鬱アニメ・トラウマアニメの代表格である『新世紀エヴァンゲリオン』(TVシリーズ版)は衝撃的なトラウマシーンの宝庫です。1990年代の日本における第3次アニメブームのきっかけとなり、その影響は社会現象と評され、21世紀以降のアニメ文化の枠組みを築きました。
作品中ではその全貌や実体が明らかにされない数々の伏線をちりばめ、生物学・心理学・宗教関係の専門用語を多用した構造は、SFファンを中心に人気を集め、またストーリー面でも中盤以降の徐々に暗くなっていく人間ドラマが大きな支持を得る。
新世紀エヴァンゲリオンの不朽の名曲「残酷な天使のテーゼ」MUSIC VIDEO(HDver.)
【作品説明】
「残酷な天使のテーゼ」MUSIC VIDEO(HDver.)とは、摩 砂 雪監督が2003年に発表した「残酷な天使のテーゼ」MUSIC VIDEO作品の映像をベースとし、摩 砂 雪監督自らが、「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズから、HD映像を使用して再編集・再調整をおこなった作品となります。
特にオープニングフィルムの「フラッシュカット」を多用したキーワードと伏線満載の演出は、当時としては画期的かつ斬新であり、本作品の特徴的な演出の一つとしてあげられる。
他の作品からの影響…『風の谷のナウシカ』の巨神兵の特徴を引用してエヴァンゲリオンを制作したとも言われている。
監督の庵野は、学生時代に『宇宙戦艦ヤマト』と『機動戦士ガンダム』のアニメブームを体験している。『宇宙戦艦ヤマト』に関しては庵野作品全般に、オマージュととれるシーンが存在する。
『機動戦士ガンダム』に関しては、庵野自身『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のメカニックデザインを担当していた。また、『逆襲のシャア』に関してはスタッフにインタビューした同人誌を出版している。1993年放送の『機動戦士Vガンダム』を庵野は高く評価しており、VガンダムのDVDブックレットに、「この作品にハマらなかったら僕は『新世紀エヴァンゲリオン』を作る前にアニメを辞めてたかもしれない、あるいは『エヴァ』みたいなものを作る気にはならなかったと思う」と語っている。
庵野はアニメ業界におけるキャリアの初期に、『風の谷のナウシカ』の巨神兵の作画を担当しており、本人も巨神兵を主体とした作品を作りたがっていたが宮崎駿に拒否されたことから、巨神兵の特徴を引用してエヴァンゲリオンを制作したとも言われている。
庵野・大月は「これを見て今の人格が出来上がった」「難解な作品だったけど、将来に活きてくる」と評するほどの『ウルトラQ』『ウルトラセブン』を敬愛しているため、そのような作品を子供に見せるように作ることを心がけた。
庵野は永井豪作品からの影響も認めている。劇場版制作の際に「エヴァのラストはデビルマンになるしかないんです」と発言している。
頭部に壊滅的な打撃を受け、活動停止状態に陥るEVA初号機( 第弐話「見知らぬ、天井」)/EVAと使徒との戦いにおけるトラウマシーン
サキエルは初号機に対して完全に優位に戦いを進め、碇シンジが意識を失うほどに苦戦させたが、その後に暴走した初号機の圧倒的な能力に蹂躙されて敗北。
サキエルの掌から放たれる光の槍はEVA初号機の右目を貫いた。頭部に壊滅的な打撃を受け、活動停止状態に陥るEVA初号機。大出血する衝撃的なシーン。
EVA初号機の眼球が生まれ、シンジを見つめる…碇シンジ「うわぁぁぁぁ!!」
第弐話「見知らぬ、天井」でEVA初号機の顔面の拘束具が外れた状態(顔の素体)を映した場面
EVAの本来の力が拘束具で抑えられているという設定は、『バイオレンスジャック』のスラムキングを意識してのものである。
エヴァンゲリオン零号機の暴走シーン(第5話「レイ、心のむこうに / Rei I」)
エヴァンゲリオン零号機は起動実験時に暴走し、長らく凍結されていた。初登場時の綾波レイが重傷を負っていたのは零号機の起動実験時における暴走により、エントリープラグが強制射出され高所から落下したことに起因する。零号機は綾波レイの起動実験中に暴走したため、巨大な十字架の付いた停止信号プラグを挿入され凍結されていた。
機体相互互換試験にて零号機が暴走(第14話「ゼーレ、魂の座」) / シンジの精神世界に突然現れた綾波レイらしき存在。
第14話「ゼーレ、魂の座」にて、実験中に零号機が暴走して、試験的に零号機に搭乗していたシンジがそのまま取り込まれそうになる。
シンジ「綾波の臭いがする」
アスカ「なーにが臭いよ、ヘンタイじゃないの」
アスカ「どう、シンちゃん、ママのおっぱいは?それともお腹の中かな?」
リツコ「アスカ、ノイズが混じるから邪魔しないで。」
アスカ「はいはい!なによ皆してシンジばっかり甘やかしちゃってさ。」 第1回機体相互互換試験が行われる。綾波レイはエヴァ初号機に乗るが、零号機のときと変わらない安定したシンクロ率を記録し何事もなく試験は終了。しかし、シンジが零号機に乗ると、突然シンジの脳内に奇妙なイメージ映像が浮かび始める。ほとんどがレイのイメージだったが、やがてそれはシンジの脳内で奇妙なものに変化した。
シンジの精神世界に突然現れた綾波レイらしき存在。こっちを向いたレイが異常に怖かった…衝撃的なトラウマシーン。
レイとリツコのいる部屋めがけて殴りつける零号機・改
リツコだけは「零号機が殴りたかったのは私ね、間違いなく」と内心で語っていた。
エンディングテーマ – 「FLY ME TO THE MOON」
歌 – CLAIRE
作詞・作曲 – Bart Howard / 編曲 – Toshiyuki Ohmori
演出:月の光の中、綾波レイが水中で回転するだけのシンプルなものである。
綾波レイ / ミステリアスな謎の美少女。元祖無口キャラ。血の滲んだ包帯姿という衝撃的な姿で初登場した綾波レイ(第1話)
怪我を押して出撃しようとするレイ。血の滲んだ包帯姿という衝撃的な姿で初登場した綾波レイ(第1話)
『新世紀エヴァンゲリオン』第1話にて、綾波レイは、EVA初号機への搭乗を拒絶する碇シンジの前に血の滲んだ包帯姿という衝撃的な姿で登場。エヴァ零号機の専属パイロットに着任した2人目の「綾波レイ」。
使徒の攻撃がNERVに及び、決断を迫られるシンジ。「できるわけない」というシンジを見て、ゲンドウは「レイを起こしてくれ」とNERV副司令官である冬月に伝える。すぐに綾波レイのベッドが運ばれてくるが、そこにはまだ怪我が十分に完治していない少女の体が横たわっていた。しかし、レイはその体でエヴァに乗ろうとする。
庵野は一時期同人誌を集めるほどに『美少女戦士セーラームーン』にハマっていた。『美少女戦士セーラームーンS』ではセーラーウラヌス&ネプチューン変身バンク演出を手掛けている。そのため『美少女戦士セーラームーン』の登場人物・月野うさぎの声優を務めた三石琴乃を葛城ミサトの声優に起用したり、「綾波レイ」の名前が「火野レイ」より採られている。
一人目の綾波レイは、赤木ナオコ博士により殺害される(第21話「ネルフ、誕生」)。
一人目の幼い綾波レイ「大きなお世話よ、ばあさん。」「碇所長がそう言っていたのよ。ばあさんはしつこいとか、ばあさんは用済みだとか。」
赤木リツコの母でありMAGIシステムの開発者である赤木ナオコ博士は、幼いレイを見て直感的に碇ユイの関係者ではないかと疑う。その後、ナオコの元に訪れたレイは、ゲンドウの言葉として「ばあさんはしつこい」「ばあさんは用済みだ」というナオコへの陰口を伝えた。それに激昂したナオコは、突発的にレイを絞殺。自身もその直後自殺する。
赤木ナオコ博士「あんたなんか、死んでも代わりはいるのよ、レイ。私と同じね。」
ゲンドウの愛人であるナオコは、ユイに似た幼い綾波レイ(一人目)を絞め殺した後に投身自殺する。
二人目の綾波レイは、碇シンジを守るために自爆して死亡する(第23話)。黒焦げとなったレイの手(綾波レイの黒焦げ死体)がうっすらと見える。視聴者の度肝を抜いたトラウマシーン。
綾波レイ「はっ…これが…涙…?泣いているのは、私?」 僅かではあるが人間的な感情が芽生えていた二人目の綾波レイ。
第十六使徒アルミサエルの初登場はTV版第23話、第16の使徒として登場。光るDNAのような、二重らせんの円環構造(プラスミドに類似)を持つ、アラエルに続き人の心に迫った使徒。対象物を侵食し、融合しようとする習性を持つ。迎撃に出たEVA零号機を侵食、さらにEVA初号機にも融合しようとするが、同機の自爆により撃破される。アスカが使徒の精神汚染攻撃を受けたことで戦える状態ではなくなり、満足に動けるのはレイの零号機だけという事態に。
「赤木博士……。」
無惨な姿を晒すエントリープラグの中には、黒焦げとなったレイの手(綾波レイの黒焦げ死体)がうっすらと見える。トラウマの宝庫である『新世紀エヴァンゲリオン』の中でも、視聴者の度肝を抜いたトラウマシーン。綾波レイ「多分、私は三人目だと思うから……」
自爆して死んだはずの綾波レイは再び変わらぬ姿でシンジ達の前に姿を現す。
10年前に破棄された最初のEVA。EVAの墓場。
シンジ 「EVA?」
リツコ 「最初のね。失敗作よ。10年前に破棄されたわ。」
シンジ 「EVAの墓場…。」
リツコ 「ただのゴミ捨て場よ。あなたのお母さんが消えたところでもあるわ。覚えてないかもしれないけど、あなたも見ていたはずなのよ。お母さんが消える瞬間を。」
ミステリアスな綾波レイの正体 / 綾波レイのクローン(コピー)が大量に用意されていた。
ヒロインの綾波レイが自死同然に戦死し、もう一人のヒロインである惣流・アスカ・ラングレーは廃人化するという怒涛の展開を見せ、クライマックスに向けて視聴者の期待は盛り上がっていった。
リツコはミサトとシンジを連れてNERV地下へと案内し、水槽に浮かぶ無数のレイを見せます。
綾波レイの身体はEVAの中に取り残された碇ユイをサルベージしたもので、ターミナルドグマには彼女のコピーが大量に用意されていた。その為、例え死亡しても別のレイが代替されるようになっており、現在のレイは3人目に当たる。
リツコ「真実を見せてあげるわ」(リツコは、コントローラーを操作。水中に無数の綾波レイの肉体が照らし出される)
シンジ「綾波……レイ!……!」
ミサト「まさか、エヴァのダミープラグは!」
リツコ「そう。ダミーシステムのコアとも言える。その生産工場よ」
ミサト「これが……!」
魂が存在するのは1体だけであり、他の肉体は何らかの原因でレイが死んだ後、魂を移し替えるための予備の器として保管されている。
リツコ「ここにあるのはダミー。そしてレイのためのただのパーツに過ぎないの。人は神様を拾ったので、喜んで手に入れようとした。だからバチがあたった。それが15年前。せっかく拾った神様は消えてしまったわ。でも今度は神様を自分たちで復活させようとしたの。それがアダム。そしてアダムから神さまに似せて人間を作った。それがエヴァ」
シンジ「人を……?人間なんですか!?」
リツコ「そう、人間なのよ。本来魂のないエヴァには、人の魂が宿らせてあるもの。みんな、サルベージされたものなの。魂の入った入れ物はレイ、一人だけなの。あの子にしか魂は生まれなかったのよ。ガフの部屋は空っぽになっていたのよ」
リツコ「ここに並ぶレイと同じものには魂がない。ただの容れ物なの。だから壊す。憎いから」(リツコは、コントローラーを再度操作。レイの肉体が笑いながら崩壊していく)
ミサト 「あんた、何やってるか、分かってんの!?」
リツコ 「ええ、分かっているわ。破壊よ。人じゃないもの。人の形をしたものだもの。」
惣流・アスカ・ラングレー / 終盤には複雑な生い立ちと、内包していた脆さから、悲惨な運命をたどる。綾波レイを敵視するアスカ。
レイ「心を開かなければ、エヴァは動かないわ」
レイ「私は人形じゃない。」
アスカ「うるさい!人に言われたまま動くくせに!あんた碇司令が死ねといったら死ぬんでしょ!?」
レイ「そうよ。」
シンクロ率の低下に関してレイから「EVAには心があり、他人に対して心を閉ざした人間に操ることはできない」と忠告を受けるが、レイの行動原理からレイがゲンドウの言いなりに動く人形であると確信して激昂。頬を平手打ちしたうえ「誰の言うことでも聞く人形」と侮蔑の言葉を浴びせ決別した。
アスカに対して醒めた反応を見せていた加持リョウジの死
加持リョウジはEVA弐号機操縦者の惣流・アスカ・ラングレーの随伴者として来日、彼女の保護観察役を務める傍ら、NERV総司令・碇ゲンドウの下で様々な諜報活動を行う。アスカからは一方的に好意を寄せられているが、アスカに対しては、表面上こそ優しく穏やかであるものの非常に醒めた反応を見せていた。
特務機関NERV特殊監査部所属のスパイ。実は三重スパイ。表向きはNERV特殊監査部所属の一介の職員であるが、同時に日本政府のスパイであり、更にゼーレがゲンドウを監視するために送り込んだ「鈴」でもあった。セカンドインパクトの真実を知りたいと強く願っており、三重スパイとしての活動もそれ故である。
己の結末をあらかじめ悟っていた彼の最期の台詞は「よう、遅かったじゃないか」であった…。
第弐拾壱話においてゼーレの命で冬月を拘束するも、思うところがあってゼーレを裏切り解放したために銃殺された。彼の調べ上げた「真実」は葛城ミサトに託された。エヴァの起動すら不可能になっていたアスカは、シンジの口から加持の死を知らされたことで完全に精神を壊し、寝たきりの廃人となってしまった。
使徒アラエルとの戦いでトラウマ(母の首吊り自殺)をえぐられる(第22話「せめて、人間らしく」)
アスカの母「惣流・キョウコ・ツェッペリン」は科学者であり、エヴァの接触実験の中で精神汚染を受け、女の子の人形を娘だと思い込み、人形を道連れに首吊り自殺をしてしまう。
アスカの幼少期に、EVA接触実験の失敗による後遺症で母親「惣流・キョウコ・ツェッペリン」が精神崩壊を起こし、ある人形をアスカだと思い込むようになる。
弐号機の専属パイロットに選ばれたアスカ「ママ!ママ!私、選ばれたの!人類を守るエリートパイロットなのよ!世界一なのよっ!誰にも秘密なの。でもママにだけ、教えるわねっ! いろんな人が親切にしてくれるわ。だから、寂しくなんかないの!だから、パパがいなくなっても大丈夫。寂しくなんかないわ。だから、私を見て、ねえマ…」
アスカの母親は、EVA接触実験の失敗による後遺症で精神を病んだことで、人形を実の娘であると思い込み、自分を全く見てくれなくなった。その母親を自分に振り向かせようと努力を重ねていたが、弐号機のパイロットに選ばれたその日に母親は首吊り自殺した。
その傍らには母がアスカだと思い込んでいた人形も吊られていた。
アスカの実母「だからお願いよアスカちゃん。一緒に死んでちょうだい。」
アスカ「うん一緒に死ぬわママ。だからママをやめないで!」
アスカの実母「ママ?知らないわ。あなた、誰?」
コックピットでうずくまるアスカは「……汚された……私の心が……加持さん!……汚されちゃった……どうしよう……汚されちゃったよぉ……」と震える声を出して泣いた。
「第十五使徒アラエル」の精神汚染によって、アスカは封印していた自分の辛い過去のトラウマ(母親の自殺)を曝(さら)し出された結果、強い心的外傷を負ってしまう。
アスカが使徒アラエルとの戦いで心を読まれて再起不能に近い所まで追い込まれる。ゲンドウの指示で零号機がロンギヌスの槍を投擲し、なんとか使徒は打ち倒された。
幼いアスカ「寂しいの?」
アスカ「違う!側に来ないで!私は一人で生きるの!」「誰にも頼らない!一人で生きていけるの!」
幼いアスカ「嘘ばっかり…。」
アスカ「(絶叫)」 しかし、大嫌いなレイに助けられたことで、アスカはさらに精神を病んでいく。
アスカは、完全に精神崩壊を起こし物言わずベッドに横たわるだけの廃人と化した(第24話「最後のシ者」)。
惣流・アスカ・ラングレーは、EVAとのシンクロ率は2桁を切るという状態になり、弐号機の起動すら不可能になる。
アスカ「シンクロ率ゼロ・・・・・・セカンドチルドレンたる資格なし」
アスカ「もう私がいる理由もないわ 誰も私を見てくれないもの パパもママも誰も・・・」
アスカ「私が生きてく理由もないわ」
セカンドインパクトを目撃した葛城ミサト(第12話)。葛城調査隊の生き残りとして保護された幼いミサトは精神崩壊していた(第21話)
第21話にてネルフ本部の誕生秘話が描かれた。南極調査船・第2隔離施設に葛城調査隊の生き残りとして保護された幼い葛城ミサトがいた。葛城博士のお嬢さんだと知る冬月。もう二年近くも口を開いていないミサト(失声症)。体の傷は治っても心の傷はそう簡単には治らない。
西暦2000年、当時14歳だった葛城ミサトは、父親が隊長を務める葛城調査隊と南極まで同行した際、セカンドインパクトに遭遇。南極に残っていた者の中でただ1人の生存者にして、セカンドインパクトを最も近くで目撃した人間である。その精神的外傷から一時心を閉ざし、長く失声症の時期があった。第12話にて描かれた葛城ミサトの回想。15年前………西暦2000年9月13日、南極大陸。それは「セカンドインパクト」が起こった年。当時、子供だったミサトは父に助けられ生き延びる事ができた。ミサトの胸の傷はその時にできたものだった。いつも身に着けているクロスペンダントは、セカンドインパクトから逃れる際、父から受け取った形見である。
葛城ミサトは、15年前、父「ヒデアキ」が隊長を務める葛城調査隊と南極まで同行した際にセカンドインパクトに遭遇。父の捨て身の救助によりただ一人奇跡的に生還する。
セカンドインパクトの影響で葛城調査隊が壊滅した。葛城ミサトは、父の捨て身の救助によりただ一人奇跡的に生還するも、精神的外傷から失語症に陥り、以後数年間に渡り隔離施設下で育てられたという過去を持つ。
葛城ミサトは、最も近くで1体の光の巨人を目撃した。
「光の巨人」の巨大な翼は、セカンドインパクトを象徴する有名な絵。
特務機関NERV(ネルフ)の職員などの情報筋には、「南極で発見された『第1使徒アダム』の葛城調査隊による調査中に謎の大爆発を起こした」と説明されていたが、実はそれすらも欺瞞情報であり、実際には一部の人間達の手によって人為的に引き起こされたものである。ゼーレと碇ゲンドウらがこの葛城調査隊を利用して他の使徒が覚醒する前にアダムをロンギヌスの槍を使い卵にまで還元しようとした際、副次的に発生したエネルギーによりもたらされた、というのが真相である。
引用元: セカンドインパクト (せかんどいんぱくと)とは【ピクシブ百科事典】
葛城調査隊に同行していた隊長の娘・葛城ミサトは、セカンドインパクトを最も近くで目撃した調査隊唯一の生存者であり、その際、1体の光の巨人が羽を広げるのを目撃している(ただ、この巨人が第1使徒アダムであったのかは不明)。生き残ったミサトはセカンドインパクトへの恐怖と使徒への復讐心が芽生えた。
EVA3号機・第十三使徒バルディエルの殲滅 / 鈴原トウジが乗っているエントリープラグの破壊(第18話「命の選択を」)
ゲンドウは、シンジと初号機の神経接続を前面カットさせると、ダミーシステムに切り替えるように指示を出す。ダミーシステムに切り替えられた初号機は、そこから猛烈な反撃に転ずる。
シンジ「やめてよ! 父さん、やめてよ!こんなのやめてよ! くそっ! 止まれよ、止まれ、止まれ、止まれ止まれ止まれ止まれぇっ!」
鈴原トウジが乗っているエントリープラグを初号機の巨大な手が掴み取る。シンジの悲痛な叫びも空しく、無残に握りつぶした手にL.C.L.が飛び散る。目標は完全に沈黙した。3号機のパイロットの生存を確認したことを聞いたシンジは、希望を抱いてその光景に目を向けた。しかし、何も知らないままここまで来てしまったシンジの前に、残酷な現実が突きつけられる。
意識を失った鈴原トウジの姿を見て、シンジは言葉を失い、発狂する。
EVA初号機vs第十四使徒ゼルエル(第19話「男の戦い」)
EVA弐号機が両腕と頭部をゼルエルに切断されて敗れる。自暴自棄になっているEVA弐号機は両腕切断の状態でゼルエルに向かって突進したため、葛城ミサト三佐は全神経接続を直ちにカットするように指示。直後にEVA弐号機はゼルエルにより、首部を切断され、頭部が第8区に直撃した。
ゼルエルにより切断されたEVA弐号機の頭部がシンジの前に落下…。
ゼルエルは、NERV本部内へと侵攻するものの、初号機によってジオフロントまで後退させられる。初号機の電源が切れたのと同時に攻撃を再開し、初号機を敗北寸前にまで追い込むが、初号機が覚醒(暴走)したことによって殲滅・捕食された。
十四使徒のゼルエルの攻撃を受けてコアが剥き出しになるEVA初号機。
S2機関を取り入れるために、十四使徒のゼルエルを捕食しているEVA初号機。
ミサト「使徒を、食ってる…」
リツコ「拘束具が、今自らの力で解かれてゆく。私たちにはもう、EVAを止める事はできないわ。」
加持「初号機の覚醒と開放。こいつはSEELEが黙っちゃいませんな。」加持 「これもシナリオの内ですか?碇司令。」
冬月 「始まったな。」
ゲンドウ 「ああ、全てはこれからだ。」
SEELE「EVAシリーズに生まれいずる筈のないS2機関。」
SEELE「まさかかのような手段で自ら取り込むとはな。」
SEELE「我らSEELEのシナリオとは大きく違った出来事だよ。」
SEELE「この修正、容易ではないぞ。」
包帯で覆われているEVA初号機(第20話「心のかたち 人のかたち」)
EVA初号機の頭部から上半身の素体が包帯で覆われている。右目と歯茎が剥き出しになっているかなりグロテスクな描写。
ミサト「ケイジに拘束。大丈夫でしょうね。」
マコト「内部に熱、電子、電磁波ほか、化学エネルギー反応無し。S2機関は完全に停止しています。」
ミサト「にもかかわらず、この初号機は3度も動いたわ。」包帯で覆われているEVA初号機の横顔。
またシンジはエヴァの内部にいない。シンクロ率が400%になったので彼の体は初号機の内部で消滅してしまった(溶け込んでしまった。融合)。
シンジはLCLの中で生命のスープ状態になってしまったが、魂はまだそこに残存している。
第20話「心のかたち 人のかたち」ではシンジの肉体を再構成して救うサルベージが展開される。これまでにないシンクロ率に達し、シンジの肉体は初号機と融合。シンジが量子状態のままエントリープラグ内を漂う中、リツコたちは救出作戦を練る。リツコはシンジが戻りたいかどうかは本人次第だと言っていたが、シンジは(母親のユイの魂が宿っている)コアを通して、肉体を取り戻した。
渚カヲルの最期(第24話「最後のシ者」)/ 渚カオルは初号機により握りつぶされて死亡した。
渚カオルは初号機により握りつぶされて死亡した。シンジは友を殺したことで消えることない傷を受け、遂にアスカと同様に精神が崩壊した。
シンジと友情を結ぶも束の間、カヲルは本来の役目を果たすべく、セントラルドグマの白い巨人・アダムとの接触を試みる。
しかしそこにいるのがリリスだと悟ると、「君達には未来が必要だ」とシンジに告げ、シンジの手によって死ぬことを選ぶ。
アダムと出会うという目的を果たせなかったことでカヲルは自分か人類のいずれか片方しか生き残れないとシンジに説き、シンジの乗るEVA初号機の手で殺されることを願う。シンジは困惑し逡巡するが、カヲルを初号機の手で握殺する。
シンジの精神世界を描いた衝撃的な結末(25・26話) / 難解な描写で話題を呼んだ弐拾五話・弐拾六話
人類補完計画が発動したことが文字情報のみで示され、その中で絶望し苦悩するシンジの精神世界が描写される。これまでの主要登場人物(カヲルを除く)が次々と現れてシンジに語りかけ、その問答の果てに、シンジは今までとは全く違う世界を見ることになる。
最終2話の表現方法に至った理由は「制作期間が足りなくなったため」とされる。
自分にとって理想的なカヲルに裏切られて、またやむを得ず殺した事でシンジはますます殻にこもる。
ヒロインの綾波レイが自死同然に戦死し、もう一人のヒロインである惣流・アスカ・ラングレーは廃人化するという怒涛の展開を見せ、クライマックスに向けて視聴者の期待は盛り上がっていった。ところが、その期待に応えるものとして放映が待たれた第弐拾伍話と最終話の2話は、一転してそれまでのストーリーとは断絶した主人公の内面世界の物語として描かれた。
引用元: ウィキペディア(Wikipedia)『新世紀エヴァンゲリオン』
最終2話について、大月俊倫プロデューサーは「エヴァが現在あるのは、あの衝撃的な展開によって皆さんに『なにか違う』『俺ならこうする』とそれぞれ“補完”してもらえたおかげ。僕らにとってあの結末は肩透かしでも消化不良でもなく、長い時間をかけて“永遠に終わらない最終話”になれた唯一無二のクライマックスだと考えています。これが僕たちからの回答ですね」と答えている。
引用元: ウィキペディア(Wikipedia)『新世紀エヴァンゲリオン』
何の変哲もない学生生活を送るシンジと登場人物たち。母親(ユイ)も亡くなってはおらず、使徒もEVAも存在しない世界。その世界を見たシンジは「世界は自分次第であらゆる可能性がある」こと、そして「僕はここに居ても良いんだ」と気付く。
シンジを取り囲んだ登場人物たちが全員笑顔で拍手をしながら「おめでとう」と口々にシンジを祝福し、それに応えてシンジが「ありがとう」と満面の笑顔で答えたのち、最後に
父に、ありがとう
母に、さようなら
そして、全ての子供達(チルドレン)に
おめでとう
というテロップが出て完結となる。
エヴァブーム
本作品の最終回が衝撃的な形での幕切れとなったことは大きな話題となり、本放送終了後に再放送やビデオなどによる視聴を通じてファンが急増し社会現象にもなった。
1997年7月、完成したリメイク版第25・26話『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』が公開となった。
テレビシリーズ第弐拾四話以降の各登場人物らの行く末、人類補完計画の発動シーンなどが、より具体的に映像化される内容となり、テレビシリーズから続いた物語は一旦の結末を迎えた。