和の大怪獣ガメラが復活した。平成の日本特撮を語る上で絶対に欠かせない「平成ガメラ三部作」の第一作。怪獣映画の王道を現代に蘇らせた。

概要

<超音速の大決闘。超遺伝子獣ギャオス来襲!! 戦え、守護神ガメラ!子供たちの未来のために。>遥かな時を超え、現代に蘇った超危険生物・ギャオスを追って、永い眠りから目覚めたガメラも日本上陸。全国民を震撼させた二大怪獣の熾烈な戦いは、九州・福岡から首都・東京、更には東京上陸へと舞台を移す。今、想像を絶する大空中バトルの幕が切って落とされた!

登場怪獣

ガメラ
平成三部作の中では一番愛らしい雰囲気のガメラ。昭和ガメラと比べて、平成ガメラは大人向け感が強い。
平成ガメラ3部作のギャオス
大人向け特撮として、ギャオスは、肉食で人間の肉を好み、雌雄同体で単位生殖することができ一体で繁殖可能な凶暴的怪鳥として描かれている。

『ガメラ2 レギオン襲来』(監督:金子修介、特技監督:樋口真嗣、脚本:伊藤和典)

『ガメラ2 レギオン襲来』(監督:金子修介、特技監督:樋口真嗣、脚本:伊藤和典)
『ガメラ2 レギオン襲来』(監督:金子修介、特技監督:樋口真嗣、脚本:伊藤和典)

『ガメラ2 レギオン襲来』(ガメラツー レギオンしゅうらい)は、1996年(平成8年)7月13日に東宝洋画系にて公開された日本の怪獣映画である。

概要

地球を襲う新怪獣の名はレギオン。シリコンを活力源に巨大草体と共生しながら爆発的に繁殖してゆく。空・陸からの数千匹にも及ぶ兵隊(ソルジャーレギオン)と翔(はね)レギオンの攻撃にガメラ絶体絶命のピンチ!復活を願う子供たちによる必死の祈りはガメラに届くのか!?

登場怪獣

ガメラ
前作『ガメラ 大怪獣空中決戦』と比べて、精悍な姿に進化している。平成3部作ガメラは、ダークヒーロー的な位置づけのキャラクター。完全な正義の味方とも断定できない立ち位置。
レギオン
隕石と共に地球へ飛来した。炭素化合物(有機物)で形成されている地球上の生物とは異なり、ケイ素(シリコン)の化合物で形成されているケイ素生物であり、未知の絶縁体で構成された甲殻は各種の電磁波を反射する。レギオン自体は地球外生命体であり、地球への飛来も偶然によるものとされていた。

『ガメラ2 レギオン襲来』予告編
ガメラ絶体絶命!人類破局へのカウントダウン!消滅するのは、日本か、レギオンか。『ガメラ2 レギオン襲来』(ガメラツー レギオンしゅうらい)は、1996年(平成8年)7月13日に東宝洋画系にて公開された日本の怪獣映画。宇宙怪獣レギオンが日本に飛来、地球の生態系を守ろうとするガメラと決死の戦いを展開する。平成3部作シリーズでは観客動員120万人、配給収入7億円と最大のヒット作となった。

『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(監督:金子修介、特技監督:樋口真嗣、脚本:伊藤和典)

『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(監督:金子修介、特技監督:樋口真嗣、脚本:伊藤和典)
『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(監督:金子修介、特技監督:樋口真嗣、脚本:伊藤和典)

『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(ガメラスリー イリスかくせい)は、1999年(平成11年)3月6日に大映が制作し東宝系で公開された怪獣映画。平成ガメラシリーズの第3作で、前2作を受けての完結編として製作された。監督は前2作と同じ金子修介。

概要

世紀末、世界中で大量同時発生した殺戮生命体ギャオスが東京・渋谷上空に出現。これを追ってガメラも飛来。二大怪獣の激突で渋谷界隈は壊滅状態に。その頃、4年前のガメラとギャオスの戦いで両親を失った少女・綾奈は、祠の中で発見した謎の生物をイリスと名づけ、ガメラを倒してくれることを願い育て始める…。

登場怪獣

ガメラ
甲羅の側面や正面がとげとげしく変化している、飛行時に平たく伸ばした腕を翼のように可動できるようになっているなど、『ガメラ2 レギオン襲来』での作品設定から更なる進化を遂げている。
邪神イリス
邪神イリス(じゃしんいりす)は、南明日香村の山奥の祠から覚醒した謎の生命体。劇中では長峰の調査によってギャオス変異体と断定されてはいるものの、いつから存在しているのか、どういった経緯やきっかけでギャオスから変異したのか等は明らかにされておらず、多くの謎に包まれている。

イリスは、自身を倒そうと行動を開始したガメラを超える能力を手に入れるため、比良坂綾奈の命と引き換えに無数のギャオス幼少体を産ませ、これにより人類を滅亡させようと、比良坂綾奈との融合を目論む。

比良坂綾奈との融合に失敗したイリスは手段を変更、近隣の住民や付近のキャンプ場にいた人間だけでなく、綾奈の恨みを晴らすかのように彼女を疎んじていた親戚たちや、綾奈とその弟の悟をいじめていた女子高生の夏子、早苗、知美達をも片っ端から捕食して栄養分と遺伝子を吸収し、急激に成体へと成長する(捕食される人間役の一人として無名時代の「仲間由紀恵」が出演していた。その壮絶な最期はトラウマシーンとして名高い)。

ギャオス・ハイパー
レギオン戦でのマナの消費により生まれた、『1』の個体とは別種のギャオス。『1』のギャオスと比べると繁殖力、攻撃力、飛行力は大幅に上がっている。

『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』予告篇
『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』は、1999年(平成11年)3月6日に大映が制作し東宝系で公開された怪獣映画。平成ガメラシリーズの第3作で、前2作を受けての完結編として製作された。第1作に登場したギャオスが再登場するほか、親を殺されガメラを憎む少女が育ててしまう邪神イリスが京都に襲来し、神社仏閣や落成間もない京都駅ビルを破壊しつつガメラと戦うクライマックスが最高の見どころ。

ストーリー的には第1作の続編的な位置づけであり、第1作でギャオスの謎を追った鳥類学者・長峰真弓(中山忍)が再び怪獣討伐のために奔走するほか、ガメラの巫女的存在の少女・浅黄(藤谷文子)も1、2作に続いて登場。ガメラと心を通わせることが出来る彼女とガメラを憎む少女・綾奈(前田愛)は、いわばポジとネガ、合わせ鏡のような存在。とりわけ前半、渋谷でのガメラ対ギャオスの戦いと、それに巻き込まれる人たちのカタストロフ描写は壮絶にして強烈。

『小さき勇者たち〜ガメラ〜』(監督:田﨑竜太、脚本:龍居由佳里)

『小さき勇者たち〜ガメラ〜』は、2006年(平成18年)4月29日に公開された、松竹配給、角川ヘラルド映画製作の特撮映画である。

概要

美しい海辺が広がる港町。交通事故で母親を亡くしたばかりの少年、透は、ある日、海岸で不思議な卵を拾う。やがてその卵から小さなカメが誕生。透はそのカメを“トト”と名付け、父親に内緒で飼い始める。ところがトトは驚くべき速さで成長し、やがて火を噴き、空を飛ぶようになる。「トト、お前、ガメラなのか?」透はトトの正体に疑問を抱く。そんな中、街には凶暴な怪獣ジーダスが出現、そこに現れたトトは、小さな身体で懸命に立ち向かっていく。

登場怪獣

ガメラ
本作では33年前に出現したガメラ(アヴァンガメラ)、主役である子供ガメラ「トト」の2頭のガメラが登場する。
ジーダス
トカゲを元にした凶悪怪獣。1973年のガメラとギャオスの戦い以来怪獣の現れなかった日本に突如出現した。
ギャオス
本作に登場するギャオスは、オリジナルギャオスと名付けられた。

関連リンク

ゴジラシリーズの映画一覧
怪獣映画一覧

外部リンク

ガメラ生誕50周年記念KADOKAWA公式特別サイト