特撮番組の路線変更は、シリアス・ハード路線からヒーロー・コミカル路線になるパタンが多く、次いで変身ブームなど当時の社会現象や流行を受けての路線変更が中心。路線変更によって大きく飛躍した作品もあれば、もはや手遅れだった場合も。

『帰ってきたウルトラマン』 / シリアス過ぎた人間ドラマ路線を子供向けに緩和した。

序盤は「特訓で技を生み出す」「主人公・郷秀樹が慢心してピンチに逢い挫折するが改心して再起を図る」等人間関係に重点を置いたストーリー作りをしていたが、子供たちがシリアスな話に感情移入しにくい事から作風を一転。

子供には濃すぎた人間ドラマ…嫌な先輩の代表格の「岸田文夫」隊員と主人公の「郷秀樹」隊員の対立。見ていてつらい。

岸田文夫隊員は、初期には何かと郷秀樹隊員と意見や感情が対立し、郷が謹慎処分になるほど重大な結果になることも多かった。 岸田文夫隊員は、初期の頃は非常に厳格でプライドが高く、思い込みの強い面があり、それ故か郷と対立する事が多かった。岸田文夫隊員は、初期の頃は非常に厳格でプライドが高く、思い込みの強い面があり、それ故か郷と対立する事が多かった。岸田隊員を演じた西田健さんは「岸田隊員のおかげで世の中には嫌な先輩がいることがわかった」と感謝のメッセージをもらったらしい。

『帰ってきたウルトラマン』第18話「ウルトラセブン参上!」/ スペシウム光線さえも吸い込むベムスターに敗れる…中盤のテコ入れ:ウルトラ兄弟の客演、ウルトラブレスレットによる武力強化が図られる。

ウルトラセブンの登場と新しい武器による中盤のテコ入れ的なエピソード。
スペシウム光線は、ベムスターのお腹に吸収されてしまい、万策尽きたウルトラマンは、ベムスターに敗北する。スペシウム光線は、ベムスターのお腹に吸収されてしまい、万策尽きたウルトラマンは、ベムスターに敗北する。

宇宙怪獣ベムスターは、ウルトラマン達を度々敗北に追い込んでいる強豪怪獣であり、可愛らしいデザインも相まって人気が高い。第18話「ウルトラセブン参上!」では、MAT宇宙ステーションを丸ごと飲み込み基地隊員を全員殉職させ、ウルトラマンジャックも倒す。しかしそこへウルトラセブンが現れ、ウルトラブレスレットをジャックに渡すと、直後の再戦では、ブレスレットで両手と顔を瞬く間に斬りおとされて倒されされてしまう。ウルトラセブンが現れ、ウルトラブレスレットをジャックに渡す。新マン「ウルトラセブン!」
セブン「お前にこれを与えよう」
セブン「ウルトラブレスレットだ」
セブン「それさえ身に付けておけばいかなる宇宙怪獣とも互角に戦えるだろう。さ、地球へ戻るのだ、ウルトラマン!」

『ウルトラマンA』 / 変身ブームの影響を受けて、北斗が単独変身することになる。

最初は「北斗星司隊員と南夕子隊員の2人がウルトラタッチで変身」という設定だったが、「ごっこ遊びがしにくい」という理由と裏番組の『変身忍者 嵐』に対抗するために南夕子隊員が月星人であったことが判明した事で月に帰ってしまい、北斗が単独変身することになる。

南夕子が月に帰ってしまったので、北斗星司一人でウルトラマンAに変身する南夕子が月に帰ってしまったので、北斗星司一人でウルトラマンAに変身する。左右の中指につけたウルトラリングをウルトラタッチさせる。

北斗星司は、南夕子とウルトラリングを合わせることでウルトラマンAに合体変身していたが、第28話で月星人だった夕子が同胞の元へと去っていったため、その後は一人で変身している。

『ウルトラマンレオ』 / 路線変更をしても特撮史に残るトラウマの宝庫となった。

第39話までのシナリオの表紙には「生きる厳しさと哀しさを鮮烈に謳う」のキャッチコピーが掲げられた。これらのコンセプトに則り、主人公・おゝとり(おおとり)ゲン強敵や周囲の人間たちとの軋轢によって過酷な状況に追い込まれて苦悩し、成長していくストーリーとなった。

第16話までの本作品のハードな展開は、前作の『タロウ』の明るい作風からの落差もあって低年齢層の視聴者の反応が芳しくなく、1クール目の視聴率は14.1%という、当時としては低い結果となった。

第17話からは序盤の特色であった過酷な特訓描写は徐々に抑えられるようになり、前作までと同様の「怪奇シリーズ」や「民話シリーズ」を導入し、『タロウ』同様のコメディ調の話も混ざるようになる。

当時流行していたカンフーアクションを取り入れ、序盤はモロボシ・ダンによるハードな特訓が行われていたシリアス過ぎるスポ根路線

視聴者から「あれは本当に『ウルトラセブン』のモロボシ・ダンと同一人物なのでしょうか」と言った投書が来るなど受けが良くなかった。また、特訓を行うために一度レオが負けるという展開が多かったため、レオが弱く見えるという弊害もあった。これらの理由からやむを得ず路線を変更。
レオは工場の煙突を利用してレオヌンチャクを作り出して星人と戦うウルトラマンレオは、当時流行していたカンフーアクションを取り入れた。

第11話「泥まみれ男ひとり」では、レオは工場の煙突を利用してレオヌンチャクを作り出してケットル星人と戦った。

ダン隊長との鬼畜すぎる過酷な特訓 / 徹底的な厳しいスパルタ教育でレオを強くする

『ウルトラマンレオ』第4話にて、ツルク星人打倒の為「滝を切る」と言う特訓に励むレオことおおとりゲン。だが思うように上手く行かず、自分には出来ないと挫折してしまう。そんな彼に対し、突如飛んでくるダンの松葉杖。
疲労困憊で青ざめた表情のダンの名言「その顔は何だ、その眼は何だ、その涙は何だ!

青ざめた凄惨な表情のダン。ダンはウルトラ念力を使った影響で疲労し倒れる。青ざめた凄惨な表情のダン。ダンはウルトラ念力を使った影響で疲労し倒れる。この病的に青ざめた危険な顔は現代のテレビ倫理では放送できないかもしれない。

現代では視聴者やスポンサーから苦情が狂ったように殺到するほど厳しい鬼畜すぎるダン隊長の特訓。

カーリー星人を倒すために先がとがった丸太を使った過酷なトレーニングに励むゲン。カーリー星人を倒すために先がとがった丸太を使った過酷なトレーニングに励むゲン。

あまりにも危険な特訓のため、周りの仲間は特訓をやめさせようとする。

百子「オオトリさん、オオトリさんってば!」
猛「やめてください!」
ゲン「止めないでください」

ダン「今まで一体何をしていたんだ。丸太の特訓では生温い。」スパルタ教育を施すダン「今まで一体何をしていたんだ。丸太の特訓では生温い。

なんと、ダン隊長は、先が尖った丸太の特訓程度では生ぬるいと言う。さすがウルトラセブンの特訓である。そして、伝説のジープで追い回す特訓が始まる。

ゲン「やめてください隊長!」。ダンは、ジープでゲンを追いかけ回す。ゲンをひき殺そうとするダンの恐ろしい伝説の特訓。ゲン「やめてください隊長!」。ダンは、ジープでゲンを追いかけ回す。ゲンをひき殺そうとするダンの恐ろしい伝説の特訓。

有名なジープで追いかけ回される特訓は、第6話「男だ!燃えろ!」に登場したカーリー星人の突進対策として行われたものである。

オイルショックの影響で制作費が激減。防衛チーム・MACの大幅なリストラや、円盤生物の登場等新機軸が生み出される。トラウマ回・ホラー回の宝庫となってしまった。

『ウルトラマンレオ』第40話「恐怖の円盤生物シリーズ! MAC全滅! 円盤は生物だった!」/ シルバーブルーメによりMAC隊員が全滅、主人公の近しい人々をまとめて殺害。この路線変更の結果、特撮史に残る最凶のトラウマ回が生み出された。

シルバーブルーメは、防衛チーム「MAC 」のアジア本部ステーションを強襲し、ウルトラセブン(モロボシ・ダン)を含めMAC隊員を基地ごと丸呑みにして全滅させた。ウルトラシリーズ最悪トラウマ怪獣。シルバーブルーメは、防衛チーム「MAC 」のアジア本部ステーションを強襲し、ウルトラセブン(モロボシ・ダン)を含めMAC隊員を基地ごと丸呑みにして全滅させた。ウルトラシリーズ最悪トラウマ怪獣。

円盤生物第1号シルバーブルーメは、宇宙ステーションごと丸呑みにしてウルトラセブン(モロボシ・ダン)を含めMACを全滅させるというウルトラシリーズ最大最悪のトラウマを引き起こす。さらにレオ(おゝとり・ゲン)の恋人・友人・家族同然に接していた3人が買い物に来ていたデパートを襲撃し、数多くの一般市民と主人公の近しい人々をまとめて殺害するという、ウルトラシリーズ史上類を見ない暴虐を働いた。円盤生物シルバーブルーメはMACステーションを飲み込んでいく…MAC全滅!ゲンは飲み込まれる寸前にレオに変身して脱出。ゲン以外の隊員は命を落とし、ダンは消息不明となってしまう。円盤生物シルバーブルーメはMACステーションを飲み込んでいく…MAC全滅!ゲンは飲み込まれる寸前にレオに変身して脱出。ゲン以外の隊員は命を落とし、ダンは消息不明となってしまう。円盤生物第1号シルバーブルーメは、宇宙ステーションごと丸呑みにしてMACを全滅させるというウルトラシリーズ最大最悪のトラウマを引き起こす。デパートで買い物を楽しんでいた山口百子・野村タケシ・梅田カオルの3人・・・まさか!なんと、シルバーブルーメはデパートを襲撃した。デパートで買い物を楽しんでいた山口百子・野村タケシ・梅田カオルの3人・・・まさか! 当日にデパートを買い物で訪れていたゲンの恋人の百子、友人かつ弟分の野村猛、そしてトオルの妹カオルら3人を含む多数の人々がビルの倒壊に巻き込まれ、死亡する。当日にデパートを買い物で訪れていたゲンの恋人の百子、友人かつ弟分の野村猛、そしてトオルの妹カオルら3人を含む多数の人々がビルの倒壊に巻き込まれ、死亡する。

シルバーブルーメに潰されて、崩れ落ちるビルの中の人形のシーンは、視聴者にショックを与えたトラウマシーン。シルバーブルーメに潰されて、崩れ落ちるビルの中の人形のシーン(悲劇を比喩的・象徴的に表現した)は、視聴者にショックを与えたトラウマシーン。

円盤生物シルバーブルーメ襲撃による犠牲者のリスト(死亡者名)発表シーンのリアルさ・・・野村タケシ・・・ゲンの恋人である山口百子・・・梅田トオルの唯一の肉親(妹)であったカオルまでシルバーブルーメの犠牲に・・・。円盤生物シルバーブルーメ襲撃による犠牲者のリスト(死亡者名)発表シーンのリアルさ・・・「野村タケシ」・・・ゲンの恋人である「山口百子」・・・梅田トオルの唯一の肉親(妹)であった「カオル」までシルバーブルーメの犠牲に・・・。

トラウマ怪獣のシルバーブルーメに殺された人の死亡者リストのシーンは、絶望感いっぱいであり、トラウマを植え付けた。

『ウルトラマンレオ』第50話「レオの命よ! キングの奇跡!」/ ブニョによってレオが生きたままノコギリでバラバラに切断される特撮史に残る伝説の猟奇的なシーン

ウルトラマンレオは、零下100度の身体処理室で凍らされてしまう。ウルトラマンレオは、零下100度の身体処理室で凍らされてしまう。あまりにも衝撃的な映像。処置台の上で氷漬けになったウルトラマンレオの身体…「安らかに眠りたまえ~」と憎たらし気に高笑いするブニョ。

ブラック指令は、ブニョによって捕えられたレオを氷漬けにした上で、ノコギリでバラバラにしてしまう。ブラック指令は、ブニョによって捕えられたレオを氷漬けにした上で、ノコギリでバラバラにしてしまう。特撮史に残る猟奇的なトラウマシーン。ブラック指令になんとノコギリで体を切断されていくウルトラマンレオ…あまりにも痛々しくて見ていられない衝撃的なトラウマシーン。ブラック指令になんとノコギリで体を切断されていくウルトラマンレオ…あまりにも痛々しくて見ていられない衝撃的なトラウマシーン。ノコギリで体をバラバラに引き裂かれ、声も上げられずに悶え苦しむウルトラマンレオの姿…ノコギリで体をバラバラに引き裂かれ、声も上げられずに悶え苦しむウルトラマンレオの姿…

ブニョは、ウルトラマンレオを凍らせ、宇宙ノコギリでバラバラ死体にしてしまう。野晒しにされたウルトラマンレオのバラバラ死体。あまりにも猟奇的なシーン。野晒しにされたウルトラマンレオのバラバラ死体。あまりにも猟奇的なシーン。ウルトラマンレオのバラバラ死体は、子供たちにトラウマを刻み込んだ。
レオの猟奇的なバラバラ死体は野に遺棄された…あまりにも無残すぎるヒーローの姿。あまりにも無残すぎるウルトラマンレオの頭部…。ウルトラマンレオの猟奇的なバラバラ死体は野に遺棄された…レオのバラバラ死体が野ざらしに…あまりにも無残すぎるヒーローの姿。無残すぎるウルトラマンレオの頭部…。

野に遺棄されたレオのバラバラ死体…現代では放送できない凄惨なシーン。無残にも野に遺棄されたウルトラマンレオのバラバラ死体…現代では放送できない凄惨なトラウマシーン。無残にも野に遺棄されたウルトラマンレオのバラバラ死体…現代では放送できない凄惨なトラウマシーン。無残にバラバラにされたウルトラマンレオの遺体。

終盤の路線変更=オイルショックの影響で制作費が激減した結果、このようなトラウマ回が量産されてしまった。

『ウルトラマン80』 / 主人公・矢的猛が「防衛隊に所属しながら教師としての一面も持つ」という学園路線から昔の路線に戻された

「なぜ今ウルトラマンを作らなければならないのか」、「80年代のウルトラマンが今までと同じではいけない」ということで、レオ放送時に構想されていた主人公・矢的猛が「防衛隊に所属しながら教師としての一面も持つ」という設定が当初は採用された。桜ヶ岡中学校に新人教師・矢的 猛(やまと たけし)が赴任。「一所懸命」をモットーとする彼は1年E組を受け持つ一方、5年ぶりとなる怪獣復活を確信して密かに調査を続けていた。矢的こそ、ウルトラマン80(エイティ)の仮の姿だった。矢的は地球防衛軍の極東エリア・UGMのオオヤマ一樹キャップからのスカウトを受け、UGMに入隊。UGM隊員や教師、そしてウルトラマンを掛け持ちしつつ、地球平和のために奮闘する。

『熱中時代』のような学園ドラマが人気を博していたこともあり、安全策を取って従来通りのウルトラマンで行こうとする円谷側に対して、TBS側のプロデューサーが強行したとされる。
しかし、学校でのロケが困難を極めたこと(学校施設を借りてのロケ撮影の日程(主に日曜日)を組むことが制作スケジュール上の制限となっていった)、そして教育問題と怪獣の問題を合わせて書く事の難しさもあり、プロデューサーの異動もあって、「やはり昔の路線で行こう」とTBS側が学園路線を変更する事を提案。

第13話以降は「学園物」の設定とともに矢的猛の「学校教師」としての設定は切り捨てられ、UGMを舞台として隊員たちの活動を描く従来のウルトラシリーズのドラマに路線変更された。

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『仮面ライダー』 / 特撮史に残る伝説レベルの路線変更。社会現象「変身ブーム」の発生源として、マスコミの注目を浴びる番組となった。

仮面ライダー 第01話[公式](仮面ライダー50周年記念)

初期の仮面ライダーは、怪奇色・猟奇色(オカルト・スリラー色)が強かった。現代の地上波では放送できない恐怖レベル。やり過ぎ。

蝙蝠男(人間蝙蝠)によって吸血鬼化されるマンションの住人達とヒロインの緑川ルリ子(第2話) / 特撮史に残るトラウマ必至の恐怖映像。

怖すぎるトラウマキャラの蝙蝠男怖すぎるトラウマキャラの蝙蝠男

蝙蝠男(人間蝙蝠)は、人間の首筋に噛みつき、吸血行為をするのと同時に、牙に仕込まれた“新種のビィールス”を感染させ、感染した人間を体から発する超音波を使い自在に操ることができ、自身に危険が及ぶと自己催眠で深い眠りにつき、その身を守るのと同時に情報漏えいを防ぐことができる能力を持つ。

怪奇アクションドラマ路線だったため、視聴者を震え上がらせる、怖すぎるホラー演出になっている。怪奇アクションドラマ路線だったため、視聴者を震え上がらせる、怖すぎるホラー演出になっている。

山野美穂が居住していたマンション内は、ショッカーの新型ビールスの実験場と化していた。このビールスに感染した人々は吸血鬼化し、ショッカーの僕となり、他の人を襲って仲間の吸血鬼を増やしていく。山野美穂が居住していたマンション内は、ショッカーの新型ビールスの実験場と化していた。このビールスに感染した人々は吸血鬼化し、ショッカーの僕となり、他の人を襲って仲間の吸血鬼を増やしていく。まるで吸血鬼ドラキュラやゾンビ映画のような怖さ。ヒロインの緑川ルリ子は、蝙蝠男に噛みつかれる。ヒロインの緑川ルリ子は、蝙蝠男に噛みつかれる。これを現代の地上波の子供向き枠で放送したら苦情の電話が鳴りやまないだろう。放送当時はブラウン管テレビ時代であり、暗いぼやけた画面であったため、怖さはさらに倍増だった。

この時、ルリ子は、ショッカー首領から「貴様の父親・緑川博士は我々ショッカーを裏切ったため、殺したのだ」と真実を聞かされた。これによって本郷に対する誤解は解けた。蝙蝠男のビールスを感染させられたルリ子。蝙蝠男のビールスを感染させられたルリ子。ヒロイン大ピンチ。かなりのリョナ・シーンと言えそうだ。苦情の電話が鳴りやまないレベルだ。

蝙蝠男が倒され血清を打たれて助かった後、ルリ子は、本郷に謝罪をする。それ以降、本郷の協力者としてショッカーに立ち向かっていく。ライダー投げを食らった蝙蝠男の最期。血しぶきが舞い上がる。ライダー投げを食らった蝙蝠男の最期。血しぶきが舞い上がる。尋常ではない量の血液。ここまでやっていた。さすが70年代初期の昭和特撮ならではの過激なスプラッター描写。

初期の仮面ライダーシリーズは、「怪奇アクションドラマ」というダークでシリアスな作風であったため、現代の明るい特撮ヒーロー番組とは異なり、ホラー映画や恐怖映画のような猟奇的で陰惨な殺害シーンや恐怖の残酷描写が満載だった。

本郷猛役の藤岡弘氏が怪我によるアクシデントで一時的に現場を退く。

藤岡弘の事故負傷とその影響 / 「仮面ライダーを巨大化させよう」という案も。

本郷猛役の藤岡弘は、第9話・第10話の撮影中にオートバイで転倒して全治3 - 6か月の重傷を負い、撮影に参加できなくなった。本郷猛役の藤岡弘は、第9話・第10話の撮影中にオートバイで転倒して全治3 – 6か月の重傷を負い、撮影に参加できなくなった。仮面ライダーの登場シーンを増やす、ヒロイン・緑川ルリ子や新キャラクター・滝和也の活躍を繋ぎ合わせるなどの措置で完成させ、急場を凌いだ。

この間、方向性の再検討と新たな主役について討議された。本郷役の交替案や内容の一新など、様々な展開が検討されている。関連書籍に再録された当時の議事録によれば、MBSの局長や脚本家の「仮面ライダー1号は殺してしまってもよいのではないか」「外遊よりも殺してしまったほうが書きやすいのだが」といった意見に対し、平山亨は「子供たちのオールマイティーの夢を潰すことになり、主人公を殺してしまうのはよくない」と強硬に反対した。同時期に『宇宙猿人ゴリ』や『帰ってきたウルトラマン』などの巨大ヒーロー番組が多かったせいか、「仮面ライダーを巨大化させよう」という案も出た。

引用元: ウィキペディア(Wikipedia)『仮面ライダー』

一文字隼人(仮面ライダー2号)の登場による「主役交代」(第14話から第52話まで)と社会現象「変身ブーム」の発生

討議の結果、「本郷は海外のショッカー支部との戦いに赴き、そのあとを継ぐ新しい仮面ライダーが登場する」という形での新展開が決定した。急遽新たに登場する仮面ライダー2号=一文字隼人役には、佐々木剛が選ばれた。

一文字 隼人(いちもんじ はやと) / 仮面ライダー(2号)は、第14話より、海外に渡った本郷に代わって日本の守りにつくが、第52話以降は再び本郷と交代して南米へ旅立った。その後も何度か帰国し、ダブルライダーとして戦っている。

一文字隼人の登場とともに番組は大幅なリニューアルが図られ、それまでオカルトでスリラー的なイメージだった『仮面ライダー』は明るくストレートなヒーロー番組となり、人気に火がついた。仮面ライダーシリーズの変身ブームは、一文字の登場によって始まった。

一文字 隼人 / 仮面ライダー(2号)が登場する第14話以降のオープニングテーマ「レッツゴー!! ライダーキック」(第14 – 88話) / 歌:藤浩一(のちの子門真人
藤浩一(のちの子門真人)が歌うオープニング曲「レッツゴー!!ライダーキック」は、130万枚の大ヒットとなった。あまりの売れ行きにレコードの生産が追いつかないほどだった。

この主役交代を機にそれまでの番組上の問題点を修正し、刷新することになった。

  • 舞台をスナックからレーシングクラブに移し、女性レギュラーを増やすなどでドラマパートの雰囲気を明るくした。
  • 一文字を本郷よりもユーモラスで都会派のキャラクターに設定し、ヒーロー性を強化した。
  • 仮面ライダーのデザインをやや派手なものにしてキャラクター性を強化するとともに、夜間撮影時の困難を回避しようと、暗闇に溶け込みにくい配色にした。
  • 「主役が見栄を切る華やかな見せ場」として変身ポーズを設定し、一文字に自らの意思による能動的な変身を取り入れた。

一文字隼人(仮面ライダー2号)の変身ポーズは子供たちの間で大流行となり、「変身ブーム」と呼ばれる社会現象を巻き起こした。

一文字隼人(仮面ライダー2号)の記念すべき第14話の最初の変身ポーズ…伝説の始まり一文字隼人(仮面ライダー2号)の記念すべき第14話の最初の変身ポーズ…伝説の始まり

一文字隼人(仮面ライダー2号)の脚を開いて両腕を大きく動かしながら「変身!!」と掛け声を叫ぶ変身ポーズは、子供たちの間で大流行となり、「変身ブーム」と呼ばれる社会現象を巻き起こした。

「仮面ライダー」は、社会現象「変身ブーム」の発生源として、マスコミの注目を浴びる番組となった。2021年現在においても、全仮面ライダーシリーズで最長の期間にわたって放送された作品でもある。

本郷猛が変身する新1号ライダーが第53話で主役に復帰

本郷が変身する新1号ライダーが復帰後は、ダブルライダーとして戦う時も。本郷が変身する新1号ライダーが復帰後は、ダブルライダーとして戦う時も。

藤岡の傷が完治した後の第52話で「一文字が南米のショッカー勢力を追って旅立った」という設定のもと、本郷が変身する新1号ライダーが第53話で主役に復帰した。この際に外観を一新し、「ライダー、変身!」と名乗る新しい変身ポーズが追加された。

『仮面ライダーX』 / 「メカニック・ヒーロー」への挑戦は、成功したとはいえなかった…。

ヒロインが当初の水城涼子とその双子の妹・霧子(演じている美山尚子氏の二役)からマコ・チコの二人組にバトンタッチ

『仮面ライダーX』第8話「怪!?小地球・中地球・大地球」 / 悲劇のヒロイン美山涼子、霧子姉妹死す

水城霧子は、第8話で敬介を庇って戦闘工作員の放った矢に当たり、絶命する。

水城霧子は、涼子の双子の妹。姉とはお互い離ればなれで暮らしていたが、連絡だけは取り合っていた。当初、涼子から彼女の存在が知らされていなかったために敬介を困惑させたが、後に双子であることを敬介に明かす。亡くなる直前、「姉は今でもあなたのフィアンセだから信じてほしい」と敬介に対して必死で話していた。

GODに潜入した姉に代わって、敬介を影からサポートする。敬介が姉のことで苦悩するが、彼に「個人の感情は捨てて皆のXライダーになれ」と言う。第8話で敬介を庇って戦闘工作員の放った矢に当たり、絶命する。

水城涼子は第8話において怪人アトラスの攻撃から子供を庇ったことで正体が露見、GOD総司令によって体内の自爆装置のスイッチを入れられて命を落とす。水城涼子(みずきりょうこ)は、「仮面ライダーX」に登場するキャラクター。神敬介のフィアンセで、水城霧子の双子の姉。水城涼子はインターポールの秘密調査員としてGODに潜入捜査で入り込み、その時にGODによる新入りの洗礼としてサイボーグ手術を受け、体内に自爆装置まで埋め込まれてしまう。水城涼子は第8話において怪人アトラスの攻撃から子供を庇ったことで致命傷を受ける。GOD総司令によって体内の自爆装置のスイッチを入れられて命を落とす。水城涼子(みずきりょうこ)は、GODによる新入りの洗礼としてサイボーグ手術を受け、体内に自爆装置まで埋め込まれてしまう。水城涼子は第8話において怪人アトラスの攻撃から子供を庇ったことで正体が露見、GOD総司令によって体内の自爆装置のスイッチを入れられて命を落とす。

第15話からマコ・チコの二人組が登場

チコは、第15話から登場。城北大学の女子大生だったが、GODの指令テープを誤って聞いてしまったことから戦いに巻き込まれてしまう。危ういところを敬介に救われ、「COL」のウェイトレスになる。好奇心旺盛な健啖家だが、ドジで執拗に迫ってくる怪人の魔の手に落ちたり、たびたび危機に陥る。マコとは同居している。ストレートロングヘアーでスレンダーな体格の持ち主。

マコは、第15話から登場したチコの親友。いつもチコと共に行動しており、「COL」でも一緒に働いている。藤兵衛やチコと共に人質になる事が多い。一度も風邪を引いたことがないのが自慢らしい。健啖家。心配性なチコとは違い、「そうなったらそうなったで諦めなさい」などと、やや物事をとらえるのが楽観的なところがある。

『仮面ライダーアマゾン』 / 「本格的怪奇アクションドラマ」への回帰は、成功したとはいえなかった…。

「仮面ライダーの原点回帰」を謳った当初の路線が支持を得られず、途中から大きく路線変更した作品だが、何より視聴者の度肝を抜いたのは急に日本語が流暢になるアマゾンだろう。最終回で白いスーツのまま南米に帰る姿に違和感を覚えた人は多いはずだ。

本格的怪奇アクションドラマ路線のアマゾンの必殺技・大切断による過激な出血描写。トラウマを植え付けられた視聴者は多い。

アマゾンの必殺技・大切断による過激な出血描写。アマゾンの腕のカッターを使って獣人を切り裂く「大切断」。『仮面ライダーアマゾン』7話「とける!とける!恐怖のヘビ獣人!?」に登場するヘビ獣人は「大切断」で殺される。顔面を切り裂かれ、かなりの出血。『仮面ライダーアマゾン』7話「とける!とける!恐怖のヘビ獣人!?」に登場するヘビ獣人は「大切断」で殺される。顔面を切り裂かれ、かなりの出血。あまりにも痛々しい。これは現代の地上波放送では流せないレベルの陰惨なスプラッター描写。

「大切断」で切られた相手はとんでもない勢いで血を吹き出し血みどろになって息絶えるのが特徴。地上波放送で流すには危険すぎる必殺技だ。アマゾンの「大切断」で四つに切断され、ガマ獣人は大爆発。『仮面ライダーアマゾン』の第17話「富士山大爆発?東京フライパン作戦!」に登場したガマ獣人。アマゾンの「大切断」で四つに切断され、ガマ獣人は大爆発。

この技があまりにもグロかったため、当時トラウマになった子供たちも多いらしい

秘密組織「ゲドン」の首領『十面鬼ゴルゴス』 / その猟奇的な姿は多くの視聴者にインパクトを与えた。

秘密組織「ゲドン」の首領「十面鬼ゴルゴス」秘密組織「ゲドン」の首領「十面鬼ゴルゴス」十面鬼ゴルゴスは、秘密結社ゲドンの首領。古代インカ文明の末裔である長老バゴーの助手の一人・ゴルゴスが、世界征服の野心に目覚め改造人間となり、自分の下半身と9人の悪人の頭部を、謎のエネルギーを持つ巨大隕石から作り上げた「人面岩」に埋め込んだ姿となった、異形の怪人である。その猟奇的なグロい姿は多くの視聴者にインパクトを与えた。人間の血液が主なエネルギー元。秘密組織「ゲドン」の首領「十面鬼ゴルゴス」泣き出す子供が続出するレベルの恐さ。この路線では厳しい。

『秘密戦隊ゴレンジャー』 / 伝説の始まり…実写による集団変身ヒーローの元祖。娯楽性を高める試行錯誤を通じて「コメディ」路線に。

『秘密戦隊ゴレンジャー』は、1975年4月5日から1977年3月26日まで、NET系列で毎週土曜19:30 – 20:00 (JST) に全84話が放送された、NET (現・テレビ朝日)・東映制作の特撮テレビドラマ。「スーパー戦隊シリーズ」第1作目として扱われている。

「ハード」路線から「コメディ」路線と大胆な路線変更を果たした作品の代表格として挙げられる事が多いが、実際にはコメディ変更後も鉄人仮面テムジン将軍等スリルのある話があるため一概には言えない。

エンディングテーマ「秘密戦隊ゴレンジャー」(第1 – 63話)
♪バンバラバンバンバン、バンバラバンバンバン」というフレーズがあまりにも強烈であるうえ、戦闘BGMとして本編で流れる機会も多かったためか、本作を象徴するテーマソングとしてOPよりも浸透している感がある。

変身ヒーロー作品に「戦隊」という図式を取り入れたうえ、ヒーロー5人が最初から登場するという設定が子供たちの大きな人気を集め、結果的に最高視聴率は22%、放映話数も全84話という記録を打ち立てた。再放送を含めて、2年間という放送期間はスーパー戦隊シリーズの最長記録となっており、未だにその記録は破られていない。

「ドラマや敵の怪人をコミカルに描く」というコンセプトは、本作品で美術全般を担当したエキス・プロダクションの前沢範が企画会議で石森に「舞台のショーで見られるような、コミカルで楽しいものにしましょう」と提案し、採用された。

引用元: 『怪獣とヒーローを創った男たち』特撮映画研究会 編、辰巳出版〈タツミムック〉、2002年12月。

人気を支えた理由としては、ハードなスパイアクションからギャグ、次回予告にも使われたなぞなぞネタといった、あらゆる娯楽的要素を盛り込んでいたことなどが挙げられる。

『ジャッカー電撃隊』 / シリアスなスパイ路線からコミカル路線に戻すも視聴者は戻らずシリーズ初の打ち切り

『ジャッカー電撃隊』とは1977年4月9日から12月24日までNETテレビ改めテレビ朝日系で全35話が放送された、スーパー戦隊シリーズ第2作。原作は前作『秘密戦隊ゴレンジャー』と同じ石ノ森章太郎。

放送初期の作風が前作『ゴレンジャー』と打って変わって余りにもダーク過ぎた(麻薬取引、殺人事件etc)が故にメインのターゲットである子供が着いて行けず、視聴率が低迷した。

テコ入れとしてジョーカーに代わる行動隊長として番場=ビッグワンをメインに据えつつ、前作同様のコメディ路線に変更したものの、視聴率の回復には繋がらず、スーパー戦隊シリーズで唯一となる3クール目で打ち切られた作品となってしまった。

オープニングテーマ「ジャッカー電撃隊」
作詞:石森章太郎 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:ささきいさお、こおろぎ’73

子供向けになり過ぎた前作『秘密戦隊ゴレンジャー』からの反動でシリアスなスパイ路線を目指したものの、殺人や麻薬といった内容が子供には受けなかった為次第にコミカル路線に戻る。

テコ入れとして行動隊長・ビッグワン(演:宮内 洋)とコメディリリーフ・姫玉三郎(演:林家 源平)を導入したが、結果として視聴者は戻らずシリーズ初(そして2022年現在唯一)の打ち切りとなってしまった。テコ入れとして行動隊長・ビッグワン(演:宮内 洋)とコメディリリーフ・姫玉三郎(演:林家 源平)を導入したが、結果として視聴者は戻らずシリーズ初(そして2022年現在唯一)の打ち切りとなってしまった。第23話から松山支部から炊事見習いの姫玉三郎も登場。第23話から松山支部から炊事見習いの姫玉三郎も登場。

『シルバー仮面』 / 等身大ヒーローから巨大ヒーローものへと変更。

裏番組である『ミラーマン』との視聴率競争に勝つ為、11話でそれまでの等身大ヒーローから巨大ヒーローものへと変更。

本作は、放映開始時から裏番組として同じ特撮ヒーロー番組である円谷プロダクションの『ミラーマン』(フジテレビ)との視聴率競争が意図されていた作品。

等身大ヒーロー番組だった『シルバー仮面』は、第11話から『シルバー仮面ジャイアント』と改題され、巨大化ヒーロー番組として設定の多くが修正・変更されることとなる。

この「ジャイアント編」は、当時の「怪獣・変身ブーム」の追い風もあって視聴率も上昇。第2話から10話の平均視聴率が6.0%だったのに対し、第11話から第26話の平均視聴率は8.8%である。第16話から第18話まで3週連続で10%超えを果たした。また、テコ入れ初回の第11話から『ミラーマン』の視聴率を常時20%割れの状態に追い込んだ。

『シルバー仮面』は、1971年(昭和46年)11月28日から1972年(昭和47年)5月21日まで放送された、宣弘社制作の特撮テレビシリーズ。侵略宇宙人や怪獣に立ち向かう正義の戦士、春日光二=シルバー仮面の活躍を描く。

第11話以降は『シルバー仮面ジャイアント』に改題された。

シルバー仮面はあふれ出た光子エネルギーを浴びてシルバー仮面ジャイアントへ進化した。

春日兄妹の努力が実を結び、ついに光子ロケットは完成して宇宙へ飛び立つことになったが、その行先でサザン星人に襲撃され、ロケットは破壊されてしまう。その時、シルバー仮面はあふれ出た光子エネルギーを浴びてシルバー仮面ジャイアントへ進化し、サザン星人を倒した。

『恐竜大戦争アイゼンボーグ』 / 特撮史に残る路線変更。巨大ヒーロー・アイゼンボーや恐竜魔王が登場する展開へ変更された。

物語は主人公の立花善立花愛の兄妹愛を軸にしたシリアスな展開でスタートし、中盤以降は巨大ヒーローのアイゼンボーが登場。敵も恐竜軍団から恐竜を改造した怪獣軍団へ変遷し、より娯楽的な厚みが増した。

『恐竜大戦争アイゼンボーグ』オープニングテーマ:「戦え! アイゼンボーグ」

スーパーメカニック、ひいては巨大ヒーロー全体の新たな地平を目指すべく、アイゼンボーグ号を単なるメカではなく巨大ヒーローとして描写した。しかし放映途中、スタッフにより「恐竜は子供たちにとって愛すべき動物であり、邪悪な怪獣として描きにくい」、「やはりスーパーメカニックを巨大ヒーローとして描くのには無理があった」などの問題が指摘され、巨大ヒーロー・アイゼンボーや恐竜魔王が登場する展開へ変更されたとされる。

比較的シリアスなストーリーを展開していたが、番組後半からコメディ色が強くなる

唐突にピンク・レディーの「UFO」の曲にあわせて恐竜帝王ウルルが踊る唐突にピンク・レディーの「UFO」の曲にあわせて恐竜帝王ウルルが踊る

ドラマ性に関しては、当初は主人公の愛と善の2人の兄妹愛を軸に比較的シリアスなストーリーを展開していたが、番組後半からコメディ色が強くなり、唐突にピンク・レディーの「UFO」の曲にあわせて恐竜が踊るというお遊び的なシーンが入る話(第19話)や、敵側の視点から徹底したコメディとして作られた第30話のようなエピソードもみられた。

『恐竜大戦争アイゼンボーグ』第20話「かがやけ一番星! アイゼンボー」 / 戦闘巨人アイゼンボーの誕生。特撮史に残る衝撃的な路線変更。

愛「善!わたしの中に飛び込んできて! 早く!はやく来て!」

巨大ヒーローの「アイゼンボー」とは、アイゼンボーグマンとなった善が「ボー・チェンジ」の掛け声でアイゼンボーグ号の制御回路になった愛と再度合体、巨大化し、額部分にカラーチェッカーと化したアイゼンボーグ号を装着した正義の超戦闘巨人。 アイゼンボーは、第20話で恐竜魔王ゴッテスが最初に送り込んだケラトサウルス型怪獣ギラーとの戦いで絶体絶命のピンチになったアイゼンボーグマンが「死ぬなら(妹と)一緒に」と制御回路に飛び込んだところ突然出現した。視聴者全員がびっくりする超展開だった。アイゼンボーグマンが「死ぬなら(妹と)一緒に」と制御回路に飛び込んだアイゼンボーグマンが「死ぬなら(妹と)一緒に」と制御回路に飛び込んだ。アイゼンボーグマンが「死ぬなら(妹と)一緒に」と制御回路に飛び込んだアイゼンボーは、立花善/アイゼンボーグマンが「死ぬならば愛と共に」と制御回路に身投げしたときに偶発的に誕生した正義の超人。アイゼンボーは、まったくの偶然で生まれたのだが、二人の確かな兄弟愛の強さの賜物、恩恵と言えるだろう。それ以後は「ボー・チェンジ」と叫んでアイゼンボーグ号の制御回路となった愛に飛び込むことで合体変身する。アイゼンボーグ号から変身する関係上2分30秒という時間制限が存在し、活動限界が近づくと額にあるアイゼンボーグ号が点滅し、それが消えると大爆発してしまう。

なぜ、突然、巨大ヒーロー・アイゼンボーへの変身が可能になったのか。その理由。

前話で活動限界をオーバーして恐竜帝王ウルルと戦った事で回路に大きな損傷を受けた立花愛が、鳥居博士の電気ショック治療を受けた時にアクシデントで大量の電流を浴びた結果、強力な超能力を受けて復活。それと同時にこの形態へと変身する事が出来るようになった。
第19話で重傷を負った愛を手術した際に高圧電流を受けたことが原因で愛が超能力を得たため巨大化が可能になったと第20話のナレーションでは語られている。真の黒幕であるゴッテスが出現するまでは、ラスボスと思われていた恐竜帝王ウルル(ティラノサウルス)との決戦によって、第19話で重傷を負った愛を手術した際に高圧電流を受けたことが原因で愛が超能力を得たため巨大化が可能になったと第20話のナレーションでは語られている。 第19話で重傷を負った愛を手術した際に高圧電流を受けたことが原因で愛が超能力を得たため巨大化が可能になったと第20話のナレーションでは語られている。愛が超能力を得られたのは、たまたま手術中に、過電流が流れた事による偶然の出来事、アクシデントだった。

 

『イナズマン』

『イナズマン』は、1973年10月2日から1974年3月26日までNET系で毎週火曜日19時30分から20時00分に全25話が放送された、石森章太郎原作東映製作の特撮テレビ番組。

1970年代前半のオカルトブーム(超能力・UFO・幽霊)を反映した超能力・怪奇アクション路線。中盤以降は、ハードアクションロマンへ。

本作が放映された当時は超能力やUFOなどのオカルトものが一大ブームを起こしており、主人公が超能力者、主人公に協力する「少年同盟」も超能力を持つ少年少女によって構成されている、など本作にも随所にそれらの要素が盛り込まれている。

当初は勧善懲悪のヒーロー路線であったが、中盤以降はハード路線となり少年同盟の出番も少なくなっていった。続編『イナズマンF』でもこのハード路線が継承された。
シリアス・ハード路線からヒーロー・コミカル路線になるという例は多いが、この作品はその逆の路線変更をされたという珍しい例となった。

『ゴジラシリーズ』 / 怪獣パニックホラーから怪獣プロレスへ、作品によって原点回帰も。

第一作『ゴジラ』はホラー路線だったが、次作『ゴジラの逆襲』ではもう一頭の怪獣が登場し猛獣の格闘が描かれ、第3作『キングコング対ゴジラ』から「怪獣プロレス」へと路線が変わっていった。

ゴジラ(1954) / 第二次大戦下の空襲を象徴していた

ゴジラは、「核の落とし子」「人間が生み出した恐怖の象徴」として描かれた。また核兵器という人間が生み出したものによって現れた怪獣が、人間の手で葬られるという人間の身勝手さを表現した作品となった。
特撮怪獣映画の原点にして頂点「ゴジラ」(1954) / 画像は「株式会社東宝のキャラクター、ゴジラのオフィシャルサイト」より引用
特撮怪獣映画の原点にして頂点「ゴジラ」(1954) / 画像は「株式会社東宝のキャラクター、ゴジラのオフィシャルサイト」より引用

「ゴジラ」 | 予告編 | ゴジラ 第1作目

原水爆実験の影響で、大戸島の伝説の怪獣ゴジラが復活し、東京に上陸。帝都は蹂躙され廃墟と化した。ゴジラ抹殺の手段はあるのか・・・。戦後の日本映画界に特撮怪獣映画というジャンルを築いた、記念すべきゴジラ映画第1作。核の恐怖を描いた、本多猪四郎の真摯な本編ドラマと、円谷英二のリアリズム溢れる特撮演出が絶妙のコンビネーションを見せ、「ゴジラ」の名を一躍世界に轟かせた傑作。

東京を蹂躙し暴れまわるゴジラ / 人類の最期…恐ろしいパニック映画

なかなか観客の前に姿を現さなかったゴジラ。観客はかなり、じらされた。嵐の夜、大戸島でわずかに映るゴジラの一部、そして翌日山影からぬっと姿を現すゴジラ。なかなか観客の前に姿を現さなかったゴジラ。観客はかなり、じらされた。嵐の夜、大戸島でわずかに映るゴジラの一部、そして翌日山影からぬっと姿を現すゴジラ。伝説の始まり。

大戸島の山から姿を現す初代ゴジラ。反戦や核への怒りをテーマとしたゴジラは核の悲劇を体現し、恐怖の象徴として不気味なイメージで描かれている。

昭和ゴジラ映画の変遷:怪獣プロレス路線、「人類の味方のゴジラ」 / 「正義のヒーローのゴジラ」路線へ

翌年の1955年に公開された第2作『ゴジラの逆襲』では怪獣同士の対決が初めて描かれた。7年後の1962年に公開されたシリーズ第3作『キングコング対ゴジラ』は、国内で初めての怪獣対決映画=「怪獣プロレス」路線となる。

第5作『三大怪獣 地球最大の決戦』ゴジラが人類の味方としての戦いを見せて以降、ゴジラは恐怖の対象として役目が希薄になる。次第に娯楽作品へのシフトが進み、当初のテーマであるSFとしての特色もシリアス路線からエンターテインメント性重視のものに変わっていく。

第12作『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』以降は完全に正義のヒーローとして描かれるようになった。

「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」 | 予告編 | ゴジラシリーズ 第12作目

タッグを組んだ怪獣同士が壮絶な戦いを繰り広げるゴジラシリーズ第12作。世界子供ランドの建設にともない、デザイナーとして雇われた源吾は謎のテープを手に入れる。テープを調査するうちに子供ランドは地球征服を企むM宇宙ハンター星雲人の秘密基地だと判明。子供ランドからの電波により、宇宙怪獣ガイガンとキングギドラが襲来する。一方、ゴジラとアンギラスも電波を察知し、地球を守るため日本に上陸する。サイボーグ怪獣ガイガンの斬新なデザインとキャラクターは強烈で、続く『ゴジラ対メガロ』にも登場。

「平成ゴジラシリーズ」の傾向

「平成ゴジラシリーズ」は、シリーズ第22作『ゴジラvsデストロイア』の全7作まで一貫した世界観となっており、『ゴジラvsビオランテ』で初登場した超能力少女・三枝未希(演:小高恵美)がシリーズの要として続けて登場している。ゴジラは一貫して人類の脅威として描かれ、対決相手は人類側の兵器ないし味方(メカキングギドラ、モスラ、メカゴジラ、モゲラ)あるいは三つ巴の戦いとなっている。

『スペクトルマン』 / 『宇宙猿人ゴリ』という番組名から『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』、そして『スペクトルマン』と変遷。

番組開始当初の題名は悪役を冠にした『宇宙猿人ゴリ』であったが、その後『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』を経て、最終的に『スペクトルマン』へと改題された。

宇宙からの侵略者「宇宙猿人ゴリ」の送り出す怪獣対ネヴュラの星のヒーロー・スペクトルマンの戦いを描く。

怪獣に対して主人公が変身して戦うことは他の特撮テレビ番組と同じだが、当初は悪役が主役、正義のヒーローが脇役という逆転の演出となっていた。

路線変更とタイトルの変化

本作品は、その展開の変化とともに番組名が2回変更された。

  • 第1-20話 :宇宙猿人ゴリ
    怪奇SF色の強いハードな展開がなされた。
  • 第21-39話 :宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン
    正統派の怪獣バトル路線を目指していくこととなる。
  • 第40-63話 :スペクトルマン
    スペクトルマンこと蒲生譲二の孤独な戦いを軸に重厚なストーリーが展開され、ゴリの悪質な地球侵略作戦、ゴリと手を組んだ悪の宇宙人の陰謀に巻き込まれた罪なき人々が犠牲になる過酷なドラマが続出した。また第59話と第60話においては、ゴリと手を組んだ悪の宇宙人ジェノス星人の企てで、死体を凶悪な殺人鬼として蘇生させて操る薬品によって生み出された殺人鬼が街中で道行く人々を惨殺していくなど、ショッキングな展開も相次いだ。

『好き!すき!!魔女先生』 / 変身ヒーローブームを受けて月ひかる先生をアンドロ仮面として戦わせる事に。

月から来た魔法を使える先生・月ひかるが生徒と共に悩みを解決する」という話だったが、変身ヒーローブームを受けて月ひかる先生をアンドロ仮面として戦わせる事に。

最初の3か月間は原作同様に、魔法を使える先生・月ひかるが生徒と共に悩みを解決する「学園ファンタジーもの」として展開

テレビドラマ版『好き!すき!!魔女先生』は遠い宇宙の彼方から突然やってきたヒロイン・月ひかるが東京の小学校に赴任して児童たちと触れ合う学園ファンタジーもの。 東西学園の教師として赴任し、地球人と生活を共にしながら秘密裏に地球人の生態調査を行う。テレビドラマ版『好き!すき!!魔女先生』は遠い宇宙の彼方から突然やってきたヒロイン・月ひかるが東京の小学校に赴任して児童たちと触れ合う学園ファンタジーもの

東西学園の教師として赴任し、地球人と生活を共にしながら秘密裏に地球人の生態調査を行う。

「ムーンライトパワー」…大きな宝石の付いた指輪「ムーンライトリング」を左手の中指にはめており、「ムーンライトパワー」の掛け声でこれを活用する事により、様々な超能力が使える。「ムーンライトパワー」…大きな宝石の付いた指輪「ムーンライトリング」を左手の中指にはめており、「ムーンライトパワー」の掛け声でこれを活用する事により、様々な超能力が使える。

両目を光らせるて超能力を発動している。上級平和監視員となった月ひかるは超能力の発動に「ムーンライトパワー」の掛け声を不要とする。超能力はムーンライトリングに口づけするか両目を光らせる事で使用する。両目を光らせるて超能力を発動している。上級平和監視員となった月ひかるは超能力の発動に「ムーンライトパワー」の掛け声を不要とする。超能力はムーンライトリングに口づけするか両目を光らせる事で使用する。

1972年の年頭に内容を一新し月ひかるがアンドロ仮面に変身して悪者との対決をするというアクションヒロインものにスタイルを変更した。

当時は変身ブームの真っただ中でもあり、このアンドロ仮面は特撮変身ヒロイン物のさきがけにして草分けとも云うべき存在である。女性変身ヒロインが単独で悪の怪人と渡り合うという演出は当時としては珍しいものだった。当時は変身ブームの真っただ中でもあり、このアンドロ仮面は特撮変身ヒロイン物のさきがけにして草分けとも云うべき存在である。女性変身ヒロインが単独で悪の怪人と渡り合うという演出は当時としては珍しいものだった。

変身コンパクトを使う。東映不思議コメディーシリーズの元祖と言ってもいいようなテイストの物語。コンパクトを掲げ「アンドロ仮面、ローッ!」変身コンパクトを使う。東映不思議コメディーシリーズの元祖と言ってもいいようなテイストの物語。コンパクトを掲げ「アンドロ仮面、ローッ!」

第14話にて平和監視員監視組織から上級平和監視員への昇進を認められ、アンドロ仮面への変身コンパクトを渡される。コンパクトを掲げ「アンドロ仮面、ローッ!」と叫ぶとコンパクトが開き変身できる。コンパクトの内側にはアンドロ仮面の姿が刻印されている。攻撃の時でも必ず「ローッ!」という。第14話にて平和監視員監視組織から上級平和監視員への昇進を認められ、アンドロ仮面への変身コンパクトを渡される。コンパクトを掲げ「アンドロ仮面、ローッ!」と叫ぶとコンパクトが開き変身できる。コンパクトの内側にはアンドロ仮面の姿が刻印されている。攻撃の時でも必ず「ローッ!」という。

懐かしい昭和の特撮作品の衝撃的なトラウマ回シリーズ

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■ストーリー:
次々と巨大不明生物【禍威獣(カイジュウ)】があらわれ、その存在が日常となった日本。
通常兵器は全く役に立たず、限界を迎える日本政府は、禍威獣対策のスペシャリストを集結し、【禍威獣特設対策室】通称【禍特対(カトクタイ)】を設立。
禍威獣の危機がせまる中、大気圏外から突如あらわれた銀色の巨人。
禍特対による報告書に書かれていたのは…【ウルトラマン(仮称)、正体不明】。

映画公式サイト:https://shin-ultraman.jp
映画公式Twitter:https://twitter.com/shin_ultraman