SFホラー映画の金字塔『エイリアン』、スプラッター映画の金字塔『13日の金曜日』「ハロウィン」「エルム街の悪夢」やオカルト映画の金字塔『エクソシスト』など後世に大きな影響を与えたホラー映画史に残る古典的な名作(伝説的な傑作)シリーズを1970年代から90年代の懐かしい作品を中心にご紹介します。これを観ておけば間違いなしの名作ホラー映画の見どころをまとめています。
オカルト映画の金字塔『エクソシスト』 / 「オカルト映画」という言葉を流行語にした記念碑的作品。当時としては衝撃描写が多数。
「エクソシスト」は、悪魔憑きの描写とその恐怖の強さで際立っている。悪魔憑きの概念を現実的かつ直感的な方法で探求し、当時の主流映画の許容範囲を超える衝撃的で物議を醸すシーンを盛り込み、新境地を切り開きました。また、心理的、感情的な混乱を強調することで、ストーリーに深みを与え、他のホラー映画とは一線を画しています。
『エクソシスト』(The Exorcist)は、1973年のアメリカのホラー映画。少女に憑依した悪魔と神父の戦いを描いたオカルト映画の代表作。『エクソシスト』で悪魔パズズにとり憑かれた少女リーガン・マクニール(演:リンダ・ブレア)が、邪悪な形相に豹変し、緑のヘドを吐き、首を360度回転させるなど当時としては衝撃的な描写が満載であり、視聴者にトラウマを刻み込んだ。当時大変な話題を巻き起こしオカルト映画ブームを生み出した。
THE EXORCIST – Trailer – (1973) – HQ
エクソシスト(1973年)は、映画史上最も影響力があり、象徴的なオカルト映画として広く知られている。憑依や悪魔の力のテーマを掘り下げたホラー映画である。
エクソシストはワシントンD.C.のジョージタウンに住む少女リーガン・マクニールの物語を中心に展開する。リーガンは奇妙でますます不穏な行動を取り始め、母親のクリスは医療と精神科の助けを求めるようになる。従来の方法では解決できない場合、彼らは自らの信仰の危機と闘う問題を抱えた神父、ダミアン・カラスを頼る。カラス神父は、経験豊富なエクソシストであるメリン神父とともに、リーガンを強力な悪魔の支配から解放するため、激しく悲惨なエクソシズムを行う。
特にカラス神父の内面の葛藤と信仰の危機は、物語の重要な部分を形成しており、本作の登場人物は豊かに描かれている。リーガンの憑依は、無邪気な子どもから悪の器へと変貌を遂げ、母親のクリスは娘のために助けを求める原動力となる。
少女リーガンが悪魔パズズに憑依されおぞましい姿に変貌する
世界を震撼させたオカルト映画の金字塔「エクソシスト」が描いた少女リーガンが悪魔パズズに憑依される恐怖。あまりにも迫真に迫る悪魔憑きとエクソシストの死闘は徹底的にリアルであり、観客は完全に打ちのめされた。上映中に観客は大いに震え上がり、悲鳴を上げ、嘔吐したり、キリスト教国家では失神する観客が続出したと言われる。悪魔パズズに取り憑かれ恐ろしい顔に変貌してしまったリーガンが緑色の体液を口から吐き出すおぞましい恐怖シーンもホラー映画史に残る伝説の名場面として名高い。
悪魔に取り憑かれた娘・12歳の少女リーガン・マク二ールの伝説の首180度回転など、エクソシストは、一生忘れられない恐怖のトラウマ映像の宝庫。
リーガンがブリッジをしたまま階段を下りていく通称「スパイダーウォーク」はホラー映画史に残る伝説の恐怖シーン。オカルト映画の名場面中の名場面。
『エクソシスト』の悪名高い「十字架オナニー」
緑色のおぞましい反吐を吐き、十字架を陰部に突き立てて神を冒涜する恐ろしい(悪魔が憑依した)リーガンの姿に、当時の観客たちは度肝を抜かれた。特にキリスト教圏の観客に失神者や嘔吐客が続出した。悪魔に取り憑かれたリーガン(演:リンダ・ブレア)が股間に何度も十字架を突き刺す血みどろの自慰シーンは、問題視され物議を醸し出した。
リーガンに憑依した悪魔は、暴れながら「fuck me ! 」(ファックミー)、「lick me !」(母親を股間におしやり、舐めろ!)、「Let Jesus fuck you !(キリストにファックさせてやれ!)」といったとんでもない言葉を繰り返し絶叫し、リーガンの股間に何度も十字架を突き刺す(想像を絶する血みどろの自慰シーン)。悪魔の仕業で部屋の中はモノが飛び散り、ポルターガイスト現象も起きている。
『エクソシスト』テーマ曲「チューブラー・ベルズ」
緑色のおぞましい反吐を吐き、十字架を陰部に突き立てて神を冒涜する恐ろしい(悪魔が憑依した)リーガンの姿に、当時の観客たちは度肝を抜かれた。特にキリスト教圏の観客に失神者や嘔吐客が続出した。
あまりにもリアルで迫真に迫る悪魔祓い(悪魔憑きと神父たちの死闘)のため観客はパニックに…衝撃のラストには世界が震撼した
悪魔に憑依された少女リーガンの腹に現れた「help me」の文字。独創的な特殊メイクの演出として話題になった。
メリンとカラスの両神父は、少女リーガンから悪霊を追い払う儀式を行う。神父たちが呪文を唱えると、リーガンの体が宙に浮く。リアリティが徹底的に追及された迫真の演技。悪魔の邪悪さも際立っていた。
「キリストの力によって貴様に命ずる。悪霊よ、この少女の身体から出ていくのだ!」
まるでドキュメントのような迫真に迫るリアリティ。全編にみなぎる異常な緊張感・緊迫感。メリンは持病の心臓病が悪化して息を引き取る。
恐るべき衝撃のラスト!悪魔と刺し違えるカラス神父の壮絶な最期。
悪魔祓い師のメリン神父は力尽きて倒れる。助士のカラス神父は激怒して少女リーガンの首を絞めて叫ぶ。「卑怯者の悪魔め!俺に取り憑いてみろ!(俺の体内に入ってみろ!)」(Take me!)と悪魔パズズを挑発し、悪魔を自分に乗り移らせたカラス神父は窓から身を投げて、悪魔もろとも死亡する。
カラス神父は格闘の末、悪霊をわが身に乗り移らせると窓から身を投げ、階段を転げ落ちて絶命する。想像を絶する壮絶な衝撃的な結末に。
観客の多くは打ちのめされ、一生忘れられないトラウマを植え付けられた。神父たちの壮絶な自己犠牲によってリーガンはとうとう救われた。自己犠牲でカラス神父が突入する窓ガラスに一瞬、幽霊に見える顔が写り込む。
ラストシーンで、(自己犠牲で悪魔に憑依された)カラス神父が転げ落ちた階段は、エクソシスト・ステップス(Exorcist steps)として有名になり、呪われた場所と感じる人もいる。
「エクソシスト」は、ホラー映画というジャンルと、その後の世代の映画製作者に大きな影響を与えました。宗教的な対立、悪魔の憑依、善と悪の戦いといったテーマを導入し、スーパーナチュラルホラーの新しい基準を打ち立てました。この映画の視覚効果、実用的なメイクアップ、サウンドデザインは当時としては画期的なもので、ホラーを創り出すアプローチにおいて、数え切れないほどの映画製作者にインスピレーションを与えてきました。
『13日の金曜日』
スラッシャー映画(殺人鬼映画)のはしりは『ハロウィン』シリーズだが、『13日の金曜日』は1980年代のスプラッター・ブームにおける火つけ役であり、ホラー映画シリーズの中では最も影響力の大きいシリーズの一つであり、12本の映画、ノベライズ、コミカライズそして様々な収集価値の高いグッズの生産が、伝説的なシリーズである証明となっている。
リアルな殺害描写を丹念に見せて、観客を大いに刺激した。巨匠トム・サヴィーニによる血みどろ特殊メイクアップを駆使した革新的な人体破壊描写(血まみれ効果/ゴア・エフェクト)が続出
血みどろの猟奇的殺人鬼の世界と殺人行為自体が最大の見せ場になるホラー映画を一気に大衆レベルまで広めたのが『13日の金曜日』。人が殺されている刹那的でアンモラルな光景を見世物化するスプラッター映画の時代を切り開いた。肉食系のイケメンであるジャック・バーレル(当時は無名だったケヴィン・ベーコン)は、マーシーとの性交後、二段ベッドの下に潜んでいたパメラに鋭い矢で喉を貫かれ死亡した。当時、この場面は「本当に俳優を殺したに違いない」とまで言われた。
13日の金曜日シリーズにおいては、作中の舞台で「カップルがセックスをする」などという「リア充」行為はほぼ100%死亡フラグであり、事実マーシーがトイレに向かった直後にベッドの下からナイフを刺されて死亡した。
売れっ子の特殊メイクアーティストの「トム・サヴィーニ」の得意とする究極のゴア・エフェクト(血まみれ効果)とトリック的な撮影が冴えわたる人体破壊描写は、世界を震撼させ観客にトラウマを植え付けた。
殺害場面の出来があまりにも良すぎてリアルに見えすぎる(本当に人を殺していると誤解される)とレイティングでもめることになり、一番の見せ場がカットされることにもなった。
ジャックと同じく典型的なリア充かつ本作のエロ要員のマーシー・カニンガム(ジャニーヌ・テイラー)は、中盤のジャックとの性交後、トイレで忍び込んだパメラによって顔面に斧を叩き込まれ死亡した。
第一作目(PART1)の殺人鬼はジェイソンではなく彼の母親の「ボーヒーズ夫人/パメラ・ボーヒーズ」
第1作目『13日の金曜日』の殺人鬼の正体は、ジェイソンの母親である「パメラ・ボーヒーズ」。 息子がクリスタルレイク湖で溺死して行方知れずになってからパメラは精神に異常をきたして二重人格になってしまう。
『13日の金曜日』(1980年)に登場したジェイソン・ボーヒーズの素顔。初登場である第1作では主人公のポリーズ夫人やアリスが見た幻覚として登場するが、上半身が裸であった。
ボーヒーズ夫人/パメラ・ボーヒーズは、第一作目の主人公でありキャンプ場の監視員候補生を次々と殺害する殺人鬼の正体。最後の生存者アリスに首を切断されて死亡した。『13日の金曜日』シリーズの1作目はジェイソンの母親のパメラ・ボーヒーズが復讐鬼となるサイコサスペンス調のスラッシャーものであった。最後の生存者アリスに首を切断されて死亡した。2作目以降からジェイソン・ボーヒーズ本人が殺人鬼として活躍する。
13日の金曜日(1980年)の映画史に残る伝説的な衝撃のラスト(アリスの幻覚)…ジェイソンがアリスを湖に引きずり込んだシーン。
13日の金曜日(1980年)の伝説的な衝撃のラスト。心臓が止まるほどビックリした観客が多数。
警察も到着し湖畔のボートでうなだれるアリス・ハーディー(エイドリアン・キング)に声をかけて呼んでいる。警察も来て、もう絶対的に事態は安全だと観客は油断をしていた。アリスが目覚めると、背後から突然・・・この心臓破りの衝撃のラストの恐怖感を忘れられない人は多い。
「13日の金曜日」は、惨劇は終わったと油断していると・・・恐怖のオチが襲う「衝撃のラスト」で有名。湖から飛び出してきた腐乱したジェイソンがアリスを湖に引きずり込む「衝撃のラスト」は、一生忘れられないトラウマとして視聴者の心に刻まれた。観客は完全に安心しきっていたので、不気味なジェイソンが突然飛び出してきた時点で心臓が止まりそうになった。
第1作目『13日の金曜日』のラストシーンにて、主人公のアリスに襲い掛かるジェイソン(このシーンは主人公のアリスが見た一種の幻覚という扱い)。
スプラッター映画の金字塔『13日の金曜日』では、ラスト、惨劇が終わり湖畔のボートでうなだれるヒロインを、死んでいるはずの不気味な様相のジェイソン少年が水中に引き入れるシーンが、観客に大きな衝撃を与えた。『キャリー』(1976年)の衝撃のラストと同様に不意打ちで心臓に悪い衝撃のラストとなった。
連続殺人鬼「ジェイソン・ボーヒーズ」が本格的に殺人鬼として活動するのは「PART2」以降。
『13日の金曜日 PART2』に登場する殺人鬼のジェイソン・ボーヒーズ。片目を覗かせる穴を開けた白い麻布袋のマスクを被って顔を隠している。マスクをかぶったジェイソンの見た目の雰囲気は『エレファント・マン』に似ている。
ジェイソン・ボーヒーズは、ボーヒーズ夫人の息子。35年前にクリスタル湖で溺れ行方不明となった少年。顔面に先天的な奇形を患っている。1作目の作中では殺人鬼のボーヒーズ夫人やラストシーンのアリスの幻覚として登場する。続編『13日の金曜日 PART2』では実は生き延びていたことが判明し、母親を殺された復讐のため、殺人鬼となる。クリスタルレイク付近へやってくる人間を母親の仇と見なし、一人ずつ殺害していく。
ホッケーマスクをかぶったジェイソン。ホッケーマスクをつけたのは三作目から。
ジェイソン・ボーヒーズの象徴とも言えるホッケーマスクが初めて登場した歴史的な作品の「13日の金曜日 PART3」
各作品ごとに殺人鬼ジェイソンの特徴が異なり、ジェイソンの正体(素顔)は、毎回見せ場になっている
「13日の金曜日 PART3」に登場するジェイソンの素顔
「13日の金曜日 完結編」に登場したジェイソンの素顔。
『13日の金曜日 PART8/ジェイソンN.Y.へ』に登場するジェイソンの素顔。終盤、レニーに劇薬をかけられたため、顔が溶解している。
ファイナルガールとジェイソンの死闘…毎回異なる殺人鬼ジェイソンの倒し方は最大の見せ場に
「13日の金曜日 PART3」のファイナルガールであるクリスは隙をついて、斧をジェイソンの顔面に叩きこんだ。最後の一撃!
斧で斬りつけられても、なかなかジェイソンは死なない。恐ろしい執念…まだクリスを追いかける最後の闘争心を見せるジェイソン。
SFホラー映画の金字塔『エイリアン』
『エイリアン』(Alien)は、リドリー・スコット監督による1979年公開のSF映画。
大型宇宙船の薄暗い閉鎖空間の中で、そこに入り込んだ異星人(エイリアン)に乗組員たちが次々と襲われる恐怖を描いたSFホラーの古典
ホラー映画史に残る伝説のトラウマシーンが続出
ケインの体から飛び出したエイリアンの幼体(チェストバスター)。ケインの胸から小さなエイリアンが飛び出してくる。
体内で卵から孵化したエイリアンの幼体(チェストバスター)がケインの腹を突き破って飛び出してくる恐怖のトラウマシーン。
ケインの胸からチェストバスターが飛び出す有名なトラウマシーン。
人間の体内に寄生したエイリアンが誕生するシーンは、一度見たら忘れられないホラー史に残る伝説のトラウマシーン。
首だけになっても動くアンドロイドの科学主任のアッシュ…白い液体にまみれた首だけになったアッシュは、グロい有名なトラウマシーン。
ノストロモ号の真の目的は軍事利用のための異星人の捕獲であり、そのためには乗組員の犠牲も厭わない、というもの。リプリーがふと気づくと、横にアッシュがいたためリプリーは怒りに任せアッシュを突き飛ばした。
するとアッシュの体から白い液体がこぼれ落ちる。アッシュはアンドロイドだったのだ。アッシュが近くにあった雑誌を丸め、リプリーの口に詰め込み窒息させようとするが、そこにパーカーとランバートがやってきてアッシュを鉄パイプで殴る。アッシュの首が落ちるが頭部は動いている。
リプリーはアッシュの配線をつなぎ、エイリアンの情報を聞くとアッシュはこう答えた。
アッシュ「エイリアンは完璧な生命体で殺す方法はない。君たちも生き延びることはできない。同情する」
リプリーがアッシュの配線を抜き、パーカーは火炎放射器でアッシュを焼いた。
船長のアーサー・ダラスとブレットがエイリアンによって繭にされていた有名なトラウマシーン
船長のアーサー・ダラスは、ディレクターズ・カット版では自爆直前にはまだ生きており、船の下層でサミュエル・ブレットと共に繭にされていた。ブレットに息はなかったが、ダラスはかろうじて息があり、リプリーに自分を殺してくれと頼む。リプリーは意を決しダラスを火炎放射器で焼き、脱出艇シャトル「ナルキッソス」へと急いだ。
エイリアンとリプリーの最終決戦…エイリアンの撃退
脱出艇シャトル「ナルキッソス」に乗り込んだリプリー。安堵したリプリーだったが、シャトルの中にエイリアンがいるのを発見。
「事態が解決したと見せかけてさらにもう一幕がある」という手法は成功し、以降のホラー映画に新しい定番をもたらした。
リプリーは宇宙服を着て椅子に体を固定させ、エアロックを開けてエイリアンを排出しようとする。だがエイリアンは入口にしがみつく。リプリーがエイリアンにボウガンを刺し、ジェット噴射してようやくエイリアンは宇宙の彼方へ消えていった。
エイリアン2(1986)のラスボスのエイリアン・クイーンとの死闘
2144年。57年間の冷凍催眠状態から救出されたリプリーは、音信不通となった殖民惑星・LV-426の調査の為、海兵隊員と共に旅立つ。そこでリプリーたちが遭遇したのは、卵を生んで繁殖し続けるエイリアン・クイーンの姿だった。
エイリアン2(1986)のラスボスであるエイリアン・クイーンは、産卵をおこない、エイリアンを数多く生み出す女王。リプリーとの一騎打ちを迎える。エイリアンクイーンの首を掴み、エアロックに叩き落そうとするリプリー。
エイリアン3(1992)衝撃のラスト…リプリーは、エイリアン・クイーンを体内に宿したまま溶鉱炉に身を投じ、永きに渡るエイリアンとの戦いに幕を下ろした。
囚人惑星での激闘虚しく、寄生を余儀なくされたリプリーの結末とは…。
自身の異常を自覚したリプリーは、EEVの体内透視装置を使い、エイリアンの胎児に寄生されていたのを知る。
不時着の原因はスラコ号の脱出ポッド内にエイリアン・クイーンが生み落としていた卵から生まれたフェイスハガーによるものだったうえ、エイリアンによって囚人たちが次々と虐殺されていく惨劇の中、自らはそれに寄生されていたことや次代のエイリアン・クイーンを産む母体として殺されずに生かされていることが、物語中盤で判明する。救援隊が駆けつけ、リプリーの体内から幼虫を取り出し、リプリーの命を救うと約束するが、エイリアンの軍事利用を懸念した彼女は溶鉱炉の中に身を投じるのだった。
最後は自らの体内のエイリアン・クイーンをウェイランド・ユタニ社に生物兵器として悪用されないよう、鉛の溶鉱炉へ飛び込んでクイーンもろとも自殺した。
『オーメン』
『オーメン』(The Omen)は、1976年に製作されたアメリカ合衆国の映画作品。6月6日午前6時に誕生し、頭に「666」のアザを持つ悪魔の子ダミアンを巡る物語。悪魔の生まれ変わりダミアンを描いた悪魔を題材とした映画作品。空前の大ヒットを記録し、『オーメン2/ダミアン』(1978年)、『オーメン/最後の闘争』(1981年)、『オーメン4』(1991年)とシリーズ化され、1976年版をリメイクした同名映画『オーメン』(2006年)も製作された。
“オーメン “は、リチャード・ドナー監督により1976年に公開された古典的オカルト映画である。物語は、グレゴリー・ペック演じるロバート・ソーンが駐英大使になったことをきっかけに展開する。息子が生後間もなく死亡した後、ロバートは神父に説得され、母親が出産中に死亡した別の子供を密かに養子にする。二人はその子をダミアンと名付ける。
ダミアンが成長するにつれ、彼の周囲で奇妙で不吉な出来事が起こり始める。そして、ダミアンに関連した死や事故が相次ぎ、ロバートは養子が反キリストである可能性を疑い始める。ロバートは、ダミアンの出自や超自然的な性質を明らかにするため、デヴィッド・ワーナー演じる写真家キース・ジェニングスの協力を仰ぐことになる。
ロバートは、ダミアンの実父が強大な力を持つ人物であることを知り、ダミアンが世界の終末をもたらすという予言された運命を果たす前に、息子の本性を明らかにし、止めなければならないことを知るのです。映画は、ロバートがダミアンを守る超自然的な力と戦いながら、迫り来る破滅を防ぐために時間との戦いに挑み、緊張感を高めていきます。
「オーメン」の登場人物はよく練られ、物語の中で重要な役割を担っている。ロバート・ソーンは、ダミアンに対する疑念を募らせながら、彼を守る義務との間で葛藤する、愛情深く保護的な父親として描かれている。キース・ジェニングスは、懐疑論者から信者に転じ、ロバートの探求に協力する。ビリー・ホワイトローが演じるミステリアスでカリスマ性のあるベイロック夫人は、ダミアンの乳母として不気味な存在感を放っている。
オーメンの恐怖音楽/サウンドトラックは大ヒット!悪魔の讃美歌といえる重々しい合唱が印象的であり、後続の悪魔が登場する映画の基本スタイルとして踏襲されることが多くなった。
ホラー史に残る伝説のスプラッター(人体破壊・切株)シーン「ガラスで首を切断」
真相を探ろうとしていたカメラマンのジェニングス(デイヴィッド・ワーナー)の首をガラスで切断するなど、悪魔の子「ダミアン」の悪行は加速していった。この芸術性の高い首の切断シーンは、ホラー史に残る名スプラッターシーンとして語り継がれている。ホラー史に残る有名な首チョンパ。
悪魔に殺害されていくシーンは、どれも視覚的なインパクトが強い、一度見たら忘れられないものばかり。首の切断シーンは、ホラー史に残る名スプラッターシーンとして語り継がれている。生々しく、痛々しい。
オカルト映画の記念碑的な名作『オーメン』の首チョンパは、「殺害シーン・人体破壊描写=最大の見せ場」というスプラッター・ホラー史に残る伝説の首チョンパとして語り継がれている。
教会の避雷針が折れて、真相を掴んだ神父を直撃した。伝説の串刺しシーン。悪魔に殺害されていくシーンは視覚的なインパクトが高い印象深いものだった。
ダミアンの誕生日パーティで出席者の面前に屋根から飛び降りて首を吊る宙吊りのメイド、トラックに積んであったガラス板で首を切断される記者、暴風雨の中で落ちてきた教会の避雷針に串刺しの神父など、悪魔の子ダミアンによって、次々と巻き起こる奇怪な殺人は、どれも衝撃的でトラウマを植え付けた。
衝撃のラスト。ソーン夫妻の葬儀にて、大統領に引き取られたダミアンが墓前で微笑む。人類を滅ぼすために送られて来た悪魔の子・ダミアンの勝利で終わる。終末感漂う後味の悪いバッドエンド。
『サスペリア』 / バレエ学校が実は魔女の巣窟だった。魔女の館の謎・迷宮に挑むスージー・バニヨン(演:ジェシカ・ハーパー)。
ゴブリン(Goblin)の映画音楽『サスペリア』 – Suspiria (1977年)
ゴブリンが奏でる恐怖の音楽が「音響立体移動装置」(サーカム・サウンド・システム)により増幅された。恐怖のメロディが多くの人の脳裏に刻まれた。
『サスペリア』(Suspiria)は、1977年制作のイタリアのホラー映画。監督はダリオ・アルジェント、出演はジェシカ・ハーパー。バレエ学校が実は魔女の巣窟だった。現代社会に潜む魔女を描いた。ゴブリンが奏でる恐怖の音楽が音響立体移動装置(サーカム・サウンド・システム)により増幅され一世を風靡した。「魔女3部作」の1作目とされる。
2018年にリメイクされた。日本では「決して、ひとりでは見ないでください」というキャッチフレーズが有名になった。
ダリオ・アルジェント監督『サスペリア 4Kレストア版』劇場予告篇
美少女スージー・バニヨン(演:ジェシカ・ハーパー)が踏み込んでしまった美しく彩られた恐怖の世界。鋭い洞察力で秘密の扉を発見し、魔女の会合を目にする。
「パットの首吊り処刑」は、最大の見せ場のひとつ。映画史に残る残酷美を極めた殺人描写・魔女のメッセージも。
パット(パトリシア)は、バレエ学校の「青いアイリス」の秘密を知ったばかりに、魔女の使い魔にめった刺しにされて「首吊り処刑」される。魔女の使い魔と思われる謎の殺人鬼は、絶命寸前のパットの体にロープを回すと天井のステンドグラスから突き落とす。パットの死体は天井のガラスを突き破って首吊り状態になった。
「オーメン」(1976年)の首吊りシーン同様に、ホラー映画史に残る「サスペリア」の最初の殺人ショックシーン「首吊り死体となったパット」。序盤の最大の見せ場。絶世の美女、美少女が美しくも無残に殺されていくのが70年代のイタリアンホラー/ジャッロ映画の特徴。サスペリアは、現代に潜む魔女を題材としたオカルト映画だが、文法的にはイタリアのジャッロ映画の延長上にある作品。
天井のステンドグラスをぶち破って首吊り死体になったパットから滴る鮮血によって「箒に乗った魔女」を描いている。魔女の呪いを示す見立て殺人的な血だまりの残酷アート。
パットの悲鳴を聞きつけて駆けつけた友人のソニアも、壊れたステンドグラスの破片を浴びて、不運な惨死の道づれとなって鮮血に染まった。
ソニアの顔面に割れたステンドグラスの破片が深々と突き刺さり、さらに鉄柱が首と下腹部を貫いている。当時のオカルト映画としては、屈指の残酷なスプラッター描写。サスペリアは、不条理なまでに美しい美少女ヒロインたちをサディスティックに痛めつける。
魔女たちが集う「隠し部屋」へ通じる「秘密の扉」はどこに?
魔女との対決に挑む前に喫煙するスージー。スージーは秘密を暴く決意をする。
サラの紹介であったサラの主治医でありボーイフレンドの「精神科医」と魔女のことに詳しい「オカルト学者」から学校の歴史と魔女(初代校長のエレナ・マルコス)についての話を聞いたスージーは、学校の秘密を暴く決心をする。魔女との最後の決戦を前にして、まずは、タバコ(大麻?)を吸って気持ちを落ち着かせるスージー。覚醒した状態で魔女と戦うために、タバコではなく大麻を吸っているという説も。
夜ごとに響く教師たちの靴音は突然消えてしまう。なぜなのか?
部屋に戻ると、急いで煙草に火をつけ吸い込むスージー。雨が窓を叩いている。足音。足音が聞こえる。サラの置いていった紙きれを手にするスージー。その間も足音は続いている。思いをこらすスージー。
「あの人たちは学校を出てないわ。玄関は左にあるはずなのに、足音は右に2、3、4、5、6、7。足音を数えれば行く先がわかるに違いない。…20」左から右へ移動する足音。手にサラのノートを持って、そっと廊下に忍び出るスージー。人気のない赤い廊下を静かにたどって行く。突き当たりのドアを開ける。雷鳴!黄色の部屋だ。壁に沿って数えながら歩いていくスージー。副校長の部屋(応接間)に入ってくるスージー。足元を見ると、高価なじゅうたん。
豪華絢爛なアールヌーボー調の応接間には、夜な夜な魔女が集く「隠し部屋」(魔女の隠れ家)へ続く「秘密の扉」が隠されている。
「じゅうたんだわ。それで足音が消えてしまったのね。でも、ここから他へ行く道がないと、おかしいわ」まわりを見回すスージー。
冒頭のパットのこのセリフ「秘密が分かったわ。扉の影で見たの!アイリスが3つ。青いのを回すのよ!」(原文「The secret I saw behind the door—three irises, turn the blue one!」)は、秘密の扉のありかだった。青いアイリスを回せ!
「青いアイリス」を動かすスージー。青いアイリスを左側に回すと秘密の扉が開いた。
「青いアイリス」の仕掛けが、魔女たちが夜ごとに集う隠し部屋(秘密部屋)へ通じる「秘密の扉」の鍵だった。とうとう秘密の扉が開いた!
突き当たりの部屋から光と人影が見えて来た。覗き込むとそこにはブランク夫人やタナー女史、下男のパブロやアルバート少年がおり、何やら儀式をしている。
ドイツにある名門のバレエ学校は、魔女の隠れ家、魔女の巣窟だったのだ。サスペリアとは魔女学園の物語だった。魔女たちは、邪魔な人間に病や苦痛を与えて死に至らしめる。
エレナ・マルコス(溜息の母)の部屋
サラは別の部屋に入った。そこはエレナ・マルコス(溜息の母)の部屋だった。恐ろしいいびき声がする。エレナ・マルコス(溜息の母)は、いびきをかいて寝ていた。
ラスボスのエレナ・マルコス(溜息の母)がカーテン越しのベッドにいた。エレナ「ふふふ、アメリカ女だね?来ると思ったよ!」
絶体絶命のピンチとなった時、雷の光がマルコスの透明な身体を光で浮かび上がらせた。スージーは全力を振り絞って、壊れたガラス製の孔雀の置物の羽根を取って、マルコスの喉を突き刺した。マルコスの断末魔のサイコキネシスにより館が崩れはじめる。
ミステリー映画の記念碑的な古典・ジャッロの名作「サスペリアPART2」
「サスペリア」の大ヒットという都合で、続編にされた傑作殺人映画「サスペリアPART2」
究極のジャッロ映画、映画史に残る傑作ミステリーとも評される傑作殺人映画「サスペリアPART2」(1975年)は、オカルト映画の金字塔「サスペリア」(1977年)以前に作られた映画だが、日本では大ヒットした「サスペリア」の続編として劇場公開された。
「サスペリアPART2」(原題:Profondo Rosso、英題:Deep Red)と「サスペリア」には内容的なつながりは全くないが、「サスペリアPART2」は、鮮血(残酷描写)とエロス(性描写)の美学を追求する「ジャッロ映画」と悪魔と邪教を題材とした「オカルト映画」の境界線上にある作品であり、「サスペリア」の雛形・源流であるのは間違いない。
【映画のトラウマシーン】「サスペリアPART2」 ビックリ笑い人形が脈絡なく走って来る。一度見ると忘れられないトラウマ映像。どうやって動いていたのか?全くの謎。
『サスペリアPART2』は、ホラー的な要素を巧みに取り入れたサスペンス映画の最高傑作。スラッシャー映画の源流のひとつ。『サスペリアPART2』は殺人などの残酷描写を主眼とするサスペンス・スリラー映画=「ジャーロ映画」の代表作であり、アルジェント映画の最高傑作と讃えるファンも多数いる作品。
『サスペリアPART2』の最初の惨劇のシーン。殺人鬼は、かなり大型の肉切り包丁でヘルガを切りつけて、とどめに窓ガラスにガチャンと顔を叩きつける残酷な殺人描写。切れ味のあるスプラッター描写になっている。
ローマで開催された欧州超心霊学会で、超能力を持つヘルガが突然錯乱した。彼女は、かつて残虐な殺人を犯した人間が会場内にいると宣言する。その後、部屋に戻ったヘルガは何者かに惨殺される。偶然その瞬間を目撃したイリギス人のピアニスト、マークは、コートの男が逃げてゆく姿を目撃する。彼は女性記者のジャンナとともに事件の謎を解こうとする。
(実は最初の冒頭のシーン「クリスマスの惨劇」を描いている)気味の悪い子供の絵。この絵を描いたのは、主人公マークの友人であるカルロであることが終盤でわかる。ホラー要素満載の極上のミステリーになっている。父親を殺害したのは子供であることを示しているような絵だが、実際には母親が殺し、子供は血みどろのナイフを拾っただけというのが真相(描写内容の主体は、信頼できる語り手ではないので、この真相も全くの逆の可能性はある)。
マークは「現代の幽霊伝説」を詳しく調べ、書籍から勝手にちぎり取った写真から怪奇現象の起こった屋敷(カルロたちが住んでいた屋敷であることが後にわかる)を見つけ出す。その屋敷こそ、クリスマスの惨劇の現場があった屋敷であった。屋敷のある部屋の壁に上図の不気味な絵が描かれているのをマークが発見した。この屋敷には隠し部屋が存在し、そこがクリスマスの惨劇の舞台であり、カルロの父親の死体も残っていた。マークは、学校に蔵書されていた目的の絵をとうとう発見し、絵に記されていた署名からこの絵を描いた張本人は友人のカルロであることを知る。
マークは捜査によって、クリスマスの惨劇の現場=隠し部屋のからくりを見破った。隠し部屋には、すでに白骨化している父親の死体(ミイラ)が残っていた。カルロの母は精神を病んでいた。あのクリスマスの夜、精神病院に入れと勧める父に反発してカルロの母は、カルロの目の前で父を殺したのだった。
しかし、最初のヘルガ殺害事件が起きた時、カルロはマークと一緒にいたため、カルロは真犯人ではなく(真犯人をかばう)共犯者であった。屋敷でマークを殴って気を失わせて(真犯人だったらマークを殺しているだろう)、屋敷に火を放って(隠し部屋と父親の死体などの)証拠隠滅をしたのはカルロだろう。学校でジャンナを刺したのもカルロだろう。そのカルロは逃走の際に、まるでオーメンのダミアンの呪いのような交通事故で死亡する。カルロの顔面が後続の車にひかれて大破壊される壮絶な死に方だった。さすが残酷美の巨匠アルジェント。
映画史に残る驚愕の映像トリック(犯人が映っていた鏡)…主人公のマークは、あの時見たのは絵ではなく、犯人が映った鏡だったことに気付く。
実は物語の序盤で大胆にも犯人が一瞬映りこんでいる。異様な絵が多く飾られた廊下にある鏡には、実は犯人が映っていた。超有名なネタとして語り継がれている。物語のクライマックスにて、主人公マークの友人であるカルロの元女優の母親が真犯人だった。
カルロの元女優の母親が真犯人。彼女は精神を病んでいて、数十年前に自分の夫を殺害する。それを幼いカルロが目撃していたのです。それが冒頭で描かれたクリスマスの惨劇。
カルロの母親は、「あの子は何も罪を犯していない、私をかばおうとしただけ」と言いマークを殺そうとして、肉切り包丁を振り下ろして襲い掛かってくる。
「重要なものを見ているのにもかかわらず見過ごしている」という監督の初監督作品『歓びの毒牙』のオマージュとされる映像トリック。序盤でのマークの台詞「入るときにはあった絵が出るときには消えていたんだ」は思い込みの勘違いであり、マークは、あの時見たのは絵ではなく、カルロの母親=犯人が映った鏡だったことに気付く。視覚的インパクトを重視するアルジェント監督の美学が反映した最高の映像トリック。一瞬の出来事の描写に細かくこだわることで、革新的な芸術をもたらす。
映画史に残る印象的な殺人方法「ネックレスで首チョンパ」
主人公マークの友人であるカルロの母親の映画史に残る壮絶な最期。ネックレスがエレベータにひっかかり、首が切断される。映画史に残る残酷なショックシーンとして語り草になっている。ネックレスで首チョンパ。口から白い液体も吐き出していた。ミステリー史に残る酷い死に方と評される。
『サスペリアPART2』は、血生臭い残酷描写が売りのジャッロの最高傑作と言われるだけに、ネックレスで「首チョンパ」という殺害方法も斬新であり一度見たら忘れられないスプラッター描写になっている。
ラストシーンは、首チョンパされた真犯人であるカルロの母親が流した血だまりに映る放心状態のマークの顔。かなりシュールでアートな残酷美で終わる終幕。『サスペリアPART2』の原題の「Profondo Rosso」は、「赤い深淵」といった意味なので、原題通りのラストシーンとも言える。
『サスペリア2 – 赤い深淵』 – Profondo Rosso (1975年) 映画『サスペリアPART2』サントラ
ゴブリンは、初めのうちはチェリー・ファイヴと名乗っていたが、『サスペリアPART2』の映画音楽を作曲するために呼ばれ、バンド名をゴブリンに変え、ジョルジオ・ガスリーニによって書かれた有名なメイン・テーマを含むオリジナルの譜面の多くを書き直した。1975年、『サスペリアPART2』のサウンドトラック・アルバムは爆発的なヒットを記録する。
悪魔のいけにえ(1974年)
レザーフェイスは、『悪魔のいけにえ』に登場する伝説のトラウマキャラクター。本名はババ・ソーヤー。人肉を売りさばく肉屋に産まれた4人兄弟(内2人は双子)の4男。人間の顔面の皮を剥いで作ったマスクを被った大男。先天性の皮膚病と梅毒を患っており、病気により醜くなった自身の素顔を隠すため人皮のマスクを被っている。
『悪魔のいけにえ』(原題:The Texas Chain Saw Massacre)は、トビー・フーパー監督による1974年のアメリカのホラー映画。米国テキサス州に帰郷した5人の男女が、近隣に住む人皮のマスクを被った大男「レザーフェイス」に襲われ殺害されていく様子が描かれたホラー作品。レザーフェイスは、チェーンソーやハンマーで侵入者を惨殺し、殺した人間や動物を解剖して家具の材料に利用している。
ソーヤー一家の狂気の晩餐。恐るべき地獄の宴。
玄関先でレザーフェイスに取っ捕まるパム。狂った人食一家に捕まったらもう、あとは地獄。かつて見たことがない陰惨かつ凄惨な場面と展開の連続。
殺人鬼・レザーフェイスは、カークの恋人パムを、フックで吊るした後、冷蔵庫の中に閉じ込めて殺害した。フックに吊るされるシーンは、観客にトラウマを刻み付けた残虐シーンとして有名。
レザーフェイスと恐怖に身震いするサリーの恐怖の追いかけっこ。逃げきれるか。食人一家の犠牲者が出演している本物のスナッフムービーを見せられているかのような嫌悪感。
『悪魔のいけにえ』(1974年)のラストシーンでチェンソーを振り回すレザー・フェイス。ホラー映画史に残る名場面として語り継がれている。
悪魔のいけにえ (1974) – 悪魔のいけにえ2 (1986) – 悪魔のいけにえ3 レザーフェイス逆襲 (1990) – 悪魔のいけにえ レジェンド・オブ・レザーフェイス (1995)
リメイク
テキサス・チェーンソー (2003) – テキサス・チェーンソー ビギニング (2006)
現代スラッシャー映画の原点『ハロウィン』(1978年)
『ハロウィン』(Halloween)は、1978年のアメリカ映画。「ハロウィンシリーズ」の第1作目である。アルフレッド・ヒッチコック監督作の『サイコ』から着想を得たスプラッター映画作品群における最初の作品として認知されている。
殺人鬼(サイコキラー)ブギーマンことマイケル・マイヤーズと精神科医のサム・ルーミス医師が主人公の『ハロウィン』は、同じホラー映画として『13日の金曜日』や『エルム街の悪夢』と並べて評価される事が多い作品であるが、これら2大シリーズの原点となったのも、実はこのハロウィンシリーズであり、特にジェイソンのホッケーマスクはマイケルのハロウィンマスクからヒントを得たものである。
スプラッター映画の流行において、『ハロウィン』が打ち出した超人的な殺人鬼を扱った映画と、『ゾンビ』が打ち出した人肉をむさぼり食うゾンビを描く映画という、ふたつの流れが主流となっていく。
1978年公開の『ハロウィン』でローリーを演じたジェイミー・リー・カーティスは、絶叫クイーンとして名前を挙げられることが多い。カーティスは『ハロウィン』で高評価を得て以降、『ザ・フォッグ』や『プロムナイト』などホラー映画の人気作品へ立て続けて出演した。
殺人鬼「ブギーマン」(本名は、マイケル・マイヤーズ)
暗闇の中、無表情のマイケルが迫る。いつもの日常の風景に怪しい人影(マイケル)が突如現れ、何もせずにじっとたたずんでいる。ひたひたと、残虐なストーカー(殺人鬼)が忍び寄る恐怖を犠牲者同様に観客も味合わされる。
マイケル・マイヤーズの姿、白い無表情の仮面は、得体の知れない化け物感を漂わすホラー史に残る伝説のシンボル・アイコンとなった。マイケルが何かやるごとに客席(観客)から悲鳴が起こった。
殺人鬼「ブギーマン」は、映画『ハロウィン』シリーズに登場する架空の殺人鬼(サイコキラー)である。本名は、マイケル・マイヤーズ(Michael Myers)。ごく普通の人間の顔であるが、素顔をさらすことは滅多にない。トレードマークの白塗りのハロウィンマスクを愛用している。銃弾を何発受けても平然と起き上がる尋常でない屈強な身体をしており、ガス爆発に巻き込まれても、10年の時を経て復活している。また、大柄な男性の人間を片腕で持ち上げる怪力の持ち主で、様々な物を武器にして殺人を犯す。
『ハロウィン』予告編 (2018年)
緊迫感を生み出す主観映像、そして白いマスクの男・マイケルの襲い掛かるタイミングとじらし演出を巧みに繰り返し、視聴者の心を揺さぶってくる。
殺人現場に置かれたマイヤーズ家の長女の墓石。ブギーマンは人間離れした怪力の持ち主として描かれている。
15年前、包丁で自らの姉を殺害したマイケルが精神病院を脱走し、ハロウィンの夜に故郷に戻る。担当医ルーミスの追跡をよそに、白いマスクをつけ、包丁を手にしたマイケルは殺戮を繰り返すことに。ベビーシッターのアルバイトをしていた女子高生ローリーも命を狙われるが……。ジョン・カーペンター監督の名前を世界中に轟かせることになった大ヒット・ホラー。神出鬼没のマイケルのキャラクターは人気を博し、シリーズ化された。
1963年、イリノイ州ハドンフィールドで殺人事件が起こった。マイヤーズ家で殺害されたのは、その家の長女、ジュディス・マイヤーズ。そして、彼女を殺した犯人は6歳の「マイケル・マイヤーズ」であった。
『ハロウィン』(1978年)の結末は、幻想怪奇な余韻を残して終わる結末。
ラストシーンでは、殺人鬼マイケル(ブギーマン)は、妹のローリーの命を狙うが、宿敵である精神科医ルーミス医師の活躍によって、失敗に終わる。ピストルで撃たれて2階から庭に落下して死亡したと思われたマイケルは、不思議なことに消え去っていた。やや後味が悪い幻想的なファンタジー色を残した趣のあるラストシーンになっている。ジェイソンとは異なり、ラストシーンで見せるマスクの下の素顔は端正な部類に入る。生身の人間であるにも関わらず異様に強靭な肉体を持っているため、拳銃やショットガンや挙句の果てには迫撃砲を喰らってもなお生存している。
ラストシーンでは、マイケルは、ルーミス医師に6発の銃弾を撃ち込まれ、2階から落下したにも関わらず、忽然と姿を消してしまう。ファンタジーとリアルの世界を行き来するマイケルは伝説のブギーマンなのだろうか?
『エルム街の悪夢』 / 悪夢に巣食う殺人鬼のフレディ・クルーガーで有名な、超自然的スラッシャー映画
ナンシーが見た悪夢…授業中の教室での居眠りで、遺体袋のティナの姿を目撃し、ボイラー室でフレディと恐怖の初対面。
授業中の教室で居眠りするナンシー。気が付くと悪夢の真っただ中…。眠ると「夢の世界」の中でフレディ・クルーガーに襲われて死ぬ…。
透明の遺体袋に収容された血まみれのティナが語りかける「ナンシー…」…。すでに悪夢の中にいるナンシー以外には誰も遺体袋のティナのことに気が付いていない。もう一度振り返るとティナの姿は消えており、不思議に思ったナンシーは教室を出ていき外に探しに行く。
教室から廊下に出ると、血まみれのティナが収容された遺体袋が見えない誰かによって引きずられている…。フレディの悪夢の世界のため奇想天外な超自然現象が起きる。そこが魅力。
ボイラー室に入ったナンシーは、フレディと初対面する。ナンシーは「あなたは誰?」と問う。襲い掛かってくるフレディ。
行き止まりに追い詰められるナンシー。このフレディの悪夢から逃れる…夢の中の世界から目覚める(現実の世界に戻る)ために、ナンシーは、目の前にあったボイラー室の高熱の配管(パイプ)に腕を当てて、火傷するほどの熱さ(痛み)で無理やり悪夢から目覚めて難を逃れた。
目覚めたナンシーは、火傷した腕の痛さのために教室で悲鳴を上げていた。周りはびっくり。夢の中で負った火傷が、現実でも火傷になっている…夢が現実化する恐ろしさ。
ティナ・グレイの有名な空中浮遊の殺害シーン…フレディの自然の摂理を超越した奇想天外な殺害方法(悪夢)。
女子高生のティナは夢の中で鉄の鉤爪を付けた男に追われる悪夢にうなされる。ティナはロッドとセックスをして眠りにつくと、夢の中でフレディに遭遇し鉄の爪で引き裂かれて血まみれになってしまう。
腹を切り裂かれたティナは、血まみれになりながら、宙に浮き上がっていく…超自然現象が起きる。目覚めたロッドは引き裂かれていくティナ(まるでポルターガイスト現象)をどうすることも出来ずに絶望する。
ロッドから見ると…腹を切り裂かれたティナは、血まみれになりながら、宙に浮き、壁と天井に張り付いたまま引きずられる。フレディの衝撃的な殺害方法(悪夢)。
ナンシーが部屋に来た時には、血みどろになったティナの凄惨な遺体が…。
殺人鬼フレディは、夢の中に住む殺人鬼なので、その殺害方法は、残虐でありながら、自然の摂理を超えた超自然的・奇想天外なものばかりである。
悪夢に巣食う殺人鬼のフレディ・クルーガー。眠っている人の夢に出現し、右手にはめられた鉄の爪で相手を引き裂く殺人鬼。
電話の受話器から殺人鬼フレディの舌が出てくる有名なシーン。気が付いたら悪夢の真っただ中にいるという恐怖を感じられるイメージ。
ナンシーは授業中や風呂場で居眠りするとフレディが現れて浴槽に引きずり込まれる。やっとティナの言ってた事を信じたナンシーはグレンにうなされたら起こしてと見張りを頼んで眠りにつく。グレンも居眠りしてたので起こしてもらえずフレディに追い回されて酷い目に遭う。
アワの中からゆっくり主人公の「ナンシー・トンプソン」の股間に近づくフレディの鉄の爪。ホラー映画史に残る刺激的な名場面。
『エルム街の悪夢』を象徴する最も有名なシーン。お風呂で眠ってしまったナンシーが見る悪夢。お風呂で眠ってはいけません(日本での劇場公開当時の宣伝文句)。この有名なナンシーの入浴シーンの悪夢は2010年のリブート版でも再現されている。
ジョニー・デップにとっては、映画・初出演作。無名時代のジョニー・デップが演じているナンシーの恋人のグレン・ランツの最期
無名時代のジョニー・デップが演じるグレン・ランツは、主人公のナンシーの恋人。ナンシーが夢の中の事を話すが、信じようとしない。
ナンシーは、グレンにも寝ないよう呼びかける。夜中に電話で起こそうとするが、両親によって妨害されてしまう。眠ってしまったグレンはベッドに引きずり込まれて部屋中血まみれの地獄絵図に。大量の血を吹き出すグレンの奇想天外な殺害方法は、シリーズの特徴を伝える代表格のひとつ。
フレディに一騎打ちを挑むナンシー・トンプソン…「フレディの撃退方法」は、各作品ごとに異なる最大の見せ場。
ナンシーは意を決して眠りについて夢の中でフレディに火を付けて反撃。
フレディは、夢の中では不死身であり、撃退するのに何らかの特殊な方法が毎回用いられている。
ナンシーが最後の手段として、グレンの言った「背を向けてエネルギーを奪う」の言葉通りにするとフレディは消滅。
犠牲者(被害者)のフレディに対する恐怖心(恐れ)がフレディの力の源になるため、フレディを恐れず、ナンシーは心を落ち着かせて穏やかにフレディに対して背を向けた。フレディは背を向けたナンシーに突撃しようと試みるが、力尽きて消滅してしまった。
『チャイルド・プレイ』
『チャイルド・プレイ』(原題: Child’s Play)は、トム・ホランド監督・共同脚本、デヴィッド・カーシュナー(英語版)製作、ドン・マンシーニ(英語版)原案・脚本による1988年のアメリカ合衆国のオカルト人形ホラー映画。「チャイルド・プレイ」シリーズの1作目。
ある夜、刑事のマイク・ノリスに追いつめられた凶悪殺人犯チャールズ・リー・レイはオモチャ屋に逃げ込むが、追ってきたマイクとの銃撃戦の末、致命傷を負ってしまう。己の死を悟ったチャールズは死ぬ直前にそばにあったグッド・ガイ人形の前で呪文を唱えた。その直後、突然稲妻がチャールズの身体をつき抜け、オモチャ屋は爆発し、現場にいたチャールズは死亡した。
チャッキー / チャールズ・リー・レイは、人間だった頃は「湖畔の絞殺魔」と恐れられた凶悪殺人犯であり、ブードゥー教に精通していた。
冒頭の銃撃戦で死亡したが、死の直前にブードゥー教の秘術でグッド・ガイ人形に自身の魂を移し替えることによって生前の意思を持った殺人人形・チャッキーとして蘇生した。
6歳の誕生日を迎えたアンディ・バークレーは、母親からグッド・ガイ人形をプレゼントとして貰う。だが、その人形はチャールズが死んだオモチャ屋にあった人形であり、自らをチャッキーと名乗り、アンディを襲い始める…。
射殺された凶悪犯の魂が乗り移った悪意を持つ人形を手にした少年アンディと母親のカレンの恐怖の体験。
マギーの転落死事件…急な仕事を押しつけられたカレンは親友のマギー・ピーターソンにアンディの子守を頼む。マギーはアンディを人形と一緒にベッドに寝かしつけるが、その後に何者かによってハンマーで顔を殴られて窓から転落死する。
火を放たれ黒焦げになっても追いかけてくる…心臓を狙撃されて死亡するチャッキー
チャッキーは、カレンによって暖炉に投げ入れられ、アンディによって火だるまにされる。
生きていたチャッキー…真っ黒こげになったチャッキーがまだアンディを追い続ける。凄い執念を見せる。
ドアを開かないように必死に押さえているカレン…ドアを突き破ってくるチャッキーのナイフ
逃げるアンディとカレンを追いかけてくる黒焦げのチャッキー。恐ろしい怪物のバイオレンスアクションものに近いエンタメ性の高さ。
カレンはマイクの銃で黒焦げのチャッキーを撃ち、まず頭を吹き飛ばし、次いで右腕、左足を撃つ。
バラバラになってもまだ死なないチャッキー。
アンディ親子の活躍によって黒コゲにされ、最期はマイク刑事に心臓を撃ち抜かれて息絶えたチャッキー。
マイク・ノリス(演:クリス・サランドン)は、冒頭でチャールズを射殺した刑事。当初はカレンの同様に「チャールズの魂が乗り移った人形」の話を信じなかったが、中盤でチャッキーに襲われてからはカレンの味方となってチャッキーを追うようになる。マイク刑事に心臓を撃たれるチャッキー。
体の動きは止まった…。
クライマックスでマイク刑事がチャッキーを銃で射殺し、アンディと母親カレンを救うところで終了。
『リング』シリーズ / 映画史を代表する邦画のホラーアイコンと化した「貞子」の誕生。ジャパニーズホラーブームの火付け役となった。
『リング』は、日本の作家である鈴木光司によるミステリ・ホラー小説。見た者を1週間後に呪い殺す「呪いのビデオ」の恐怖と、その来歴に迫ろうとする主人公を描く。1998年には東宝の配給で『リング』『らせん』が同時に映画化された。
リングシリーズ一覧
- 『リング』(1998年)
- 『らせん』(1998年)
- 『リング2』(1999年)
- 『リング・ウィルス』(1999年/韓国)
- 『リング0 バースデイ』(2000年)
- 『ザ・リング』(2002年/アメリカ)
- 『Rings(原題)』(ショートフィルム)(2005年/アメリカ)
- 『ザ・リング2』(2005年/アメリカ)
- 『貞子3D』(2012年)
- 『貞子3D2』(2013年)
- 『貞子 vs 伽椰子』(2016年)
- 『ザ・リング・リバース』(2018年)
山村貞子の登場シーンまとめ動画(リング 0, 1, 2)
山村 貞子(やまむら さだこ)は、終盤ではテレビから這い出てくる恐ろしげな怪物として描かれた。
映画版で描かれた「TV画面から現れる『貞子の恐怖』」については様々なメディアで扱われ、パロディーなども多く作られた。
山村 貞子(やまむら さだこ)は、「見た者が必ず一定期間ののち死に至る」という“呪いのビデオ”の恐怖を描いた鈴木光司の小説「リング」(91)を原作に実写化した映画『リング』(98)のクライマックスシーンにおいて、TV画面から這い出て呪われた人物を死に至らしめる姿が世紀末の日本に大きな衝撃を与え、一躍誰もが知る存在となった怨霊。“呪いのビデオ”を媒介にビデオを見た者を呪い殺すリング・ウイルスを拡散する。白いワンピース姿に顔を覆い隠す長い黒髪が最大の特徴で、井戸やTV画面から出てくる姿で知られている。
ホラー史に残る山村 貞子のラストカットの有名な恐怖ビジュアル。恐ろしすぎる。
「そのビデオを見ると、一週間後に死ぬ」
<ビデオに殺されるなんて。>ちまたに勃発する原因不明の突然死。呪いが込められたビデオテープの存在の噂は、都市の人々の間に急速に広まっていった。浅川玲子(松嶋菜々子)は、ある事件を追いかけるうちにそのビデオテープを観てしまう。そのビデオには観たものを7日間の期間で確実に死に追い込むという、恐怖の呪縛が潜んでいた。玲子は別れた夫の高山竜司(真田広之)に相談するが、彼もまたそのビデオを観てしまう。息詰まるような限られた時間の中で、彼らは生き残りをかけてその謎に挑む。
小芝風花 主演 “貞子”シリーズ最新作『貞子DX』、2022年10月28日(金)全国ロードショー!
映画『貞子DX』特報
“見た者が必ず一定期間ののち死に至る”という「呪いのビデオ」の恐怖を描いた鈴木光司のホラー小説を原作に実写化した映画『リング』。TV画面から這い出る“貞子”の姿が、世紀末の日本に大きな衝撃を与えて約四半世紀。国内外で幅広い世代に高い認知度を誇り、2019年にはニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100」にも選出された、世界的ホラーアイコン“貞子”のシリーズ最新作『貞子DX』が2022年秋に全国公開!
【ストーリー】
“呪いのビデオ”を見た人が突然死する事件が全国各地で発生。IQ200の大学院生・一条文華(小芝風花)は、人気霊媒師のKenshin(池内博之)から謎の解明を挑まれ、自称占い師の前田王司(川村壱馬)とともに “呪いのビデオ”の謎を解明すべく奔走する ー。
『呪怨』シリーズ / みんなのトラウマの恐ろしい怨霊の佐伯伽椰子。「リング」シリーズとともに本格的なJホラーブームの到来を印象付けた。
『呪怨』(じゅおん)は、2000年に発売された清水崇監督・脚本によるホラーのビデオ作品。また、それを原作とする2003年1月25日に単館系で公開されたホラー映画。劇場版は、2003年8月23日に続編が公開された。みんなのトラウマの恐ろしい怨霊の佐伯伽椰子。「リング」シリーズとともに本格的なJホラーブームの到来を印象付けた。
『呪怨』シリーズ一覧
- 『呪怨』(1999年・オリジナルビデオ版)
- 『呪怨2』(1999年・オリジナルビデオ版)
- 『呪怨』(2002年・劇場版)
- 『呪怨2』(2003年・劇場版)
- 『呪怨 白い老女』『呪怨 黒い少女』(2009年)
- 『THE JUON/呪怨』(ハリウッドリメイク版・2004年)
- 『呪怨 パンデミック』(ハリウッドリメイク版・2006年)
- 『呪怨 ザ・グラッジ3』(ハリウッドリメイク版・2009年)
- 『呪怨 ー終わりの始まりー』(2014年)
- 『呪怨 ーザ・ファイナルー』(2015年)
呪怨: 佐伯 伽椰子 & 佐伯 俊雄
リングシリーズの「貞子」と並んで根強い人気を誇る人気ホラーキャラクターの「佐伯伽椰子」は稀に見るとんでもなく質の悪い怨霊。「呪怨」シリーズでは佐伯家の自宅は呪いの家と化しており、それに関わった相手を全て呪い殺す悪霊(伽椰子の亡霊)の住処として登場する。
登場するキャラクター佐伯伽椰子の声やその子供である佐伯俊雄の姿は見るものに強烈なインパクトを残し、映画『リング』の山村貞子と並んでコントパロディに使用されることが多い。日本ホラーでは、霊の直接的な露出を避ける傾向にあるが、『呪怨』シリーズでは直接的な霊の登場がかなり多く、どれも恐ろしいものばかりである。
呪怨 劇場版(2003年)
劇場版1作目は新たに佐伯家に越してきた一家と、介護施設から派遣されてきた女性スタッフの話がメイン。徳永仁美(演:伊東美咲)の布団の中に表れた佐伯伽椰子
ある日、介護ボランティアをする女子大生の仁科理佳(演:奥菜恵)は、寝たきりの老婆・徳永幸枝の様子を見るためその家を訪れた。理佳は何か不気味な雰囲気を感じつつも家の中へと入っていく。悪臭が漂い物が散乱する中を進み、一階の薄暗い部屋で幸枝を発見する理佳だったが…。数日前、幸枝の息子・勝也が帰宅すると妻が倒れていた。この家に引っ越して以来、一家は不吉なことに見舞われ続けていた。やがて勝也の妹・仁美が不審に思いこの家にやって来るが、どこか様子のおかしい勝也に門前払いされてしまう。これを機に、仁美にも不吉なことが憑きまとうようになり…。
市川崑監督・石坂浩二主演による金田一耕助シリーズの第1作「犬神家の一族」 おどろおどろしい陰惨な世界観を持つ伝説のトラウマ怪奇映画。
犬神家の一族(1976)
不気味な白マスク姿の「犬神佐清(すけきよ)」は、あまりにも有名なトラウマキャラ…松子「佐清(すけきよ)、頭巾を取っておやり!」「佐清(すけきよ)、この薄情の人たちに仮面をめくっておやり!」のくだりで視聴者は2回驚かされる!グロテスクすぎる素顔に度肝を抜かれた…映画史に残る恐怖のトラウマシーン。
犬神佐兵衛の顧問弁護士の古舘恭三は、黒い頭巾をかぶっており素顔を見れない犬神佐清(すけきよ)が本人であることを確認しなくても良いのかと聞くと、竹子も梅子も佐清(すけきよ)の顔を見なければ納得しないと言い出す。
松子(高峰三枝子)「佐清(すけきよ)、頭巾を取っておやり!」
頭から黒い頭巾をかぶった異様な男である犬神佐清が黒い頭巾を取ると…なんと不気味な白いマスクで覆われた頭部が現れた。「きゃあ!」と竹子の娘の小夜子が悲鳴をあげる。一同は騒然とする。
一度見たら頭に焼き付いてしまい一生忘れないほどの、あまりにも強烈な伝説のトラウマキャラクターの誕生。不気味な白マスク姿の「犬神佐清(すけきよ)」は、一度見たら忘れられないトラウマキャラ。特に石坂浩二の金田一耕助シリーズ(角川映画)『犬神家の一族』(1976年)は、おどろおどろしい陰惨な世界観を持つ伝説の「トラウマ怪奇映画」として名高い。
白マスク姿の「犬神佐清(すけきよ)」を見て、驚きの表情を見せる野々宮珠世(島田陽子)。犬神佐兵衛の遺言が犬神家の全財産は、野々宮珠世が犬神佐清、犬神佐武、犬神佐智の中から配偶者を選べば彼女に譲られるとしていたことから、血で血を洗う莫大な遺産をめぐる争いのまっただ中に身を置くことになってしまった。
犬神佐清は徴兵されてビルマでの戦いに参戦したが、そのときに顔に酷い火傷を負ったために、白いゴムマスクをつけている。頭部全体を隠す無表情で不気味なマスクが使用され有名になった。
「佐清(すけきよ)」は戦争で顔を負傷しマスクをかぶっているため本人かどうか疑わしいと家族が言い出し争いになる。不気味な白マスク姿の佐清(すけきよ)はあまりにも有名なトラウマキャラ。
松子「佐清(すけきよ)、この薄情の人たちに仮面をめくっておやり!」…早くも本作品の「最恐の瞬間」が訪れる。
黒頭巾をかぶった異様な姿→不気味な白マスク姿→あまりにもグロテスクすぎる「佐清(すけきよ)」の素顔に視聴者は度肝を抜かれた。みんなのトラウマ。
ビルマ戦線で「どえらい傷」を負ったマスク姿の「佐清(すけきよ)」(正体は、青沼静馬)の素顔は原作では顎の辺りは無傷で鼻の代わりに赤黒い肉塊があるとされているが、本作では右側の顎の下にまで焼け爛れた傷があり、鼻も完全になくなっている。
1976年公開の角川映画第1作『犬神家の一族』のテーマ曲「愛のバラード」は、この時代特有の感傷深い思いを感じる哀愁漂う旋律によって、鮮烈なオープニング映像の気品を、映画全体の格調を、ひいては物語の核心である哀しき愛の形を、的確に表現していた。この曲を聴くだけで、あっという間にトラウマ怪奇映画「犬神家一族」の世界観に浸れる怪しげで儚げなメロディが素晴らしい。物語の冒頭で流れた時は怖さを引き立てられ、ラストに流れた時には物語の悲哀さを引き立てる‥‥「犬神家の一族」に恐ろしいほどマッチした傑作。
市川崑監督・石坂浩二主演の金田一耕助シリーズの第2作「悪魔の手毬唄」 / 映画史に残るミステリー映画の金字塔。ミステリー映画としてもホラー映画としても最高峰の傑作映画として名高い。
悪魔の手毬唄 予告篇
恨みが積って二十年。青い沼に悪魔の数え唄が流れて、美しい死体がまたひとつ・・・名探偵金田一耕助が、岡山と兵庫の県境、四方を山に囲まれた鬼首村で起こった奇妙な殺人事件に巻き込まれていく…。
『悪魔の手毬唄』(あくまのてまりうた)は、1977年(昭和52年)4月2日に公開された日本映画。横溝正史作の同名長編推理小説の映画化作品。
仁礼文子の見立て殺人。手毬唄の「秤屋の娘」になぞらえて殺害されている。本物の幽霊のような文子の死に様は、ミステリー映画史に残る恐怖のトラウマシーンとして名高い。最恐の瞬間。
昨夜、通夜の席から忽然と姿を消した仁礼文子が、仁礼家のぶどう酒工場で発見される。葡萄酒の樽に漬けられるという猟奇的なシーン。本物の幽霊のような恐ろしさ。1977年版『悪魔の手毬唄』の本物の幽霊のような文子の死に様はミステリー映画史に残る伝説のトラウマシーン。
辰蔵は仁礼文子の死体にまだ気づいていない…。辰蔵は何気なく後ろを振り返ると…「ああああああ…」と絶叫し気絶してぶっ倒れた。確かに気を失うレベルの恐怖。
仁礼文子の遺体を発見した辰蔵の叫び顔もなかなか怖い。気を失うレベルの絶叫シーンなので迫力がある。本物の死体を見たような真に迫っている。絶叫顔は、ホラー映画の醍醐味。ミステリー映画のレベルをはるかに超えた演技・演出。
文子の死体は醸造用の樽の中に漬けられ、上に大判小判が吊るされていた。
手毬唄の「秤屋の娘」になぞらえて殺害されている。
うちの裏の前栽に雀が三羽とまって
二番目の雀が言う事にゃ言う事にゃ
おらが在所の陣屋の殿様 狩好き酒好き女好き
わけても好きなが女でござる
女だれが良い秤屋の娘 秤屋器量よし爪長娘
大判小判を秤に掛けて
日なし勘定に夜も更けて夜も更けて
寝る間も無いとて返された
1977年版松竹映画『八つ墓村』 / 山崎努さん演じる田治見要蔵が、村人を殺しまくるシーンなどトラウマシーンの宝庫。
八つ墓村 予告篇【1977年 松竹版】
東京に住む辰弥(萩原健一)は、自分を探していた祖父が目の前で毒殺死したことを機に、故郷の八つ墓村を訪れた。そこは戦国時代の落武者惨殺の伝説に彩られた地であり、やがてそこで謎の連続殺人事件が勃発する…。
濃茶の尼(こいちゃのあま)のセリフ「祟りじゃ?っ!」が流行語に
この映画のキャッチコピーに使用された濃茶の尼(こいちゃのあま)のセリフ「祟りじゃ?っ! 八つ墓の祟りじゃ?っ!」が流行語になったことでも有名。
多治見要蔵(演:山崎努)の村人32人殺し / 多治見家に対する尼子義孝ら8人の落ち武者の呪い・怨念が原因…映画史に残るあまりにも残虐なトラウマシーンとして語り継がれている。
多治見要蔵(演:山崎努)は発狂して妻を斬殺、村人32人を日本刀と猟銃で虐殺し、失踪した。
多治見要蔵が発狂したのは、多治見家に対する尼子義孝ら8人の落ち武者の呪い・怨念が原因と考えられる。幼い子供や老婆も容赦なく殺す「多治見要蔵の村人32人殺し」は、映画史に残るあまりにも残虐なトラウマシーンとなった。
八つ墓村の殺戮シーン集
尼子義孝ら8人の落ち武者の惨殺シーン / 「八つ墓村」の命名の由来となる欲にくらんだ残忍すぎる残虐事件
戦国時代の1566年、毛利に敗れた尼子義孝という武将が、同胞と共に8人で今の八つ墓村の地に落ち延び、村外れに住みついた。しかし落ち武者たちは、毛利からの褒賞に目の眩んだ村人たちの欺し討ちに合って惨殺される。落ち武者たちは「この恨みは末代まで祟ってやる」と呪詛を吐きながら死んでいった。
特に大将の尼子義孝(演:夏八木勲)の抵抗は凄まじく、二本の竹槍を体に刺されながらも、喉を貫いた竹槍を自らで引き抜き、「おのれ…卑怯な。騙し討ちを…祟って…祟ってやる…」と呪詛を吐きながら死んでいった。
『羊たちの沈黙』 / 1990年代のサイコサスペンスブームを牽引した
『羊たちの沈黙』(The Silence of the Lambs)は、1991年公開のアメリカ映画。監督はジョナサン・デミ。原作はトマス・ハリスの同名小説。主演はジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス。第64回アカデミー賞で主要5部門を受賞。アカデミー賞の主要5部門すべてを独占したのは『或る夜の出来事』、『カッコーの巣の上で』に次いで3作目である。
若い女性を殺害しその皮を剥ぐという猟奇的な殺人事件が続発。捜査に行きづまったFBIは、元精神科医の殺人鬼ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)に示唆を受けようとする。
連続殺人事件を追う女性FBI訓練生「クラリス・スターリング」(ジョディ・フォスター)と、彼女にアドバイスを与える猟奇殺人犯で元精神科医「ハンニバル・レクター」(アンソニー・ホプキンス)との奇妙な交流を描く。物語の主役である精神科医のレクター博士はアンソニー・ホプキンスが演じ、アカデミー主演男優賞を受賞した。続編である『ハンニバル』でもホプキンスがレクターを演じている。腹を裂かれ、内臓を晒して磔にされたボイル警部補の無残な姿。レクターは、連続誘拐殺人犯バッファロー・ビルに娘を誘拐されたマーティン上院議員への情報提供の見返りとして条件の良い特殊監房に移ったが、2人の看守を殺害して逃亡。
「羊たちの沈黙」(91年)の続編『ハンニバル』 / ポール・クレンドラーの映画史に残る猟奇的な殺され方。自身の脳を、美味そうに食べる。
まだ意識が朦朧としているFBI特別捜査官クラリスは、ハンニバル・レクター博士が生きた人間の脳味噌を料理しているのを目にして驚愕する。
『ハンニバル』(Hannibal)は2001年のアメリカ・イギリス・イタリア合作映画。猟奇的なシーンが多く、日本公開時はR-15指定された。医学博士の肩書きを持つ連続猟奇殺人鬼とFBI捜査官の女性の宿命的な対決を描く、大ヒット・スリラー「羊たちの沈黙」(91年)の続編。
ハンニバル・レクターは司法省のポール・クレンドラー(レイ・リオッタ)の頭蓋骨を切り開き、切り取った彼の脳を見事な手際で調理した。与えられた自身の脳を、正気を失ったクレンドラーは美味そうに食べるのだった。
メイスン・ヴァージャー(Mason Verger)の壮絶な最期 / 猪に生きたまま食べられ死亡
政財界に絶大な影響力をもつボルティモアの大富豪メイスン・ヴァージャーは、自分の主治医であるコーデル・ドームリング医師がレクターに唆され、車椅子ごと豚舎に落とされ、自ら創りだした猪に生きたまま食べられ死亡する。
原形をとどめていないほど酷い見た目になってしまったメイスン・ヴァージャーは、自分の主治医に裏切られ、車椅子ごと豚舎に落とされ、猪に生きたまま食べられる。
『ソウ』シリーズ / 世界を席巻したソリッド・シチュエーション・スリラーの最高峰
『ソウ』 (SAW) は、2004年に公開されたアメリカ合衆国のサイコスリラー映画。ソウシリーズの1作目。衝撃のラスト、後味の悪いバッドエンド映画としても有名。
猟奇殺人鬼ジグソウによって密室に閉じ込められ、ゲームを強要させられた2人の男性を主軸に話が展開する。残酷なシーンが多いため、日本ではR15+指定。
3分でわかる!シリーズ7作ソウ集編/映画『ジグソウ:ソウ・レガシー』シリーズ“ソウ”集編映像
逃げ場のない究極の状況設定、恐ろしくも哲学的な“連続ゲーム殺人”、そして仰天のクライマックス…。今までのエンタテイメント映画の概念を覆す映画史に残る【ソリッド・シチュエーション・スリラー】の最高峰、『ソウ』。
2004年1月サンダンス映画祭で上演された1本の映画。究極の状況設定=【ソリッド・シチュエーション】、被害者に仕掛けられる戦慄のゲーム、それらすべてを飲み込む驚愕のクライマックスで常に観客を恐怖と興奮の境地へと連れて行く、スリラー映画史の金字塔としてその名を刻んだ『ソウ』シリーズ。
老朽化したバスルーム内で片足を鎖で拘束された2人が脱出できるかのゲーム / ゲームの被験者:ローレンス・ゴードン、アダム・フォークナー…医師のローレンス・ゴードンが足を切って脱出成功(生死は7作目で明らかになる)。アダムは監禁される(後に、アマンダに窒息死させられる)。
老朽化したバスルーム内で目覚めた対角線上にいる2人の男、外科医のローレンス・ゴードンとアダム・フォークナー。それぞれの足首に鎖がはめられている。
アダムは水の張られた浴槽の中にいた(実は、鎖の鍵はここにあったのだが…)。栓が抜けて水が抜けていくのと同時に目覚めたアダムは、自身が酷く老朽化した手広いバスルームにいることに気づく。アダムの片足は鎖で繋がれ、部屋の対角線には同じように鎖で繋がれた男、ゴードンがいた。そして部屋の中央には拳銃自殺の遺体が倒れていた。鎖はとても外れそうになく、出入り口は硬く閉ざされていた。
医師のゴードンは「6時までにアダムを殺す」こと、写真屋のアダムは「自分の死を見るか、逃げ出すか」がゲームクリア条件。
アダムのテープの内容:「おはよう、アダム。ここが分からないだろう。教えてやる。この地下室でお前は死ぬ。お前はいつも物陰に身を潜め他人の生活を覗いている。だが”覗き屋”は鏡の中に何を見るか?私に言わせれば、今のお前の姿は怒りと恐怖が混じり、ひたすら哀れだ。お前は今日、自分の死を見るか、上手く逃げ出すか…」
ゴードンのテープの内容:「ゴードン先生。目が覚めたようだな。毎日あんたは病院で患者に向かって死を宣告している。だが今日のあんたは”死因”そのもの。あんたの目的はアダムの殺害。時間は6時まで。そこに倒れている男は血液中に毒が回って耐えられず、頭を撃って死んだ。ゲームに勝つ方法は方々に隠されている。覚えておけ。Xは宝物が眠る場所を示す印だ。6時までにアダムを殺さないと、アリソンとダイアナが死ぬ。ゴードン先生、そしてあんたもここで朽ち果てる。ではゲーム開始だ。」
『ソウ』シリーズ一番人気の拷問器具「逆トラバサミ」(正式名称:ヘッドギア・トラップ)…顎に仕掛けられた逆トラバサミを解除できるかのゲーム / ゲームの被験者:アマンダ・ヤングはゲームに成功し生存。
「逆トラバサミ」とは、トラバサミの逆の動きで人間の顎を引き裂く恐ろしすぎる処刑装置。正式名称は「ヘッドギア・トラップ」。過去シリーズで全7回登場しており、これは他の処刑装置に比べて最多。
アマンダのビデオの内容:「やあアマンダ。私は君の事を知っている。ゲームをしよう。負けると恐ろしい。君の頭の装置は上下の顎につないである。タイマーが切れると君の顎は裂かれ、砕け散る。トラバサミと逆の原理だ。試しにやってみよう(破壊される模型)。装置を外すカギは1つ。死体の胃袋の中にある。見回してみろ、ウソではない。急ぎたまえ。生きるか死ぬかの選択は君次第だ。
逆トラバサミの側面にはタイマーと鍵穴が存在し、被験者は仕掛けが発動する前にジグソウが隠した鍵を探して装置を外さなくてはならない。
頭に取り付けられた逆トラバサミを外すため、アマンダは麻酔で身動きが取れない男性の腹部から鍵を取り出し、なんとかゲームから生還する。
アマンダは、男の腹をナイフで何度も刺し、血まみれになりながらも鍵を取り出すことができた。
逆トラバサミの側面の鍵穴に手に入れた鍵をさすことができたアマンダ。逆トラバサミヘッドギアを外すことができた。
アマンダ・ヤングは逆トラバサミヘッドギアのゲームから生き延びた。
衝撃のラスト!どんでん返しな展開。ジグソウの正体…部屋の中央の自殺死体が「ジグソウ」張本人であった。
アダムは、部屋の中央の死体が突如として起き上がるのを目撃する。
自殺死体だと思われた男こそ、「ジグソウ」張本人であった。
実は二人のゲームの行われるバスルームの中央に横たわった死体こそがジョンであり、彼ら二人のゲームを最も近くで見ていたことが発覚。ジグソウはゲームを最前列で観る(伏線)…。
アダムはゼップの銃でジグソウを撃とうとするが、リモコン操作によって鎖へ電流を流され身動きが取れなくなってしまう。
「鎖の鍵はバスタブの中だ」というジグソウの言葉を聞くが、アダムは自分が目覚めた時点で鍵は水とともに流れてしまい、脱出の可能性がほぼ絶たれていたことに気づく。
ジグソウは部屋の照明を落とし、「ゲームオーバー」という言葉を残した後、出入口を閉ざした。
ひとり暗闇に残されたアダムは慟哭した。
続編『ソウ2』の終盤に、アダムとゴードンが監禁されていたこのバスルームの現場が再び登場するが、そこにミイラ化したアダムとゼップの死体があった。
またゴードン医師の生死は、7作目で明らかになる。
ソウ (2004年) – ソウ2 (2005年) – ソウ3 (2006年) – ソウ4 (2007年) – ソウ5 (2008年) – ソウ6 (2009年) – ソウ ザ・ファイナル 3D (2010年) – ジグソウ:ソウ・レガシー (2017年)
ジョージ・A・ロメロ監督「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生」(1968年) / ゾンビ映画の始まりにして金字塔。
ゾンビになってしまうと(ゾンビに噛まれる)家族や恋人でさえ殺してしまう「伝染性」を備えたことで、主人公やヒロインたち登場人物がサバイバルすることに緊張感と緊迫感が生まれた。最後まで次は誰がゾンビにされてしまうのかハラハラドキドキ。
本作のアイコン的な存在として人気のゾンビガールである「カレン・クーパー」は、可憐な美少女であったが、ゾンビ化すると恐ろしい残酷性・攻撃性を見せつけた。
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(原題: Night of the Living Dead )は、ジョージ・A・ロメロ監督による1968年公開のアメリカのホラー映画である。本作は、近年のゾンビ映画やアニメや漫画、ゲームにテレビドラマなどあらゆるゾンビ物に強い影響を与えた。この映画から、モダン・ゾンビ映画の歴史は始まった。
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4Kリマスター版』予告編
日本においては、長らく劇場未公開であったが、2022年6月に4Kリマスター版が劇場公開された。
父の墓参りにやってきたバーバラと兄のジョニーに、突然よみがえった死体が襲い掛かる。ジョニーは抵抗するも殺害され、バーバラは恐怖と悲しみに襲われながら近くの民家に逃げ込む。彼女に続けて飛び込んできたのは、黒人青年のベン。地下室には、若いカップルのトムとジュディ、クーパー夫妻と大きな傷を負った娘のカレンが隠れていた。外部との連絡も取れないまま、民家はゾンビの群れに取り囲まれていく。ベンはゾンビの侵入を食いとめながら脱出の方法を探るが、クーパー夫妻の夫ハリーは救助が来るまで地下室に隠れていることに強くこだわり、対立を深める。容赦なく押し寄せてくるゾンビの群れ。彼らは生き延びることができるのか……?
ゾンビの行動原理は「生きている人間を追い求めて襲う」ことであり、その肉を喰らうという「カニバリズム」的な特性も「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」によって浸透していった。より一層強烈な残酷描写(人体破壊描写)が可能になった。「一度死んでいるので動きが鈍い」「火を恐れる」「頭部を破壊すると動きを停止する」といったゾンビの新しい特徴が加味され、従来のゾンビ像から刷新された。
バリケードの音に引き寄せられる死者たち…70年代の終末感を体現したゾンビ映画。人類とゾンビの戦い、終末的な世界観。
衝撃のラスト…ゾンビによって殺されるのではなく、人間によって撃ち殺された主人公のベン。救いのない無常感の漂うラスト。
夜明けと共に「死者」を制圧していくゾンビ制圧部隊の保安官たち。嫌な予感…。
主人公のベンは、ロメロ映画には頻出の強くて賢い黒人男性の元祖であり、リメイク版のベンは勿論、後続作の『ゾンビ』(1979年)のSWAT隊員ピーター・ワシントンやジョン、映画「ランド・オブ・ザ・デッド」に登場するゾンビ「ビッグ・ダディ」にもその役割は受け継がれることになる。
なんと最後の生き残りであった主人公のベンは、ゾンビ制圧部隊の保安官にゾンビと誤解され撃ち殺されてしまう…衝撃的な結末に。
主人公のベンは、唯一生き残っていたのだが、ゾンビ制圧部隊の保安官にゾンビと誤解され撃ち殺された。
主人公のベンは唯一生き残っていたのだが、夜明けと共に「死者」を制圧していく保安官たちによって、ゾンビと勘違いされた主人公は射殺されてしまう救いようのないラスト。保安官と民兵たちは、ゾンビになったものを強制排除する。まるで魔女狩り的なテイストのラスト。
ゾンビによってではなく、人間によって撃ち殺されたベンはゾンビたちと一緒に火葬されてしまう…あまりにも無残な主人公の最期。なんとも哀しいバッドエンド。
ゾンビ映画の金字塔「ゾンビ」(1978年)
全米各地で突如死体がよみがえり、生者を次々と襲い始めてから3週間。生ける死体「ゾンビ」に噛まれて死んだ者たちもゾンビ化して急速に数を増やし、社会に混乱が広がっていた。
『ゾンビ』(原題: Dawn of the Dead, 国際題: Zombie)は、1978年9月にイタリアで公開されたジョージ・A・ロメロ監督のホラー映画。日本では1979年3月に公開された。巨大なショッピングモールを舞台に、人間対ゾンビの死闘を描いた。ロメロ監督の「ゾンビ」には、以降のモダン・ゾンビ映画の基本・雛形となる残酷描写の数々がお手本のように配されている。ゾンビが人間を襲い噛みつき食い殺す、内臓やバラバラになった手足を食べるグロテスクなカニバリズム描写、ショットガンでゾンビの頭部を次々と破壊するなど人間側もゾンビに反撃する大殺戮が描かれた。
人気ゾンビの代表格は、頭かちわりゾンビ、マチューテゾンビ。大人気になったナタ(マチューテ)で頭を割られるゾンビ役のレナード・ライズは、アメリカで開催されているホラー映画コンベンションの常連。
「ゾンビ」 劇場予告編。懐かしい1979年の日本の当時の貴重な劇場予告。
カニバリズムという特徴を備え過激な人体破壊描写で見どころや見せ場を作りやすいゾンビは、80年代スプラッターブームの理想とする怪物像であった。「ゾンビ」(1978年)の大ヒットによって、殺人鬼ホラーであるスラッシャー映画同様に、ゾンビ映画が80年代に大量に生産されることになる。
映画「ゾンビ-日本初公開復元版-」本予告|2019/11/29(金)公開
「ゾンビ-日本初公開復元版-」のストーリー
惑星から降り注いだ光線によって地球上の死者が“ゾンビ”として復活。その群れは生者に襲いかかり、噛みつかれた者もまたゾンビへと変貌する。生ける屍たちは瞬く間に世界を覆いつくした。テレビ局員のフラン(ゲイラン・ロス)と彼女の恋人でヘリコプター・パイロットのスティーヴン(デヴィッド・エムゲ)、そしてSWAT隊員のロジャー(スコット・H・ライニガー)とピーター(ケン・フォーリー)はヘリで脱出し、郊外の巨大ショッピングモールにたどり着く。彼らはモール内のゾンビを排除し、何不自由の無い楽園を手に入れた。だが彼らの前に物資を狙う暴走族の一団が現れ、扉をこじ開け乱入してきた。ゾンビ、暴走族、フランたちの三つ巴の殺戮戦がはじまり、血しぶきが壁を染め、肉塊が床を埋めつくす。夜明けとともに生き残るのは果たして……。


かつては、仲間であった、人間であった者を撃たなければいけないピーターの苦渋に満ちた顔・・・
冒頭の惑星爆発:ゾンビ発生が惑星イオスの爆発による光線という設定で追加。
説明テロップ:タイプライターで打った英文により死者が復活した理由を説明。
ホラー映画の金字塔『ゾンビ』には“幻のバージョン”があった!
日本公開から40周年──「米国劇場公開版」「ダリオ・アルジェント監修版」
「ディレクターズカット版」とも異なる「第4のバージョン」=日本劇場初公開版がついに蘇る!
それは惑星の爆発と共に始まり、エンディングは唐突にブチ切れた。
90年代以降は劇場で上映されることがなかったばかりか、過去に一度もソフト化されたことがない、文字通り“幻のバージョン”である「日本初公開版」。今回、海外の権利元との粘り強い交渉により、その復刻・再現の許諾を特別に得ることができた。
公式サイト:https://www.zombie-40th.com/
『ゾンビ』(1978年 アメリカ・イタリア合作 / 監督 ジョージ・A・ロメロ / 出演 デイヴィッド・エムゲ、ケン・フォリー、スコット・H・ライニガー / 音楽 ゴブリン)のサウンドトラック盤。
バイオハザードシリーズ
21世紀になるとゾンビ映画がホラー映画の主流となる。中でも世界的に大ヒットしたのは、『バイオハザード』。ウィルス感染したアンデッド(=ゾンビ)と戦うゾンビ・ウィルス・パンデミック・ホラーアクション映画。ゾンビ映画シリーズとしても最高の興行収入を記録しており、2017年時点ではホラー映画シリーズとして最高の興行収入を記録していた。
『バイオハザード』 (Resident Evil) は、2002年公開のアメリカ・イギリスの合作映画。日本のゲームメーカーであるカプコンのゲームソフト『バイオハザード』を原案とした、サバイバルアクションホラー映画である。
ミラ・ジョヴォヴィッチが演じる美貌のヒロインのアリスのサバイバル・アクション
ラクーンシティ郊外の洋館のシャワールームでアリス・アバーナシー(演:ミラ・ジョヴォヴィッチ)は目覚めた。記憶喪失に陥ったアリスは館内をさまよい、突然謎の男性マットに抑え込まれ、次いで突入してきたアンブレラの特殊部隊に拘束される。
アリス・アバーナシー(Alice Abernathy)は、カプコンの実写映画『バイオハザード』シリーズの主人公。T-ウィルスの開発者の娘であるアリシア・マーカスのクローン(そのため幼少期の記憶がない)。アリス・アバーナシーは偽名であり、本名はジェイナス・プロスペロー (Janus Prospero) 。元アンブレラ社特殊部隊員であり、当時から高い戦闘能力を持っていた。
仲間のゾンビ化、ゾンビに変異した恐ろしい姿。
J.D.サリナス(J.D.)は、物語中盤、解除に手間取ったカプランに代わってロックされたドアを解除するも、奥に閉じ込められていた大勢のゾンビに襲われ死亡。後にゾンビ化してレインに襲い掛かるが、レインにより射殺される。
レイン・オカンポ(Rain)は、アンブレラ社特殊部隊女性隊員。アリスとは戦友の様な絆で結ばれていく。劇中中盤でT-ウイルスに感染する。その後もアリスらと行動を共にし、抗ウィルス剤を投与されるも間に合わずゾンビ化し、マットの手で射殺される。
映画版『バイオハザード』 / トラウマとして有名な「レーザートラップ」によって切り刻まれる凄惨なシーン
『バイオハザード』 (Resident Evil) は、2002年公開のアメリカ・イギリスの合作映画。日本のゲームメーカーであるカプコンのゲームソフト『バイオハザード』を原案とした、サバイバルアクションホラー映画である。2000年代のホラー系ヒロイン・アクション映画の代表格。
レーザートラップとは、映画版「バイオハザード」に登場する警備システムのこと。みんなのトラウマとして語り草になっている。
レーザートラップによって特殊部隊が全滅する。唯一生き残った隊長は3回目のトラップに挑むも、3回目はなんと逃げ場のない網目状のレーザーでそのままその隊長の体は細切れになってしまう…(通称、サイコロステーキ)。この場面は仲間や多くの視聴者に衝撃を与え、心にトラウマを植えつけた。
元来ゾンビ映画は、カニバリズム描写などの残虐なスプラッター描写が満載になるところを、『バイオハザード』に関しては、残酷描写を極力抑えめにして(際立った残酷描写は「レーザー・トラップ」など)、ゲームのようなスピーディーな展開にして、美貌のヒロインのアリスのサバイバル・アクションとしての比重を高くしている。
衝撃のラスト…目覚めたアリスは研究施設から脱出したが…。ゾンビ映画らしい終末的な救いのないラスト。次作に続く。
アリスは、マットと共にハイブを抜け出すことに成功する。そのままアンブレラ社が行っていた悪事を公表しようとするが、マットと共にハズマットスーツ姿の研究員に捕らえられた。何らかの処置を施された後、ハイブの地上であるラクーン市の病院兼研究施設の一室で目覚る。
鏡に映っている見えそうで見えないアリスのセクシーな姿。
アリスは、ラクーンシティ病院・研究施設から脱出したが、外に広がる光景は、絶望そのものだった。街はすでに滅んでいた…。
ウイルスによる汚染が街にまで蔓延し人々は次々と感染してゾンビ化、街中で人を襲い始めて、連鎖的にアンデッドたちが溢れ出し、壊滅状態になった。
アンブレラ社のハイブで発生したバイオハザードの影響がすでにラクーンシティに波及し、街全体が廃墟と化していたラクーンシティ…。
本編
バイオハザード – バイオハザード2(RE:2) – バイオハザード3 – CODE:Veronica – バイオハザード0 – バイオハザード4 – バイオハザード5 – バイオハザード6 – バイオハザード7