『地獄先生ぬ〜べ〜』はトラウマの宝庫。妖怪や悪霊を退治する学園コメディーアクションの『地獄先生ぬ〜べ〜』に登場した数多くの妖怪・悪魔・鬼・神・霊の中から、視聴者にトラウマを植え付けたグロテスクで恐ろしい妖怪とトラウマ回(トラウマシーン・ストーリー)を厳選したまとめ。生々しい存在感の妖怪、死体や虫などのグロテスクな表現も。
『次元妖怪・まくらがえし』 / 分岐した未来の一つとはいえ、「ぬ~べ~」が廃人になっているシーンはトラウマに。
次元妖怪・まくらがえしの巻
『地獄先生ぬ〜べ〜』は、原作:真倉翔・作画:岡野剛による漫画作品、およびそれを原作とした各種作品群。略称は「ぬ〜べ〜」。集英社『週刊少年ジャンプ』にて1993年38号-1999年24号まで連載された。
「鬼の手」を持つ霊能小学校教師の「ぬ〜べ〜」こと鵺野鳴介(ぬえの めいすけ)が児童を守る為に、妖怪や悪霊を退治する学園コメディーアクション。
まくらがえしは、眠っている人の枕を裏返し、その人物の魂をパラレルワールドへと飛ばす。飛ばされた人物が困惑するさまを見て楽しむ妖怪。
作中では稲葉 郷子(いなば きょうこ)の魂を26歳頃に飛ばした。郷子はいきなりOLになっており、戸惑いながらも生活に溶け込もうとする。この未来では立野 広(たての ひろし)は細川 美樹(ほそかわ みき)と結婚しており、ぬ~べ~は妖怪との戦いでほぼ全身がマヒした状態になっていた。ぬ~べ~は郷子がまくらがえしの力でこの未来に来てしまったと語り、「この世界は数ある未来の一つ」だと言って鬼の手で郷子を元の世界に戻した。
稲葉 郷子(いなば きょうこ)の魂は、パラレルワールドのぬーべーが廃人状態になった世界に飛ばされた。小学校からOLになるまでの記憶は確かにあるが、どうしてもこの世界が自分の世界だとは思えずに苦悩する郷子。
第137話「次元妖怪・まくらがえし」で郷子がまくらがえしによって精神を送り込まれた、パラレルワールドの未来に存在するぬ〜べ〜は、悪霊の除霊に失敗して重傷を負ったために会話もほとんどできなくなり、車椅子に座って点滴を受けながらリツコ先生に介護されるなど、ほぼ廃人と化している。
その未来では美樹と広が結婚しており、ぬ~べ~は悪霊の除霊に失敗して全身の殆どをマヒした状態であった。
ぬ~べ~が廃人になっている世界は現実ではないと泣き叫ぶ響子。
「ち…違うよ ちがうよ!!こんなの現実じゃないよ!」
郷子の目から、何度目かの涙が溢れる。
ぬ~べ~は郷子がまくらがえしの力でこの未来に来てしまったと真実を語り、「この世界は数ある未来の一つ」だと言って鬼の手で郷子を元の世界に戻した。
『霊媒師いずな』において、白虎からの傷の呪いで廃人となったぬ~べ~。
白虎に受けた傷には強い呪いがかかっており、3年後にその呪いが発動し、ぬ~べ~が廃人に。
『霊媒師いずな』は、『地獄先生ぬ〜べ〜』で中学生だった霊媒師イタコ少女・葉月いずなが高校生となった現代で、迷える人々の霊や妖怪に関する悩みや事件を解決していく物語。『霊媒師いずな』に登場する鵺野 鳴介(ぬえの めいすけ)は、葉月 いずな(はづき いずな)と初めて出会った年に彼女達が引き起こしてしまった白虎事件で負った傷により、3年後に発症した呪いで重傷を伴う後遺症を患い、会話もほとんどできなくなり車椅子に乗って点滴を受けながら、かつての同僚にして想い人だったリツコ先生に介護されている。後に妖怪チャブクロの力で過去改変に成功したいずなの努力で、過去の事件自体がなくなり助かっている事が判明し、本編終盤の展開通り九州の小学校に転勤した。
『てけてけ』 / 上半身だけしかない不気味な少女の霊。肘をつかってものすごい勢いで追いかけてくる。初期の漫画『地獄先生ぬ~べ~』を代表するトラウマエピソードのひとつ。衝撃のラスト。
てけてけの怪の巻
てけてけは、中学生の少女の霊。電車に轢かれ、体を上半身と下半身に真っ二つにされて死んだため、上半身だけで現れる。その悲惨な死に方ゆえに怪談話が広まり、彼女を怖れる人々の念によって現世に縛り付けられ成仏できずにいる。
まことの前に姿を現したが、ぬ〜べ〜に真意を伝えられたまことが早く成仏出来るようにと祈ったため和解。
衝撃のラストは今でも語り草になっている。「てけてけを追い払う呪文」をネタに児童から金を巻き上げていた不良高校生の前に現れ、身勝手な噂を撒き散らされたことに対する怒りと恨みから両足を引きちぎり、どこかへと去って行った。
『赤いチャンチャンコ』 / ファンからは「メリーさん」や「テケテケ」「ブキミちゃん」と並び、読者アンケートでも一位に選ばれた最恐のエピソードとして知られる。
ぬーべーの怖い見開き画像。赤いチャンチャンコの巻。
見開きドアップの悪霊の「赤いチャンチャンコ」のページを開いた途端にビックリ仰天してページを閉じてしまった子供たちは多い。みんなのトラウマ。
赤いちゃんちゃんこは、30年前に自殺した女子児童の悪霊。
転校続きに加えて内気だった為にいじめられ、それを苦にしてカッターで自らの首を切り裂いて自殺した後に悪霊となった。
いじめられた怨みを晴らすために日本各地の小学校を徘徊しては生徒を無差別に襲っており、「『赤いちゃんちゃんこ着せましょか』の問いに答えると殺される」という七不思議として全国で知られるようになった。そして童守小学校にやってきた際、彼女を長期間の除霊で成仏させようと試みたぬ~べ~の手であかずの間の奥に封じられていた。郷子の喉元に爪をつき立て、その肉をむしろうとしている。郷子の体操着は引き裂かれ、まるで赤いチャンチャンコのように自らの血に染まっていく…。
結解を破られたため再び表に出てきてしまい、問いに答えた郷子を殺そうと付け狙ったが、万が一のためぬ~べ~が郷子に教えておいた呪術的歩行術「禹歩」の力によって退散する。その後、学校の隅でうずくまっていたところをぬ~べ~に見つけられ、再び開かずの間に封印された。
ブキミちゃん / あまりの恐怖に、今でもトラウマになっている人が多い。
醜悪な容姿をした女子児童の悪霊のブキミちゃんは、噂話を聞いた人の夢の中に現れてハーモニカ探しゲームを強要し、道順を間違えた人間の魂を奪い夢の世界に引きずり込んで殺してしまう。
ブキミちゃんは、「地獄先生ぬ~べ~で一番のトラウマは?」という話題になるとしばしば挙げられる存在。
ブキミちゃんは、縮れた髪に醜悪な小鬼のような顔をした女子児童の悪霊。生前はクラスメイトの持ち物を隠して喜ぶ意地悪な性格だったと噂されている。交通事故で死んだ際に大切なハーモニカを無くしたことで悪霊となり、クラスメイトの夢の中で複雑な迷路のゴール地点にある排水口の中にあるハーモニカを見つけさせるゲームを強要し、道順を間違えた罰として魂を抜き取って殺してしまったという。その噂を聞いた人の夢の中に現れ、同様の手口で恐怖に引きずり込む。
美樹が噂話をクラスメートに聞かせたことで学校中に広まってしまい、道順を間違えた広の魂を抜き取ろうとする…。気を失った広の夢に、さっそくブキミちゃんが訪れた。ブキミちゃんは恐ろしい形相で道順を間違えた広を捕え、その身を引き裂く!うなされる広を郷子が揺さぶるが目を覚まさない。絶体絶命の広。
現実の事故現場を夢のゲームの通りにたどり血のついたハーモニカを見つけたぬ〜べ〜の手により、怨念を除霊されて、すんでのところで強制成仏させられた。
『メリーさん』 / 『ぬ~べ~』屈指のトラウマエピソード
メリーさんの巻(前編・後編)「この霊は…除霊できない!」
メリーさんは、強力な霊能力を持つ女子児童の霊。生前の強い霊力を残したまま悪霊化したサイコゴーストであり、霊となったことで相乗的に倍加した強力な霊力ゆえに経文も一切通用せず、除霊を頼まれた霊能師はことごとく殺されたという。また、幻覚を見せたり、ポルターガイストのように物を浮かせてぶつけることも出来る。
法子を襲ったメリーさんはサイコゴーストであった。生前から霊力の強かった者は死んで霊になると、もの凄い力をもち、その凄さはぬ~べ~の霊力でも跳ね返されるほど。
童守小に現れ法子を標的とし、その強力な霊能力と、悲惨な境遇故に対峙したぬ~べ~を苦悩させ、最終的に除霊を断念し、鬼の手を通じて法子の身代わりを申し出てきたぬ~べ~が自分と同じ境遇にあったことを知って、涙ながらに心を開き、その後ぬ~べ~の経文を受け入れ消えていったものの、成仏できたかは不明のままであった。
「左足さがせなかったの~~…」
側溝からおぞましい表情のメリーさんが法子の右足をつかんだ。
─ メリーさんは全身真っ白な女の子だ。そして手足のない人形を持っている ─
法子の目撃した少女は、まさにこの言い伝えに符合していた。突然、メリーさんの周囲の下駄箱から上履きが落ちた。メリーさんは中に浮かんだかと思うと高速で法子に近づいてくる。その顔は傷だらけで、目には不気味な光をたたえている。そして、これまた不気味な手足のない人形を法子に示した。メリーさんはどアップで法子に近づくと、「…私のお人形…手足が…ないの…かえして…手足をかえして!!」
法子は四肢を引きちぎられ、絶叫した。これを聞いてぬ~べ~やクラスメイトが駆けつけてきた。法子は気を失い、周りには上履きが散乱している。声をかけられて目を覚ました法子にはちゃんと手足がついている。さっきのは幻覚だったのだろうか?
しかし、自分の右手に握られているものを見て法子はショックを受けた。それは、紛れもなく先ほどの手足のない人形だった。生前、並外れた霊能力を発揮していたために気味悪がった級友たちに化け物扱いされて酷薄ないじめにあい、大切な人形をバラバラにされて隠されたことが決定打となって自殺、悪霊と化してしまい、それ以来、毎年自殺した月になると全国の小学校に出没し、標的にした子供に手足が欠けた人形を渡して1週間以内になくなった部位すべてを見つけるように命じ、達成できなかった場合は標的にした子供の体からその部分を引き裂いて人形に着けるようになった。
もっとも、端から相手の殺害を目的としているらしく、容易に目的を達成させないよう妨害霊波を出して霊能力による探索を妨害するなどの狡猾な一面も持つ。
百々目鬼 / 篠崎愛の全身に不気味な目玉が浮き出るグロ描写がトラウマに。
篠崎愛は、後ろめたさが原因で、罪を犯した者の肉体に表出する妖怪「百々目鬼」が憑いてしまい、体に不気味な目玉が浮き出るようになった。
篠崎愛の初登場は『百々目鬼の巻』。周囲から「お嬢様」「才女」等と特別扱いされるのが嫌になっていたある日、ほんの出来心でつい万引きをしてしまい、それがきっかけで「自分も悪い事をする普通の人間だ」と実感し万引きを繰り返すようになる。
しかしその行為に対する後ろめたさが原因で、罪を犯した者の肉体に表出する妖怪「百々目鬼」が憑いてしまい、体に不気味な目玉が浮き出るようになった。
百々目鬼は首から下の全身に広がっている。このままではいずれ脳まで支配されて妖怪と化すだろう。鬼の手で潰してと懇願する愛だが、そんなことをすれば傷が残ってしまう。それよりも原因を話すようにぬ~べ~が促す。とうとう全身に目玉が浮き出てしまい、ぬ~べ~に助けを求め、万引きの常習犯だと素直に白状した事で、全身の目玉は全て消えた。
『人面疽』 / 左半身を人面疽により支配されてしまったぬ~べ~の姿はトラウマシーンとして名高い。
女の子の霊体から人面疽を切り離すも、今度は油断したぬ~べ~に人面疽が憑いてしまう…。左半身を人面疽により支配されてしまったぬ~べ~の姿はトラウマシーンとして名高い。
人面疽(じんめんそ)は、人間の幽体に寄生する悪霊。寄生された人間の肉体の一部には人面疽の顔が浮き上がり時間と共に浸食され激しく衰弱していく。本体は無数の触手を生やした顔面。幽体と融合していて手術で除去してもすぐに再生するため、幽体離脱時に本体を切り離さなければならないが、取り除かれても即座にまた別の対象に寄生しようとする。
ぬ~べ~によって寄生した少女から切り離された直後に、隙をつい彼の左半身に取り付く。鬼の手を使用不能に追い込んでじわじわと右半身まで痺れさせ追い詰めていたが、はたもんばの妖刀を利用して広たちに切り離された後、ぬ~べ~の鬼の手で倒された。
『人食いモナリザ』 / 『ぬ~べ~』の話の中でもかなり怖い話とされ、トラウマになったという人もいる。
人食いモナリザ
人食いモナリザは、人型故に魂が宿った名画の画霊。自身は目を動かしたりする程度で悪さはしていなかったが、同じタイミングで飼育小屋のウサギが変質者に殺されたことで「人食いモナリザ」の噂が立ち、画霊に影響が出て動き出すようになってしまった。ぬ〜べ〜は彼女のストレスを解消させるために観音経を唱えて絵から出し、毎晩死んだ魚を食べさせていたが、絵に戻る際に絵の向きを間違えるのが癖になっているため、落ち着くまで封印されることになった。
人気漫画『進撃の巨人』に登場する巨人のモデルは、この『人食いモナリザ』だと言う。
作者の諌山創氏は、インタビューで巨人のモデルについての質問に答えている。
「『地獄先生ぬ~べ~』の「人食いモナリザ」です。
絵から巨大なモナリザの顔が出てきて人を食べるという話なのですが、それが僕にとっての「巨人」でした。
そのことに気付いたのは、連載開始から3~4年経ってからで、
「巨人はこういうふうに描けばいい」という手本がなぜ自分の中にあるのだろうと思っていたら、「人食いモナリザ」だったわけです。
あのトラウマがなかったら、巨人のコンセプトは生まれなかったかもしれません」
ちなみに、諌山氏も人食いモナリザがトラウマになり、夜中にトイレに行けなくなったという。
『寄生虫』 / キモすぎるグロテスクなトラウマキャラ
寄生虫が立野 広(たての ひろし)の口から出てくるところは屈指のトラウマシーン。広の口から出てきたのは、今までに見たこともないようなおぞましい外見をした蟲だった。
寄生虫は、妖怪でも異生物でもない、ごく普通の虫。童守小学校の郷土資料室にあった乾燥食に幼虫が入っており、それを食べた広の消化器官に寄生して成虫となった。サナダムシやエキノコックスに酷似した生態で、アゲハチョウの幼虫に似た頭部と産卵管が無数にあり産卵管を使って卵を産み繁殖する。
広は口を押さえて席を立つ。そして、遂に吐き出してしまった…。広の口から吐き出されたのは嘔吐物ではなく、巨大な青虫のような生き物だった。この虫は広の給食にその体を伸ばし、ガツガツと貪り食っている。しばし呆気にとられていたぬ~べ~が我に返ってこれを掴むと、途中で千切れて残りは広の体内に戻ってしまった。化学肥料や虫を殺す薬品のなかった時代には、現代では考えられないような奇怪な寄生虫が存在した。江戸時代、奥州南部に住む男は病に苦しみ、おたまじゃくしに似た二本足の生き物をゲロリと吐き出した。また、津軽藩士の男は胸を患い、3cm程の蝉のような虫を6匹も吐いたという。
病室で眠る広の体内から寄生虫が外に出てきて大量に卵を生み出した。ベッドの上は卵だらけだ。見舞いに来た郷子とぬ~べ~が病室に入ると、卵が孵化して無数の幼虫が広を覆い尽くしていた。ぬ~べ~達は大慌てでこれを払うのだった。
寄生虫は、広の消化器官全体を占拠するほど巨大化しており、広の体を突き破って体外に出ようとした。
寄生虫の凶悪な性質と凄まじい繁殖力。
広の消化器官全体を占拠するほど巨大化しており、広の体を突き破って体外に出ようとしたが、ぬ〜べ〜の鬼の手と美奈子のヒーリングの合体技で広の体から弾き出される。それでもなお郷子たちに向かっていったが、ぬ〜べ〜の蹴りで机と壁の間に挟み潰され、更に郷子の蹴りで追撃されて絶命。戦闘力は弱いが体内に一度寄生されてしまうと現代医術でも手の施しようがなく、その凶悪な性質と凄まじい繁殖力はぬ〜べ〜すら戦慄させ、ぬ~べ~に「二度とお目にかかりたくない」と言われた。
『A』(エー) / 中学1年生以下の子供を狙う連続殺人鬼。『ぬ~べ~』屈指のトラウマキャラ。
Aの明確な正体については判明していない。火だるまになって高所から転落するも元通りに復活している他、ぬ~べ~ともみ合った際に首を180度捻転させ、反動で体を回転させてぬ〜べ〜を殴りつけるなど、もはや人間ではなく妖怪と化しているかのような描写もなされた。
「A」は、妖怪ではなくれっきとした人間で、中学1年生以下の子供を狙う連続殺人鬼。噂によると、元は床屋だったが子供の悪戯で店を全焼させられた上に大火傷を負わされた恨みから犯行に及ぶようになったという(真偽は不明)。
これまでに優に100人以上もの子供達を惨殺しているものの40年以上経った今も捕まっていないため、子供たちがパニックになるのを恐れた大人たちは「A」の存在を子供たちに隠し、Aが出現した際には大人だけで対抗することを決めた。
「A」は、「赤が好き?青が好き?白が好き?」という質問に答えた子供を標的にし、「赤が好き」と答えた子を切り刻んで殺し、「青が好き」と答えた子を溺死させ、「白が好き」と答えた子を失血死に追い込んで殺す。
「A」は、妖怪ではなくれっきとした人間で、中学1年生以下の子供を狙う連続殺人鬼。
「青が好き」と答えた子供は水に沈められて殺される。ぬ~べ~は広と郷子を職員室に残し、細川美樹を助けに向かう。貯水槽を覗くと、体中に石をくくりつけられ、その底に美樹が沈められていた。ぬ~べ~の必死の救助で、美樹は息を吹き返した。まるで水死体に見える美樹の壮絶な表情は視聴者にトラウマを刻み込んだ。
「白が好き」と答えた稲葉響子を襲う「A」は、響子を逆さづりにした上で頸動脈に先端の鋭利な管を突き刺す。
「白が好き」と答えた子供は体中の血を抜かれる。刺された首から大量出血する響子。子供ばかりを狙う猟奇殺人鬼「A」は、「赤が好き?白が好き?青が好き?」と質問をし、答えた子供を殺害する。
「赤が好き」と答えた子供は血まみれにされ、「白が好き」と答えた子供は体中の血を抜かれ、「青が好き」と答えた子供は水に沈められて殺される。
実は、質問に答えなければ襲われる事がない「手にした大鎌で切りつける」という残虐な手口を用いて立野広を死の寸前に至らしめた。
「A」の残虐ぶりは、鬼の手を生身の人間に対して使うことを禁忌としているぬ〜べ〜を激怒させ、やむなく幽体摘出(ゆうたいてきしゅつ)を実行させたほどである。
執拗に広を狙ったため遂にぬ~べ~の逆鱗に触れ「幽体摘出」で魂を引き剥がされて地獄に送りこまれかけたが、なおも抵抗しぬ~べ~を投げ飛ばす。
火だるまになって高所から転落するも元通りに復活している「A」…もはや人間ではないのか…。
続編『地獄先生ぬ~べ~NEO』に再び登場した「A」
「A」は、2015年、続編『地獄先生ぬ~べ~NEO』にて再び登場。童守町のはずれにある廃屋で眠りから覚め、復活。
「A」を追うぬ~べ~に丑光(うしみつ)が「A」の正体に迫る情報を発見する。昭和10年、A県の小学校の遠足バスが事故をおこし、その時赤間のぶ子という女の子が死亡した。他の児童は何とか脱出したがのぶ子だけは車体にはさまれて血まみれになり、そのうち出血多量で真っ白になっていった。やがて、バスがかたむきバスと一緒に川に転落して沈んでしまったのだという。
のぶ子の父親は生き残った児童の親達を娘を見殺しにしたと糾弾。遂には引率の先生を殺害し、失踪。それと同時に近隣の学校で児童が切りつけられる事件が多発するようになり、警察は父親を指名手配したがとうとうつかまらなかったのだという。
「血まみれ」「失血」「水没」…丑光はその父親が今も「A」として殺人を行っているのではないかと考えたのだ。
ぬ~べ~がのぶ子の霊を呼び出し、説得を試みる。現れたのぶ子の霊に「A」は歩み寄りその身を抱きしめる。「A」が人の心を取り戻し、これで「A」の恐怖も解決したと思われたが… 「ちがう お父さんじゃない…」
何と「A」はのぶ子の霊をバラバラに引き裂き、再び鎌を構え襲い掛かってきた。「A」はのぶ子の父親ではなかったのだ。 やむをえずぬ~べ~は鬼の手NEOで「A」を攻撃し、「霊体切断」で「A」を引き裂く。
事件後、「A」は本当は何なのか聞く郷子にぬ~べ~は「この世には、俺にも…わからん存在はある…」と答え、「A」の正体は謎のままとなった。
「A」が結局何者かは原作本編では不明瞭とされているが、無印連載中に出版された公式ファンブック『地獄先生ぬ~べ~大百科』では、「心の醜さのあまり、生きながら妖怪と化してしまった人間」と明確に人間が妖怪化した存在として分類されている。
引用元: 「A」(地獄先生ぬ~べ~) – アニヲタWiki(仮) – atwiki(アットウィキ)
トイレの花子さん / 不意打ち的にすさまじい形相で現れるインパクトの強さで、読者のトラウマの一つになっている。
立野 広(たての ひろし)と読者を驚かせる為にだけ唐突に出てきたおかっぱの幽霊の花子さん。広は勇気にあふれ恐いもの知らずな反面、花子さんをみたトラウマで夜一人でトイレに行けない。
立野 広と読者を驚かせる為にだけラストに唐突に出てきたおかっぱの幽霊の花子さん「あかないよおお」。
広は盛大に悲鳴を上げて、お漏らししたのだった…。花子さんは今日もさまよっています。もしかしたら明日はあなたの学校に行くかもしれません。
トイレの花子さんは、戦死した女児の霊が成仏した直後に広が目撃した女子児童の霊(大百科では第2のトイレの花子さん)。
彼女の存在は後に広のトラウマになった。花子さんの正体ではないかと推測されていた他校の女子児童「山田花子」の霊ではなく、山田花子もこの花子さんを見て心臓発作を起こして死亡している。
霊霧魚(レムギョ)
霊霧魚(レムギョ)は、霧の中を泳ぐ魚。霧を発生させ、その中では何度でも蘇る。仲間を増やす為人間に卵を産み付ける。
霊霧魚(レムギョ)は自身が発生させた霧の中では再生する。
元は深海魚で、太陽光に弱く日光が当たると再生能力を失う。その再生能力でぬ~べ~を苦しめたが、玉藻の協力もあり、鬼の手で切り裂かれた。
『怪談・木登り幽霊の巻』に登場する若い侍の霊
『怪談・木登り幽霊の巻』に出てきた侍がトラウマ。昔、仕えていた姫と恋に落ちたが、それを知られて7日7晩の拷問の末に殺された(姫も斬り殺されてる)。それ以来、毎年殺された日に「会いたや…恋しや…」と姫の遺体を求めて埋葬場所を掘っていた幽霊。拷問の結果、顔は爛れて舌は裂けてて眼球に釘が刺さってる惨すぎる有様。
若い侍の霊は、童守寺の神木に7月の満月の夜に現れる若い侍の霊。400年前に北条氏の愛妾である佐々姫と恋に落ちたために7日7晩のむごい拷問の末に死亡した。
佐々姫の遺体を掘り起こしにやって来るが見つからずに泣きながら帰るという行動を繰り返し、怨念から木を切りに来た人々を事故に巻き込んでいた。指先は骨が見えている。
広、郷子、美樹、克也が肝試しをして木の上で霊を見ようと待っていた際、克也のくしゃみに気づき木を登って追ってくる。木の先へ上って逃げる途中に滑り落ちてしまった美樹が剥がれ落ちた木の皮を剥がしたことで、木の上に押し上げられていた佐々姫の白骨死体が見つかり、再会を果たして成仏した。
覇鬼(ばき) / 鬼の手の秘密…鬼の手はぬ~べ~一人ではなく、美奈子先生の魂と共に内と外から二重に封じていたのだ。
ぬ〜べ〜の「鬼の手」は覇鬼(ばき)を左手に封印したもの。
ぬ~べ~最強の切り札である「鬼の手」を、彼はいかにして身に付けたかが明かされる、シリーズ中でも重要なエピソードである。
覇鬼(ばき)は、鬼三兄妹の長男。巨大な体躯の赤鬼。人間形態は黒い革ジャンを着飾った逞しい風貌の長身の男性。地獄で美奈子の魂を餌食にした。ぬ〜べ〜の「鬼の手」はこの鬼を左手に封印したもので、美奈子の協力により外側と内側から二重の封印を施すことでかろうじて押さえ込んでいる。
玉藻達が目にしている過去の映像…苦痛に顔を歪めるぬ~べ~の左手は、無残に砕け散っていた…
覇鬼はぬ~べ~の恩師・美奈子先生の魂を吸収しており、その意志は鬼の中で生き続けていた。
ぬ~べ~の恩師・美奈子先生「私を…封じ…なさい… 早く、今の…うちに…私は…信頼しているあなたに…あなたの力で封じ込められる為に…来た…」
美奈子先生「私です…私は…」
鬼の顔が真ん中から縦に割れ、開いた。その中にあったのは、美奈子先生の顔。
ぬ~べ~の左手に封印されている鬼。ぬ~べ~が新米教師だった頃に女生徒に取り憑いていた。なんと覇鬼はぬ~べ~の恩師・美奈子先生の魂を吸収しており、その意志は鬼の中で生き続けていた。美奈子先生が鬼の動きを止めている内に自分ごと封印するようぬ~べ~に命じる美奈子先生。躊躇するぬ~べ~だったが美奈子先生の決意を汲み、その左手に鬼を封印し、これを用いて子供達を守り続け、いつの日か美奈子先生の魂を救う事を固く心に決めた。
鬼の手はぬ~べ~一人の力ではなく、美奈子先生の魂と協力して内と外から二重に封印されている。
「美奈子先生…いつか必ず…あなたの魂を鬼から救ってみせます…その日まで…俺は子供達を悪霊から守ります…あなたの魂の宿った、この…鬼の手で!!」
鬼の手は最強の武器であるとともに、諸刃の剣である。そこには一つの悲しいエピソードがあった。
身代わり地蔵
身代わり地蔵の最期が切なく悲しい泣ける物語。
身代わり地蔵の回は、感動の泣ける話として語り継がれている。
うれしいことを身代わりになってもらう。郷子は本当に優しい子。
身代わり地蔵に殺到するとうとう身代わりの限界に達した身代わり地蔵は、響子に見守られる中、崩れ落ちた…。
口裂け女 / 鵺野鳴介によって動物霊を除霊され本来の美しい顔に戻るが、成仏はできず…。
口裂け女は、1979年の春から夏にかけて日本で流布され、社会問題にまで発展した都市伝説ですが…
「整形手術の失敗で口が裂け、その時の外科医のつけていたポマードが苦手になった」と噂されていたが、動物霊に憑依され、悲観して自殺したために半妖怪と化してしまっていたのが真相。
口裂け女は、生前、口が裂けている事で周囲から迫害を受けて自殺した女性の霊。低級な動物霊取り憑かれた狐憑きだったが、取り憑かれたまま死んだ為、動物霊と融合して半妖怪化してしまった哀れな存在。
鵺野鳴介によって動物霊を除霊され本来の美しい顔に戻るが、成仏はできず、また化け物扱いされるなどすれば動物霊を引き寄せてしまう状態のまま彷徨っている。
ぬ~べ~の部分除霊によって元の美しい姿に戻るが、一度妖怪化してしまった霊はそう簡単には成仏出来ないと説明されている。後のエピソードで三姉妹だという事が判明する。
人面犬
人面犬とは、顔は人間・身体は犬の姿をした妖怪、またはそれにまつわる都市伝説。人面犬の噂が広まったのは平成初期(1989~1990年)だと言われ、同時に日本各地から多くの目撃情報が相次いだ。
前世での罪が深すぎると、魂が穢れてしまい、正常に転生ができなくなる。妖怪ではなく突然変異の生き物。
『地獄先生ぬ~べ~』では、人面犬の正体は「生前、多くの人間を死に追いやった悪徳金融業者」で、生前に犯した罪が大きすぎた為に魂が穢れ、正しい転生ができなかった結果という設定。郷子を突き飛ばして人面犬が助けに入った。郷子は助かったが、人面犬はガラスに首を切断され、落ちた首は車に轢き潰されてしまった。
有名なオカルト映画「オーメン」(1976年)のガラスで首チョンパのシーンのオマージュと思われます。
因果応報…前世の罪は必ず来世で報いが来る…悪人が多い現代では、あなたも、人面犬に会えるかもしれない…。
ナースの霊 / 衝撃のラスト…ホルマリン漬けの不気味な死体に囲まれる郷子
ナースの霊は、生前は心優しいがドジ気味なナースだった女性。ある日患者の男性を誤って毒を注射し殺してしまい、それを苦に飛び降り自殺する。自責の念が余りに強かった為に霊となり病院を彷徨い、新しい患者が来るたび謝罪しながらつきまとった。後にぬ〜べ〜により患者の男性霊と引き合わされ、男性が死んだ本当の原因を知り成仏していった。一件落着し、ようやく落ち着いた郷子は病院の地下に風呂場があることに驚いていた。しかし郷子が今浸かっているそれは実は風呂などではない。
「いや…郷子…それは風呂じゃないぞ…それは解剖用の死体を保存しておくための…ホルマリンのプールだ」
ホルマリン漬けの不気味な死体に囲まれ、郷子はトドメの恐怖を味わうのだった…。読者も最後に、とどめのトラウマを刻み込まれた。
自殺したハイカーの亡骸を蘇らせた「反魂(はんごん)の術」
切ない話となっている。ぬ~べ~の必死の叫びも空しく、瞬く間に琴美の肉体は崩れ去り、再び物言わぬ屍と化したのだった。
反魂の術は、大昔の高僧が編み出した、死者を蘇らせる忌まわしき術。遠足の下見にきた際、遭難して孤立したぬ〜べ〜が、話し相手を欲するあまり、ハイカーの亡骸をこの術で蘇らせた。
蘇った死者に生への気力を取り戻させることが術の効果を継続させる鍵であることを突き止め順調に生き永らえさせていたものの、隠して持っていたハイカーの遺書を手に取らせ生前の記憶を戻してしまったために失敗に終わっている。
「神よ!これが あなたの答えか!?
人が命を与えてはいけないというのか!
ばかやろう!!」
七人ミサキ
七人ミサキの巻
七人ミサキは、七人で一体の妖怪で、山伏の衣を身にまとい錫杖を持つ。一人一人が生前と同じ死因でもう一度死ぬことで成仏する。
7人が互いの強力な怨念で縛られているため経文程が通用せず、ぬ〜べ〜を叩きのめして鬼の手を封じるほどの力を持つ強敵。ぬ〜べ〜曰く七人ミサキに引き込まれた者は成仏出来ず、未来永劫彷徨い続けるという。
仲間の内の二人を強盗殺人犯の若い男女二人組にひき殺されて成仏させられたため、生じた穴を埋めるべく、逃げた二人組の後を追って童守小に侵入してきた。ぬ〜べ〜も児童たちも追い詰められるが、二人組が窓を伝って逃げようとした際に落雷を受けて死亡したため穴埋めに二人を引き込み、立ち去っていった。
七人ミサキは、強盗殺人犯の若い男女二人組が窓を伝って逃げようとした際に落雷を受けて死亡したため穴埋めに二人を引き込み、立ち去っていった。
はたもんば / ぬ~べ~に顔面を殴られたはたもんばは、脳が飛び出しかなりグロテスクで怖い。
はたもんばの呪いの巻(前編・後編)…はたもんばは、江戸時代に何百人もの罪人を打ち首にした日本刀が妖怪化したもの。落ち武者のような怪物が輪状となった刃にまたがっているという不気味な姿。
はたもんばは、2巻にて初登場。童守町3丁目にある江戸時代の処刑場「はたもん場」跡の祠に納められていた、罪人の首を斬るために使われていた日本刀の変化。長い時の中で人を切ることだけに使われ続けてきたため、人を切ることへの執着心によって刀の付喪神となり、罪人を切ることだけに血道をあげる妖怪に変化した。刀の鞘から引き抜かれることで輪状になった刃にまたがり裂けた腹から臓物がはみ出した落ち武者のような姿に変化しあらゆる物を刃物に変える能力で罪人を殺そうと迫り来る。なんと切り裂かれたのは鬼の手の方だった。吹き飛ぶぬ~べ~。隠れる生徒たち。外に逃げようにも窓が刃と化していてままならない。
愛美がつまづいてしまった。急ぎ駆け寄る克也。二人の上にギロチンと化したシャッターが迫る!
一刀両断にされたのは、克也の映った鏡。その隙をついてぬ~べ~が殴りかかる。はたもんばは悲鳴をあげて刀に戻った。顔面を殴られたはたもんばは、脳が飛び出しかなりグロテスクで怖い。
はたもんばは、後に「人面疽の巻」で再登場。
人面疽に取り付かれ苦しむぬ~べ~を救うためには、鬼の手に匹敵する力を持つ武器で霊体から人面疽を切り離さなければならなかった。そこで広たちははたもんばの首切り刀で切り離すことを思いつき、祠から日本刀を持ち出しぬ~べ~を助けようとした。
ぬ~べ~の霊体から人面疽を切り離した途端に刃の部分から妖怪化し始めるが、すぐに稲葉郷子が護符を貼った鞘に収めたのでことなきを得た。原作では刀が変形し始めるだけで終わったが、アニメだとはたもんばの姿が徐々に浮かび始める演出が取り入れられる。
舞首
3人が口喧嘩している舞首
舞首は、小三太、又重、悪五郎の3人の武士がいがみ合いの末に死んだ後に生首の悪霊と化した姿。1200年前の新月に3人が口喧嘩をした挙句にお互いに首を切り落としあって死亡、その後は新月の晩に関東の海辺で3人の名前を呼ぶと生首で絡み合い未だいがみ合いながら現れる。
決着をつける為に生きた人間の体を求めていると言われており、取り憑かれると小さな事ですらいがみ合いを始めてしまい、やがては凶器を振りかざしての殺し合いにまで発展してしまう。
広、克也、金田がそれぞれに3人の名前を呼んだ事で現れて3人に取り憑き、いがみ合いの決着をつけるために殺し合いを繰り広げていたが、凶器を振りかざして互いを殴りあおうとした際、体を張って止めに入ったぬ~べ~を見て3人の憎しみの感情が雲散霧消したことで離脱、そのままいがみ合いを続けながらどこかへ消えていった。成仏させられるのかは不明。
海難法師 / 封印の直前の見開き2ページはトラウマになっている人も。
ぬーべーの怖い見開き画像。トラウマ必至の海難法師
海難法師は、「見たら死ぬ妖怪」として取り上げられており、ぬ~べ~がまともに相手をすることができない妖怪の一体である。最後も社に封印するだけで完全には消滅せず、死者の集合体という設定上いずれ新しい海難法師が出没すると語られており、いかに恐ろしい存在かということが分かる。封印の直前の見開き2ページはトラウマになっている人も。
ゆきめとの死別 / 鵺野鳴介に抱きかかえられながら雪の結晶へと還り命を落としてしまった。
ゆきめは「雪女は16歳になったら人間の男を氷漬けにして傍に置き、永遠にそれを愛し続ける」という掟を果たすべく、ぬ~べ~を氷漬けにして山へ連れて帰るために童守町へやって来た。
一度は山へ帰ったものの、掟を果たすまでは帰ることが許されなかったため、それならばとぬ~べ~の傍に居続けることを決め童守町で暮らすようになる。その後はぬ~べ~を振り向かせようと色々とアプローチを仕掛けるようになった。所謂押しかけ女房キャラ。ゆきめは、ようやく自分の気持ちに素直になると決めたぬ~べ~(鵺野鳴介)から愛の告白を受けるが……
自分が妖怪だから鵺野に振り向いてもらえないのだと思いつめるゆきめは、一本ダタラに唆され律子の命を奪おうとするが出来ず、妖力を吸い尽くされる。直後に鵺野に告白されるが、死亡。「ああ うれしい… 私… 幸せです… でも私…もう… 妖力を使い果たして… 」
ゆきめは、戦いによって既に妖力を使い果たしたため、鵺野鳴介に抱きかかえられながら雪の結晶へと還り命を落としてしまった。
この出来事はぬ~べ~が回想でのギャグ描写の中ではあったが、後追い自殺を図ろうとするほど根深いトラウマになってしまい、以後ゆきめとの死別を想起させる事件に遭遇する度に人間と妖怪の共存という難題に苦悩するようになる。
ゆきめが物語の途中で命を落とす事になったのは、登場する度にギャグキャラ化が進みワンパターンになりつつあったため。しかしゆきめ死亡後もファンから「生き返らせて」との要望が絶たなかったことに加え、「原作で既に死んだキャラがアニメの中で元気なままだと素直に見れない」という理由で、アニメ放送開始に合わせて復活する事となった。
おとないさん
君は「おとないさん」を知っているか?「おとない」とは「訪(おとな)う」「訪れる」という意味である。それはふすまや戸が半開きになっているとやってくるという。
「来る、来るよ」とうなされる圭介。ぬ~べ~を呼ぼうと広がふすまを開けると、半開きになっていた奥のふすまに何かが見える。目を凝らしてよく見ると、誰かの手のようだ。「誰か」は次第に全身を現す。それは、死に装束をまとった幽霊。おとないさんは実在したのだ。
以津真天(いつまで)
「いつまで」って鳴く妖怪
以津真天(いつまで)は、人間のような顔をした鳥に似た妖怪。その正体は供養されずに放置された亡骸が呼び寄せる怪鳥。
彼らの唱える「いつまで」とは、「いつまで死体を放っておくのか」という意味であり、死なせた生き物の供養を怠る人間に対し「いつまで。いつまで」と連呼しながらまとわりつく。
多くの生き物を死なせたまま放置した金田の元に現れ、彼が言葉の意味を理解できないでいる内に襲いかかろうとするが、ぬ~べ~が原因を突き止め、死体を供養したことで去っていった。
いつまで
人体模型
自分のことを人間だと思い込む人体模型
人体模型(じんたいもけい)は、長い間、童守小におかれていた為に魂が宿り、自分のことを人間だと思い込む。一人称は「僕」。ぬ〜べ〜は穏便な形で分からせようと児童達と協力して一時クラスの一員にさせる。純粋で心優しく児童達からは恐れられるものの嫌われることはなかった。最後はぬ〜べ〜に戻されるものの観音様に願いが通じたらしく人間となった。だがまだ不完全なようで半分の皮が張られていなかった。アニメ版では「友達なら身体を譲ってくれ」と広に襲うようにして懇願するが、ぬ〜べ〜からは「そんな友情はお前の身体と同じ作り物の友情でしかない」と容赦ない言葉とともに阻まれた。
自分のことを人間だと思い込んでいる人体模型
稀望(けもう)
エリート、リア充に対し強い嫉妬心を抱くけもう
稀望(けもう)は、餓鬼の一種で、生前に他者の成功や幸福を妬み、悪事を働いた者が稀望になるという。エリート、リア充に対し強い嫉妬心を抱く。喫茶店でまことが愛に法科大学院生になり、法律事務所でアルバイトをしていると嘘をついた時、彼の自慢話に嫉妬して現れた。念力で工場現場にぶら下がっていた鉄棒をまことと愛に向けて落とすが、まことが命懸けで愛を守り、自慢話の内容がすべて嘘で、自分を駄目人間だと告白するや彼と泣いて抱き合った。最後はぬ~べ~によって成仏した。
紫ばばあ
紫ばばあは、包丁を持った鬼のような怖い顔をした老女の姿の悪霊。
美樹がムラサキババアについての解説を始めた。
元々は孫思いの老女だったが、孫がいじめられた挙句に殺された現場を目撃し、それを事故として片付けようとした挙句事故だと言い聞かせようとする周囲に怒り、誰の話も聞くまいと耳を切り落とし亡くなった。死後に生前の怒りや憎しみから悪霊・半鬼化し子供を無差別に切りつけるようになった。校内に邪悪な何かが近づいているのは確かであり、放課後、その妖気を辿り霊視をすると傷んだ包丁を構える老婆の霊が現れた。半鬼化しているが、哀れな不浄霊なので成仏させてやろうと経文を唱える。ムラサキババアは突然ぬ~べ~に切りつけてきた。
─ムラサキ(成仏)─
「─迷える 魂よ 安らぎの光のもとへ─」耳を閉ざして死んでいった老人に経文は聞こえない。だから目で見る色で伝えるのだ。いよいよ仕上げ、ムラサキババアを教室に誘い込むと、そこには紫色の夕顔がいくつも置いてあった。
紫の鏡
紫の鏡
─紫鏡の七不思議─
昔、一人の女の子が自分のお気に入りの手鏡にふざけて紫の絵の具を塗った。ところが、不思議な事にいくら洗っても決して紫色が落ちなかった。自分の魂のこもった鏡を紫色に塗る…実はそこには恐ろしい意味があったのだ。女の子はその後思い病気にかかり、「紫鏡、紫鏡」と呟きながら死んだ。
以来、紫鏡の話を20歳になるまで覚えていると死ぬとか呪われるとか…様々な噂が飛び交い、全国でも有名な学園七不思議の一つとなっている…いったい紫鏡とは何なのか…。
「こっちゃこ~い…」
美樹の足に紫色の老人が絡みつく。だがこの老人は美樹にしか見えていない。もしやと思いコンパクトを開くと、やはりこれが原因のようだ。
祓っても祓っても湧いてくる霊に、ぬ~べ~も手を焼いている。この霊達は冥界の入り口辺りで迷っている亡者で、コンパクトがこれと繋がってしまったのだろう。紫は色霊であの世を表す色だ。そして鏡は霊界との出入り口である。長年使って念のこもった手鏡に紫を塗るのは、おそらくその人を冥界へ引き込むまじないとなるのだろう。
霊は続々と美樹に押し寄せ、張ってあった結界も破られてしまった。集団となった亡者は思いのほか強く、ぬ~べ~もてこずっている。
自分の所為で美樹が命の危険に晒されている。責任を感じた克也は、自分が土管の中に潜り込んでコンパクトを取ってくると名乗り出た。美樹から根性なしの最低男と罵られるが、好きな女の為に命はるぐらいの勇気はあると、勢いよく水の流れ出す土管に果敢に飛び込んだ。凄い水圧に押し戻されそうになるが、美樹の為に必死で奥へと進む。その姿に美樹も克也を見直すのだった。ついに目的のコンパクトを取り出す事に成功した。すぐにぬ~べ~に渡し、冥道を閉じると美樹に群がる霊は消えうせた。
鏡の中の悪魔
鏡の中の悪魔…郷子と美樹が合わせ鏡をしてしまいどんどん衰弱していく。
鏡の悪魔は、鏡の中に住む小さな悪魔。妖術を使い、0時0分(アニメでは4時44分44秒)に童守小の合わせ鏡を覗いた人に未来の姿を見せるが徐々にその姿を老けさせ、心身共に疲れさせて衰弱死させる。
郷子と美樹にも暗示をかけて殺そうとするが、ぬ~べ~には通じず鏡の中から出た瞬間に万華鏡に閉じ込められる。その万華鏡は長らく童守小の祠に封印されていたが、ボールが当たって割れたことで解放される。今度はプリクラの筐体に取り憑き、広が撮ったシールに彼の魂を16分割して印刷しシールが破れる度に寿命が減っていく呪いをかける。しかし、ぬ~べ~に見つかり鬼の手で握り潰された。
沙裏鬼(じゃりき)

事故車にヤドカリの様に寄生した妖怪。本来は霊会の表層部にいて現世との間を往復する無害な妖怪。高圧電流によって鬼門が閉じてしまった為、暴走して走行する車を襲っていた。ぬ~べ~が鬼の手で電線を切断し、鬼門が開いた事で帰っていった。
しょうけら
しょうけら
しょうけらは、疫病神の一種で家に災いをもたらす妖怪。自身の姿を目撃した風間に取り付いて病を患わせ殺そうとする。
風間を守るために立ちはだかった律子先生に襲い掛かるが、ぬ~べ~に倒された。
餓鬼魂
餓鬼魂に取り憑かれてしまった白戸秀一
白戸秀一とは、漫画『地獄先生ぬ~べ~』の登場人物である。初主演作は『餓鬼魂の巻』。
興味本位で餓鬼魂の除霊を覗いた際に餓鬼魂に取り憑かれてしまい、何を食べても腹が減るようになってしまう。
そのうちに段々と痩せこけていき、最後には誰なのか分からないほどガリガリになってしまう。
ぬ~べ~によって餓鬼魂が除霊された事で元の姿に戻り、今回の件を通じて食べ物の有難みを身をもって思い知る事となる。
魔の十三階段 / 不良の霊達
魔の十三階段…旧校舎の屋上に続く階段は、夜だけ13段に増える“魔の13階段”だと噂されていた。冗談まじりに「13階段は悪い子にしか見えない」と話すぬ~べ~。
少年は「昔、先生の言うことを聞かない不良少年が屋上に逃げ込もうとして足を滑らせ転落死した。それ以降、仲間を増やそうと13階段の罠を張っている。」と魔の13階段の由来を語った。
「何でそんな話を知ってるんだ?」と尋ねる克也。
少年は「俺のことだからなあ」(俺が、その足を滑らせた本人だからな)と死亡した時の頭が割れて脳味噌が剥き出しのグロテスクな姿に豹変し、13段になった階段の隙間に克也を引きずり込もうとする。
童守小学校旧校舎の屋上に続く階段に取り憑いている不良の霊達。不良の霊達は、童守小学校旧校舎の屋上に続く階段に取り憑いている不良の霊達。ぬ~べ~クラスの不良・克也を仲間に引きずり込もうとした。ぬ~べ~は何度も成仏させようと試みているが、経文に耳を貸さない為、祓う事が出来ていなかった様子。今回も広や郷子の活躍で克也は助かったが、この霊達は依然としてそこに居ついたままである。
異次元の魔物
異次元の魔物は、異次元に潜む宇宙人のような見た目の怪物。時限の裂け目から標的を定め、人や生き物を引き込んでは肉体を裏返して元の世界に送り返すという行動を繰り返しており、世界中に伝わる魔物による神隠しの伝説の発祥の元になっている。
一人で歩く広に野良犬が吠えかかってきた。カバンを振り回してこれを追い払っていたところ、突然カバンが犬ごと引っぱられた。空間にガラスが割れたような穴が開き、そこから伸びる手が犬とカバンを強い力で引きずり込む。カバンは広の手を離れ、犬と共に穴に飲み込まれてしまった。
…これが次元の裂け目…その直後、広の背後で再び裂け目が開き、何かが落ちてきた。それは、犬とカバン、そしてその中身が、無造作に融合したものだった!
空間の裂け目はどこにでも発生させることができるため、一度狙われるときりがなく、広を標的にして異次元空間に引き込むが、後を追ってきたぬ〜べ〜によって阻止され逃げていった。

絶鬼(ぜっき) / 玉藻とゆきめが絶鬼(ぜっき)に半殺しにされたシーンは絶望感いっぱい。
玉藻とゆきめが絶鬼(ぜっき)に半殺しにされたシーンは絶望感いっぱい。
絶鬼(ぜっき)は、ぬ〜べ〜の霊力のおよそ500倍という桁違いの戦闘力を持ち、玉藻とゆきめが加わっても全く歯が立たないほどの強さを持つ上に、破壊と蹂躙と殺戮を好む残忍無比な性格で、人間をひ弱な虫けらとみなし徹底的にいたぶることを無上の喜びとしている。原作では、御鬼輪で力の50%を封印するというぬ〜べ〜たちの策を知り、余裕から敢えて自ら取りつけたために一時的に無力になってしまい、動きを封じられて一度は鬼門に落とされるが、逆上して力を完全に開放し復活。
本気を出した圧倒的な力でぬ〜べ〜と仲間たちを半殺しの目に合わせるが、その様を目撃し怒りに駆られたぬ〜べ〜が鬼の封印を完全に解き放ち、精神力で鬼の肉体を支配すると一転して圧倒されていく。鬼の肉体を支配したぬ〜べ〜の圧倒的な力と、人間の精神力を前に完全に戦意を喪失し、最後は渾身の一撃を受けて五体を八つ裂きにされ、泣き叫びながら再び地獄へと落ちて行った。
死神(しにがみ)
死神(しにがみ)は、寿命が来ると同時に、ぬ~べ~の命を奪い去る。
死神(しにがみ)は、あの世からの使い。ぬ〜べ〜に寿命の終わりを告げに来た。黒いローブを纏って巨大な鎌を持っていることを除けば、姿は人間の少女と大差ない。本来は人に姿を見せることは無いが、霊能者であるぬ〜べ〜には姿が見えてしまうため、口頭で残りの寿命を伝え、時間の訪れとともに彼の命を奪い去った。
死神から死亡宣告をされたぬ~べ~
ぬ~べ~は「あぎょうさん」の力(ぬ~べ~が死亡したことを嘘に変えてしまう=死んでいない)で復活する。
釣瓶落とし(ツルベオトシ)
釣瓶落とし(ツルベオトシ)は、第89話 「死の森の釣瓶落とし」(単行本では11巻)に登場。木の根元に遺体を埋められた人間や動物の霊が、根から木に取り込まれ枝からぶら下がるものとされる。釣瓶落としに触れると生気を吸われて、触れた部分は干からびてミイラ化してしまう。頭部の両側に手がついていて、比較的小型。
この森には多くの動物の死体が埋まっている。「あれは…」「誰かが何かを埋めてる…」
まさか人の死体まで埋まってないでしょうね、なんて言っていると、まさに人相の悪い男が人の死体を埋めている真っ最中だった。
借金逃れの為に殺人まで犯したこの殺人犯の頭上からも釣瓶落としが振ってきた。それをよけた殺人犯はその顔を見て驚愕した。なんと、先程自分か殺して埋めた人の顔だったのだ。殺人犯はこの釣瓶落としに捕まり、全身の生気を吸い取られた。
クリッター(空中浮遊生物)
クリッター(空中浮遊生物)は、大気圏上層にいるエーテル体。見た目には宇宙人のような容姿をしている(実際は不定形)。UFOの正体と言われており、分裂と合体を繰り返して飛行する。地表に降りて生物を捕らえ、食すこともある。作中では宇宙人に興味を持っていた秀一を襲おうとした為、鬼の手で成敗された。
クリッター(空中浮遊生物)が動物の内臓を食べている描写は、かなり気持ち悪い。
百物語
─郷子の話─
私が生まれたとき、親戚のおばさんが彼女に似せた市松人形を作ってくれたの。とても大事にしてんだけど、私の成長に合わせて人形の背や髪が伸びている気がして気味悪くて押し入れにしまったままになってたの。ところがつい最近…押入れから聞こえた物音が気になって、おそるおそる開けてみると…
「ヒドイワ 郷子チャン」
そこには、私と同じ背になった人形が立っていた。驚いて押入れを閉めんだけど、次に見たときには人形は影も形もなかったわ…
「よしなかなかよかったぞ響子」
五年三組は夜中に教室に集まり、ぬ~べ~の監督の下で百物語に興じていた。
─広の話─
それは去年海へ行った時の事だった。酒を飲んでボートに乗った大学生三人が行方不明っていうんで捜索隊が出てたんだ。もう時間も経ってるし、とっくに死んでるだろうって話だったけど、ダイバーが捜索に潜っていった。ところが、そのダイバーもいつまでたってもあがってこなかった。数十分後、大学生達とダイバーの死体が上がった。でも、それはとても奇妙な状態だった。怯えるような表情のダイバーに、残り三人の死体がしがみついていたんだ。検死の結果、大学生達は死後十二時間経っていた。そんな死体がなぜしがみついていたのか…しかも、死後硬直の為引き剥がすのに数人がかりだった。
─美樹の話─
あれは私が三年生の時の話。放課後花壇で水やりをしてたら、古くさい衣服を着た見たこともない女の子がブランコの場所を尋ねてきたの。私がその方向を教えると、女の子はいつの間にかいなくなってた。かと思ったら、いつの間にかにブランコに乗って遊んでたの。女の子から目を離すと、いつの間にか戻ってきた女の子が今度はうんていの場所を聞いてきた。その場所を教えると、女の子はまた一瞬でそちらに移動して遊んでた。今度はすべり台の場所を聞いてきた。私はいい加減気味悪くなったんで、屋上だってでたらめを教えたの。すると女の子は、奇声を発して校舎の壁を凄いスピードで駆け上ったの。その子は屋上に上ったまま、それきり降りてこなかった…
そして、いよいよ100話目が始まった。
─ぬ~べ~の話─
ある蒸し暑い夜、教室に集められた生徒達が百物語をしたそうだ。そして100話目が終わった時、本当に青行燈が現れて鬼門を開き、子供達は一人残らず冥界に連れ去られてしまったと言う…ぬ~べ~だった者は、その姿を全身に血管が張り巡らされた鬼に姿を変えた。この鬼こそ、先程の話にあった青行燈。生徒達に百物語をさせて鬼門を開く準備をしていたのだ。既に間近にまで冥界の物の怪が迫っている。
最後の蝋燭を消す前に、青行燈は疑問を口にした。「これ程霊が集中している場所で、なぜ今まで鬼門が開かなかったのか。この学校の霊的磁場は恐山並みで、自然に鬼門が開いてもいいはずなのに。」「それはな 俺がいるからだよ」
本物のぬ~べ~が、青行燈を一撃の下に葬り去った。何故百物語なんかやったのかと生徒たちを叱るぬ~べ~。
八岐大蛇(やまたのおろち) / 善の究極妖怪「ケサランパサラン」は、究極妖怪オロチを軽く飲み込んでしまった。
全員で誕生しかけのオロチを止めようとするが、まばゆい光に弾き飛ばされてしまった。
直後、卵が孵化するように球体が割れ、中から放射状に伸びる8本の巨大な蛇の首が現れた。遂に、オロチの誕生を許してしまった。
首の一つが口からエネルギーを放つと、童守町の一角が大爆発を起こして消し飛んだ。
「こ、これが究極妖怪オロチ!こんなもの倒せるわけがない!」
子供たちは心を一つに合わせ、善の究極妖怪の名を唱えた。
「いでよ 善の究極妖怪」
「 ケ サ ラ ン パ サ ラ ン 」
オロチの頭上にこれを何倍も上回る超巨大な毛玉が出現した。これこそが、善の究極妖怪「ケサランパサラン」の姿である。ケサランパサランはそのまま降下し、足元のオロチを軽く飲み込んでしまった。
ケサランパサランの力によって浄化された久作の魂は、恵子の魂と共に天へと昇り、成仏していった。
玉藻京介が廃人に…
現在の人間としての姿は南雲明彦という人間男性のもの。玉藻が殺害して髑髏を奪ったわけではなく、人知れず山中で事故死した彼の死体から抜き取ったもの。彼の頭蓋骨は玉藻の体質にはあっておらず、副作用で廃人になってしまったが、玉藻の中に最も恐るべき人間の力である「愛」を見出した妖狐族の親玉、九尾の狐に認められ、強いエネルギーを持つ九尾の尾の力を与えられて復活、パワーアップした。
突然の雨が玉藻を激しく打ち付ける。玉藻は様子がおかしく、石蕗丸やぬ~べ~の呼びかけにも反応しない。
変わり果てた玉藻の姿にぬ~べ~は涙し、すっかり壊れてしまったライバルを抱きしめた。
九尾の狐
九尾の狐の館の門前に立つと、玉藻が怯えたような表情を浮かべた。ぬ~べ~が玉藻を助ける決意を固めていると、門がひとりでに開く。
九尾が咳き込みながらぬ~べ~に話しかけてきた。こちらの目的は既にわかっているようだ。自分の九本の尾、これは九つの魂で、その一本を与えれば玉藻は元の妖狐に戻れるそうだ。しかし、九尾に玉藻を助けてやるつもりはない。なぜなら、人間の愛を研究し人間の心を持とうとしたからだ。人間などという醜い生き物に近づこうなどという妖狐を助ける気にはならないと。
九尾はぬ~べ~を試す事にした。人間が醜くないことが証明できれば、ぬ~べ~の望みを叶えるという。郷子の顔が狐のように歪む。
「ククク…見返りがなければ腹が立つか… 利己主義」
「フ…自分より優れた者をねたむ 嫉妬」
「醜い、醜いのう… 憎しみ」
「醜い。エゴのかたまりめ」
「うるさい」と絶叫したところで、ぬ~べ~は自分が先ほどと変わらず九尾の面前にいるのに気がついた。九尾は人間の弱さを全て知っていて、ぬ~べ~は心を見透かされていた。森での出来事は全て幻だったのだ。醜くない事を証明するどころか醜いことを再確認させてしまい、九尾はぬ~べ~の頼みを聞くどころか「死ね」と言い放った。
目の前に痩せこけた老狐の姿はなく、威風堂々たる立派な狐が立ちはだかっている。これが九尾の狐の本当の姿。そのもの凄い妖気に、ぬ~べ~は体がすくんで動けない。最初の九尾の姿を見てなめてかかったぬ~べ~を、見かけだけで物事を判断する下等な人間だと断じる。 万事休す。九尾の放った炎がぬ~べ~を襲う。その時、玉藻がぬ~べ~を庇うように立ち塞がった。これには九尾も驚きを隠せない。
「!! こやつ…魂のぬけがらのはずなのに…!?」
こっくりさん・キューピッドさん・エンジェル様…呼び名は数あれど基本的に同じもの。
「エンジェル様」 の巻
この漫画「地獄先生ぬ~べ~」に感化され、自分も幽霊が見えると言う子やこっくりさん、霊視実験を試した子も多い。
※大変危険な遊びなので決してマネしないで!作者や編集部は責任を負えません!!
放課後の教室で「エンジェル様」に興じる4人の女生徒。こっくりさん・キューピッドさん・エンジェル様…呼び名は数あれど基本的に同じもの。
エンジェル様で恋占いをしてみるが、郷子と美樹は明らかに指に力を入れている。二人は10円玉を押しながら教室の外にまで飛び出し、ぬ~べ~に捕まってしまった。
こういう遊びを「テーブルティッピング」といい、明治時代に日本に入って以降何度かブームになったが素人がやると低級霊に取り憑かれたり自己暗示にかかって人格破壊されたりする恐ろしいゲームだ。
解散後、ルール通りに紙をバラバラにし、あとは10円玉を処分するだけ。美樹は公衆電話に10円玉を投入すると、小学生にあるまじきイタズラ電話を掛けた。電話口から返ってきた返事は…「おまえは死ぬ」
素人のやるテーブルティッピングは何を呼び出すか予想がつかない。事によるとぬ~べ~の手に負えないかも。そう前置きして悪霊を呼び出すと、凄まじいまでのラップ音が響き渡る。呼び出されたのは……エンジェル。神名にある国常立日昇之尊。それは妖怪でも悪霊でもない……神だ!!
エンジェルはいたずらに自らを呼び出し弄んだ美樹に神罰として死を与えるつもりだ。しかし流石のぬ~べ~も神には逆らえない。美樹は必死ですがる。今までの行いを反省し、態度を改める事を約束する。トイレ掃除の罰も甘んじて受ける。するとぬ~べ~は笑みを浮かべ、エンジェル様に向けて鬼の手の封印を解きだした。
「なにがエンジェル様だー!」
神をも恐れぬ鬼の手がエンジェル様に叩きつけられる。エンジェル様はその姿を豚に変え、消滅した。これは「はぐれ稲荷」といって、低級な動物霊だが悪知恵がきく。神のフリをして人間をだましていい気になっているのだが、こっくりさんの正体は大抵これだという事だ。
吸血鬼ドラキュラ
生気を吸い尽くされた女性はミイラと化した。ドラキュラは実在した。15世紀ルーマニアのヴラド=ツェペシ公がそれである。国防の為とはいえ多くのトルコ兵を虐殺し、その業によって妖怪化し何百年も生きたといわれる。この事件を美樹は現代に蘇った吸血鬼の仕業だと論じる。
昼間、美樹にしるしをつけた男が、コウモリの羽で飛んで童守小に接近する。この男の気を察知してぬ~べ~が接近に気がついた。その気はとても強力だ。
それはいかなる快感にも勝る満足感を彼に与えた。そして彼は次々に人間を襲ってその気を吸った。やがて、体内に溢れる気は彼の肉体に変化を促し、歳もとらない超人に生まれ変わったのだ。
超人ではなく妖怪の間違いだとぬ~べ~。なんと言われようが構わず、男は美樹の気を吸おうと口を変形させる。そうはさせじと鬼の手を出すと、その強力な気に男は注意を向けた。
自分と同じく気を操る力があるのだと判断した男は、さぞ美味だろうとその口を鬼の手に向ける。鬼の手は根元から吸い尽くされてしまった。 男はかつてない気を手に入れた。男の体中に力が溢れてくる。「今にもはりさけそうだ」その言葉が終わるか終わらないかのうちに、暴走した鬼の手によって男の体は本当に内側から張り裂け、無残に四散しててしまった。
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