悪夢に巣食う殺人鬼のフレディ・クルーガーで有名な、超自然的スラッシャー映画『エルム街の悪夢』シリーズ(全9作品)のトラウマシーン(殺人鬼のフレディ・クルーガーの残虐ながらもコミカルで奇想天外な殺害方法(悪夢)・壮絶な死亡シーン(現実)・主役のヒロイン(ファイナルガール)とフレディの死闘・作品ごとのフレディの撃退方法など)のまとめ。
『エルム街の悪夢』
80年代半ばのスプラッターホラー映画ブームを大いに盛り上げた名作。ウェス・クレイヴン監督の出世作。ティナが天井に張り付けられたまま切り裂かれたり、無名時代のジョニー・デップが演じるグレンがベッドに引き込まれると血が大量に吹き出したり…フレディ・クルーガーの血みどろながら幻想的な殺し方にも他にはない味があった。
ナンシーが見た悪夢…授業中の教室での居眠りで、遺体袋のティナの姿を目撃し、ボイラー室でフレディと恐怖の初対面。
授業中の教室で居眠りするナンシー。気が付くと悪夢の真っただ中…。眠ると「夢の世界」の中でフレディ・クルーガーに襲われて死ぬ…。
透明の遺体袋に収容された血まみれのティナが語りかける「ナンシー…」…。すでに悪夢の中にいるナンシー以外には誰も遺体袋のティナのことに気が付いていない。もう一度振り返るとティナの姿は消えており、不思議に思ったナンシーは教室を出ていき外に探しに行く。
教室から廊下に出ると、血まみれのティナが収容された遺体袋が見えない誰かによって引きずられている…。フレディの悪夢の世界のため奇想天外な超自然現象が起きる。そこが魅力。
ボイラー室に入ったナンシーは、フレディと初対面する。ナンシーは「あなたは誰?」と問う。襲い掛かってくるフレディ。
行き止まりに追い詰められるナンシー。このフレディの悪夢から逃れる…夢の中の世界から目覚める(現実の世界に戻る)ために、ナンシーは、目の前にあったボイラー室の高熱の配管(パイプ)に腕を当てて、火傷するほどの熱さ(痛み)で無理やり悪夢から目覚めて難を逃れた。
目覚めたナンシーは、火傷した腕の痛さのために教室で悲鳴を上げていた。周りはびっくり。夢の中で負った火傷が、現実でも火傷になっている…夢が現実化する恐ろしさ。
ナンシーが見た別の悪夢にも「遺体袋のティナの姿」が登場
上半身が露出するくらい遺体袋のジッパーが開いている。露出している美しいティナの顔。右目から血の涙を流している。
遺体袋の中のティナの口からムカデが出てくる有名なトラウマシーン。ホラー映画史に残る幻想的な美しく恐ろしい映像(この画像は宣材用のイメージであり劇中のものではない)。この悪夢を見ている間もナンシーとフレディの追いかけっこは続いている。家にナンシーは逃げ込んだ。2階へ向かう階段に足を取られるナンシー。
玄関のドアのガラスを叩き割って、顔を中に入れてくるフレディ。ティナの顔のマスク(デスマスク)をしているフレディ。この玄関のドアはラストシーンで再登場する。
ティナの顔マスク(デスマスク)を外したフレディ。
ティナ・グレイの有名な空中浮遊の殺害シーン…フレディの自然の摂理を超越した奇想天外な殺害方法(悪夢)。
女子高生のティナは夢の中で鉄の鉤爪を付けた男に追われる悪夢にうなされる。ティナはロッドとセックスをして眠りにつくと、夢の中でフレディに遭遇し鉄の爪で引き裂かれて血まみれになってしまう。
腹を切り裂かれたティナは、血まみれになりながら、宙に浮き上がっていく…超自然現象が起きる。目覚めたロッドは引き裂かれていくティナ(まるでポルターガイスト現象)をどうすることも出来ずに絶望する。
ロッドから見ると…腹を切り裂かれたティナは、血まみれになりながら、宙に浮き、壁と天井に張り付いたまま引きずられる。フレディの衝撃的な殺害方法(悪夢)。
ナンシーが部屋に来た時には、血みどろになったティナの凄惨な遺体が…。
殺人鬼フレディは、夢の中に住む殺人鬼なので、その殺害方法は、残虐でありながら、自然の摂理を超えた超自然的・奇想天外なものばかりである。
悪夢に巣食う殺人鬼のフレディ・クルーガー。眠っている人の夢に出現し、右手にはめられた鉄の爪で相手を引き裂く殺人鬼。
電話の受話器から殺人鬼フレディの舌が出てくる有名なシーン。気が付いたら悪夢の真っただ中にいるという恐怖を感じられるイメージ。
ナンシーは授業中や風呂場で居眠りするとフレディが現れて浴槽に引きずり込まれる。やっとティナの言ってた事を信じたナンシーはグレンにうなされたら起こしてと見張りを頼んで眠りにつく。グレンも居眠りしてたので起こしてもらえずフレディに追い回されて酷い目に遭う。
アワの中からゆっくり主人公の「ナンシー・トンプソン」の股間に近づくフレディの鉄の爪。ホラー映画史に残る刺激的な名場面。
『エルム街の悪夢』を象徴する最も有名なシーン。お風呂で眠ってしまったナンシーが見る悪夢。お風呂で眠ってはいけません(日本での劇場公開当時の宣伝文句)。この有名なナンシーの入浴シーンの悪夢は2010年のリブート版でも再現されている。
フレディの正体に関わる大人たちが隠し続けてきた重要な秘密
母のマージ・トンプソンはナンシーにフレディの真実を話す。フレディは子供を20人以上殺した殺人鬼として逮捕されたが無罪釈放され、それを不服とした住民によって家に火を付けられて殺された。
オリジナルでは連続児童殺害事件の容疑者だったが、裁判における精神鑑定の結果として無罪放免となったため、納得のいかない遺族達により住処ごと26歳と言う年齢で焼き殺されてしまう。ところが、フレディの邪悪な魂は3匹の悪魔により怪物として復活、悪霊となり、以後夢の中での殺人を繰り返すこととなる。
ジョニー・デップにとっては、映画・初出演作。無名時代のジョニー・デップが演じているナンシーの恋人のグレン・ランツの最期
無名時代のジョニー・デップが演じるグレン・ランツは、主人公のナンシーの恋人。ナンシーが夢の中の事を話すが、信じようとしない。
ナンシーは、グレンにも寝ないよう呼びかける。夜中に電話で起こそうとするが、両親によって妨害されてしまう。眠ってしまったグレンはベッドに引きずり込まれて部屋中血まみれの地獄絵図に。大量の血を吹き出すグレンの奇想天外な殺害方法は、シリーズの特徴を伝える代表格のひとつ。
フレディに一騎打ちを挑むナンシー・トンプソン…「フレディの撃退方法」は、各作品ごとに異なる最大の見せ場。
ナンシーは意を決して眠りについて夢の中でフレディに火を付けて反撃。
フレディは、夢の中では不死身であり、撃退するのに何らかの特殊な方法が毎回用いられている。
ナンシーが最後の手段として、グレンの言った「背を向けてエネルギーを奪う」の言葉通りにするとフレディは消滅。
犠牲者(被害者)のフレディに対する恐怖心(恐れ)がフレディの力の源になるため、フレディを恐れず、ナンシーは心を落ち着かせて穏やかにフレディに対して背を向けた。フレディは背を向けたナンシーに突撃しようと試みるが、力尽きて消滅してしまった。
衝撃のラスト…「夢の世界」(悪夢・フレディの世界)と「現実の世界」の境目があいまいに…突如フレディが現れた
「キャリー」や「13日の金曜日」の有名なラストシーンをオマージュしたような、「エルム街の悪夢」のラストシーン。「サスペリア」のパットの殺害シーンの影響も受けている。
ドアを開けるといつものようにグレンたちが迎えに来てくれてた。ナンシーは、車に乗り込んで出発するが、突然すべての窓がしまって車は勝手に発進。見送っていた母はフレディに窓から引きずり込まれる。
フレディが消滅し、ナンシーが目覚めるとそこでは死んだはずの友人も母親も生きていた。すべては元通りの現実の世界に見えたが、そこに突如フレディが現れたのだった。物語は現実と虚構の境目が分からなくなる。
『エルム街の悪夢2 フレディの復讐』
ジェシーは引っ越してきて以来毎日のように、スクールバスの運転手が爪の男になって襲ってくるという悪夢にうなされていた。ある日、ジェシーは押し入れからその家の前の住人であるナンシーが書いた日記を発見し、彼女もまた自分と同じように、フレディという怪人に襲われる悪夢に悩まされ、そして戦ったことを知る。
本作のフレディ・クルーガーは、眠りに落ちた者を夢の中で襲う前作とは異なり、本作では眠りに落ちたジェシーの肉体を乗っ取り現実世界でも殺戮を行う。
「エルム街の悪夢」シリーズ通して人間の主役は女性であったが、この作品のみヒロインはあくまでサポートの立場になり、男性(ジェシー)が主役となっている。
ジェシー・ウォルシュは、ウォルシュ家の長男で、今作の主人公。ナンシーの日記を発見し、フレディの存在を知る。フレディに体を乗っ取られる。
ジェシーのお腹から飛び出してくるフレディ…SFホラーの金字塔「エイリアン」の最も有名なシーンのオマージュ。
ジェシーの胸を引き裂いて飛び出してきたフレディ…。ロン・グラディは、ジェシーの体からフレディが現れた直後殺害される。
リサ・ウェッバーは、ジェシーの体を乗っ取ったフレディと対決する。
リサはジェシーに対して愛の告白をし、ジェシーの体を乗っ取っているフレディにキスをする。ジェシーも戦いを再開する。
フレディは燃やされ灰になった。
そこからジェシーが現れた。リサとジェシー、二人の愛の勝利。
悪夢から抜け出せない無限ループ的な結末。
スクールバスに乗っているジェシーは、スクールバスの運転手が爪の男になって襲ってくるという以前見た悪夢に近い嫌な感覚を感じ始めていた。嫌な予感。
ナーバスになり始めたジェシーをリサが落ち着かせる。そしてリサの友達のケリーも、「大丈夫…すべては、もう終わったのよ…」とリサに同調してジェシーの心を落ち着かせようとしているところ、突然、ケリーの胸がフレディの腕に貫かれた…。ジェシーとリサの悲鳴が響き、フレディの笑い声がこだまする…終わっていなかった…またもや悪夢のはじまり…。
『エルム街の悪夢3 惨劇の館』
修道女(シスター)のメアリー・ヘレナ(実は、アマンダ・クルーガーと同一人物)によってフレディ・クルーガーの出生の秘密が明かされる。
修道女のメアリー・ヘレナ(の幽霊)は、ニール医師に、「フレディの出生の秘密」と「フレディの撃退方法」(フレディの遺体の正規の埋葬をすること=骨を休めること)を教えてくれた。
出生については、精神異常者の刑務所に修道女として働いていたアマンダ・クルーガー(ラストに、この修道女のメアリー・ヘレナがアマンダ・クルーガーと同一人物であることが分かる)が、手違いにより刑務所に閉じ込められ、凶悪な囚人達による数百回に及ぶレイプの末に身篭った子供であり父親は不明であることが、アマンダ(メアリー・ヘレナ)自身(の幽霊)により語られている。
外見は、生前はいたって普通の人間であり、幼少期も父親になってからも奇形というわけではなかった。少年期はその出生の生い立ちゆえに苛められ、動物虐待を繰り返し、母親が再婚してからは再婚相手に虐待されたため精神が歪み、結果として何人もの子供を殺すにいたった。
夢遊病の病院患者フィリップ・アンダーソンは、操り人形のように操られ、最後は、まるで飛び降り自殺したかのように…独創的かつ残虐な殺害方法として名高い。
手足に紐を結び付けた操り人形のように夢の中でフレディに操られる。現実の世界の人からは夢遊病者が歩いているようにしか見えない。
最後はフレディが操り人形の紐を切ると、高所から落下していく。フレディの夢の中にいない現実の世界を見ている周りからは、飛び降り自殺しているように見える。
フレディの指が注射器に…タラン・ホワイトは両腕にフレディの両手の指と一体化した恐ろしい注射器を刺される…
タラン・ホワイトはフレディの悪夢に苦しむ、病院の患者。昔は不良だった。クリスティンらと共にフレディと対決する。
当初、フレディは冷徹な殺人鬼として描かれていたが、シリーズを追うごとにブラックジョークを口にし、残虐ながらもコミカルな殺害方法を見せるようになっていく。
ジェニファーは、原因不明の悪夢に悩まされる。女優志望だった。あっさりフレディに殺される。
クリスティン・パーカーは、今作の主人公。「絶叫少女」と異名を取る。フレディの夢を見て、ナイフで手首を切り精神異常者としてウェストンヒルズ病院へ運ばれる。フレディと対決する。
エルム街の女子高生・クリスティンはフレディによる悪夢に悩まされ、とうとう精神病院に入院してしまった。精神病院では同じくフレディの悪夢に悩まされる子供たちで溢れていたが、医者にはロクに相手にされなかった。そこへある日、夢心理学の研究生となったナンシーが来院する。病院の医師のニール・ゴードンとナンシーの父親のドナルド・トンプソンは、共に、フレディの遺体の捨て場所へ向う。フレディの遺体を見つける。
フレディは、現実の世界では、その力は存分に発揮できずに弱体化するが、本作では超常的な力で白骨死体のまま暴れ、ドナルド・トンプソンを殺害している。ナンシー・トンプソンは、1作目の主人公。大学院生の研究員。病院で暴れるクリスティンを説得する。クリスティンと共にフレディと対決する。
フレディは、殺害したナンシーの父親のドナルド・トンプソンの振り(変装)をして、ナンシーを油断させて、鉄の爪で腹部を刺し貫いた。完全に死亡したと思っていたナンシーが実はまだ生きており、油断したフレディは、自身の鉄の爪を使ったナンシーの一撃を食らい大きなダメージを受ける。
ナンシーの命がけの攻撃を受けたフレディー
医師のニール・ゴードンはフレディの遺体(白骨死体)に聖水をかけて浄化する…。
ニール・ゴードン医師が必死にフレディの遺体(白骨死体)に十字架をかざして浄化する…。するとフレディの額に十字架の光の刻印が刻まれる…かなりの浄化効果…。
修道女(シスター)のメアリー・ヘレナ(実は、アマンダ・クルーガーと同一人物)によるフレディの撃退方法の指摘通り、3作目ではフレディの遺体(白骨死体)が聖水と十字架によって浄化され、埋葬されること(正規の埋葬をされる事)により倒されている。
ナンシーを抱きかかえるクリスティン・パーカー。まもなくして、ナンシーは死亡した。
病院の患者たちの葬式の間に、ニールは、「アマンダ・クルーガー/メアリー・ヘレナ」の墓を見つけた。修道女のメアリー・ヘレナは、ラストにフレディの母親のアマンダ・クルーガーだと判明する。幽体であり、実体がない。
『エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター 最後の反撃』
アリス・ジョンソンは、本作の主人公。デニスの娘でリックの妹。クリスティンの意志を継ぎ、夢を自在にコントロールする「ドリームマスター」としてフレディと戦う。
アリスの友人のデビー・スティーヴンスは、ゴキブリになってしまうという酷い死に方。ゴキブリにされて、フレディに握り潰されてしまう。
ゴキブリになったデビー・スティーヴンスは、ゴキブリ捕獲器の中にいる。
ゴキブリになったデビー・スティーヴンスは身動きができなくなる。
見た目が完全にゴキブリに…ゴキブリ捕獲機ごとフレディに握りつぶされ殺された。
クリスティン・パーカーは、3作目『エルム街の悪夢3 惨劇の館』の主人公で生存者。前作でフレディの悪夢から生還したが、また悪夢に悩まされるようになり、フレディに悪夢の中で焼却炉に投げ込まれ、焼き殺される。この直後、アリスは、クリスティの魂(意思・パワー)をフレディを経由して受け取る。
次々とフレディの毒牙に倒れた仲間の力を一身に背負った新女主人公アリス・ジョンソンが敢然とフレディに立ち向かうクライマックス
アリス・ジョンソンは、クリスティンの意志を継ぎ、夢を自在にコントロールする「ドリームマスター」としてフレディと戦う。
ドリームマスターのアリスは兄のリック・ジョンソンの東洋武術の空手など友人たちのドリームパワーを使ってフレディと戦うが、夢の中では不死身の彼には通用しない。
4作目では鏡で己の姿を見るのがフレディの弱点とされている。
鏡で己の姿を見ること、鏡の反射によって、フレディの体内にいる犠牲になった大勢の魂が反乱を起こした。
反乱を起こした魂が引っ張り合うことで、フレディの体が引き裂かれていく。
アリスの友人たちの魂も解放された。魂が抜けて、空っぽの抜け殻となったフレディは消滅した。
平和な日々が戻り、ダンとアリスはデートをしていた。ダンがコインを噴水にトスしたところ、コインが着水する噴水の水面には、フレディの姿が…「フレディは生きている」ことを暗示して終幕。
『エルム街の悪夢5 ザ・ドリームチャイルド』
前作でアリスに倒されたフレディは、彼女が身籠った赤ん坊の夢の中に侵入し、体を乗っ取って生まれ変わることを企んでいた。やがてアリスはフレディの野望に気付き、友人たちと共に自身の子どもを守るため戦いを挑む。
アリス・ジョンソンは、本作の主人公。ドリームマスターの能力があり、前作でフレディを倒した。今作でまたフレディが蘇ったため、マークとイボンヌと共に再びフレディに戦いを挑む。
アリスの親友のグレタ・ギブソンは、母親に化けたフレディの罠にはまってしまう。
アマンダが生んだ幼児のフレディが大人のフレディに変化して復活
3作目「エルム街の悪夢3 惨劇の館」に登場するアマンダ・クルーガーの霊によって、「精神異常者の刑務所に修道女として働いていたアマンダ・クルーガーが、手違いにより刑務所に閉じ込められ、凶悪な囚人達による数百回に及ぶレイプの末に身篭った子供がフレディ・クルーガーである」とフレディ・クルーガーの出生の秘密が明かされた。アマンダ・クルーガーが若かりし姿で登場する本作にて、このおぞましい悪夢のような光景の一部が描かれた。
夢の中でアマンダが妊娠し赤ちゃんのフレディを生む…
夢の世界の精神病院で修道女のアマンダ・クルーガーからフレディが生まれる瞬間の現場に立ち会ったアリスは、生まれ落ちた赤ちゃんのフレディが逃げていくのを追いかけていく。逃げた赤ちゃんのフレディは、前作の(アリスとフレディの決戦の場であった)教会に辿り着く。そこに落ちていたフレディの衣服の中に潜り込むと…赤ちゃんのフレディが大人のフレディに変化…フレディの復活。
アリスは体内にいるフレディを分離…アリスとフレディが分離するボディーホラーシーン
本作は、アリスの胎内に宿った赤ちゃん(ジェイコブ)の夢を利用してフレディが復活する話。
妊娠した赤ちゃんが夢をよく見ることで、頻繁にフレディに襲われる赤ちゃんの母体のアリス。ますます現実と夢の境目があいまいになる。そしてアリスの中にフレディが潜んでいた。体内に潜んでいたフレディが中から出てくる…フレディの鉄の爪がアリスの腕を突き破る。
体内のフレディが表面に表れてくる…アリスの顔が徐々にモーフィングしてフレディによく似た顔つきに…。
ジェイコブからフレディは中にいると知らされたアリスは、フレディを体から追い出そうとする。フレディは、アリスから分離する。
アリスの子のジェイコブ(ドリームチャイルド)の邪悪な力で幼児に戻り弱体化したフレディを、加勢に来たアマンダの魂が封印
アリスとダンの息子のジェイコブ(ドリームチャイルド)は、フレディに与えられた邪悪な力を活用して、フレディに攻撃をしかけ、フレディを幼児化させた。
ジェイコブは、シリーズの中でフレディを倒した唯一の男性キャラになる。ジェイコブは邪悪な力を口から吐きだして、フレディの体を貫き、体内の犠牲者の魂を引きずり出した。
フレディの犠牲になったアリスの友達と父親の魂を解放する(前作のラストシーンと同様に犠牲者の魂が引っ張り合いをして体から抜ける)ことで、フレディは力のない幼児に戻った(復活前と同じように、「赤ちゃんのフレディ」と「衣服」だけに分離した)。
また弱体化してフレディの邪悪な力が減少したことで、アリスの子のジェイコブも小さな幼児に戻り、アリスに抱きかかえられながら子宮に戻り消えていった。数か月後、無事にアリスはジェイコブを出産した。
第5作では、アマンダ・クルーガーの魂が加勢した(止めを刺した)。アマンダ・クルーガーは、どこかに幽閉されており、フレディ打倒のために自身を解放するようアリスに依頼していた。
アリスの親友のイボンヌにより死体を発見してもらい解放されたアマンダは、赤子になったフレディをお腹に戻し、二度とアリスに害を与えぬように封印した。
アマンダに封印されたフレディは必死の抵抗を見せる。フレディは、アマンダのお腹から逃げ出そうと抵抗し続ける。アマンダも必死にフレディを抑え込む…封印が完全に成功したのかは不明。
『エルム街の悪夢 ザ・ファイナルナイトメア』(1991年)
『エルム街の悪夢』シリーズ第6作であり、完結編。第一作目に出演したジョニー・デップがゲスト出演(カメオ出演)している。
フレディの邪悪な魂は3匹の悪魔(夢魔)により怪物として復活、悪霊となり、以後夢の中での殺人を繰り返すこととなる。
今作では、フレディ・クルーガーが何故殺人鬼になったのか、生前の姿や家族のことなども明かされ、実の娘と最後の対決をする。
マギー・バローズ / キャサリン・クルーガー(演:リサ・ゼイン)は、未成年者橋正所の指導者で今作の主人公。ジョンやトレイシー達と共にスプリングウッド祭に行くが、誰もおらず、そこで「行方不明」、「指名手配」、「死体発見」などの新聞の切り抜きを発見する。途中でフレディの娘のキャサリン・クルーガーだと明らかになる。
フレディ・クルーガーは妻子を持った時期があるが、クルーガーの地下室を覗き秘密(児童連続殺人鬼の本性)を知ってしまった妻はその手で殺害し、娘は孤児院に引き取られた。第6作では成長した娘を狙って暗躍するが、返り討ちに遭う。
フレディを夢の世界から現実に引っ張り出す作戦で勝利…フレディと実の娘のマギーの一騎打ちの白兵戦に。
現実世界にフレディを連れ出したマギー。鉄の爪をフレディの腹に突き刺す。
フレディの鉄の爪で与えた腹部の傷口にパイプ爆弾を突き刺すマギー。
腹部の傷口に差し込まれたパイプ爆弾が大爆発して、フレディは、爆発炎上…消滅するが…
現実世界では、3匹の悪魔(夢魔)でもさすがにフレディを再生・復活させることはできなかった。フレディは消滅する…。
消滅したフレディから3匹の悪魔(夢魔)が飛び出した。
『エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア』
『エルム街の悪夢』シリーズの七作目であり、番外編にあたる作品。日本では劇場未公開で、ソフトが発売されたのみ。
映画の中のキャラクターだったフレディが現実世界に現れるメタ・フィクション構造のエルム街の悪夢。1作目の映画の中で「ナンシー・トンプソン」を演じた主演女優のヘザー・ランゲンカンプの現実世界にフレディが現れるというメタ設定。
口を大きく開けてディランを食べようとするフレディ
ディラン(演:ミコ・ヒューズ)は、ヘザーの息子。夜中に1人でエルム街のビデオをみたりと心配したヘザーは、病院に入院させ検査を受けさせる。
ディランはフレディから逃げようと、焼却炉の中に隠れた。フレディは腕を長く伸ばし、口を大きく開けてディランを食べようとした。フレディの特徴である鉄の爪や火傷の顔は今までのシリーズとは異なるデザインになっている。
フレディは大口を開けて、ディランを食べようとしたが、ヘザーが攻撃をしてそれを阻止する。
フレディの長い舌に撒かれるヘザー
ヘザー・ランゲンカンプ(本人役)(演:ヘザー・ランゲンカンプ)は、映画の中で「ナンシー・トンプソン」を演じた俳優。今作では、現実世界に出たフレディと戦う。
フレディを焼却炉で燃やす
ヘザーとディランは力を合わせてフレディを焼却炉に閉じ込めて、点火し猛烈な炎で彼を燃やした。
『フレディVSジェイソン』
「エルム街の悪夢」シリーズと「13日の金曜日」シリーズのクロスオーバー作品で、前者の第8作目、後者の第11作目にあたり、『エルム街の悪夢 ザ・ファイナルナイトメア』(1991年)、『13日の金曜日 ジェイソンの命日』(1993年)の後が舞台。
『13日の金曜日』のジェイソンと『エルム街の悪夢』のフレディが夢の対決をする。
フレディが人々の夢に侵入し殺戮を繰り返した惨劇からすでに10年。現在、エルム街にあるフレディの古い屋敷に住む家族は、フレディの復活を怖れて夢を見ないよう細心の注意をしていた。もう若者たちの中にフレディの存在を知る者はほとんどいなかった。こんな状況はフレディにとってとても耐えられるものではない。そんな時、フレディはもう一人の殺人鬼ジェイソンの存在を知る。彼を利用することで再び地獄から這い出てエルム街に恐怖をもたらすことができると思いついたフレディは、さっそくジェイソンの夢に忍び込むのだったが…。
トレイ(演:ジェシー・ハッチ/吹替:武藤正史)は、ギブの恋人。本作におけるリア充。背中をジェイソンにメッタ刺しされた上で、最後にベッドごと背骨が折られる壮絶な最期。
ローリー・キャンベル(演:モニカ・キーナ/吹替:岡寛恵)は、本作の主人公。フレディの屋敷で父親と2人暮らしの高校生。かつてフレディに母親を殺された過去を持つ。作中ではフレディとジェイソンの両方に狙われるというある意味贅沢な災難に直面する事に。
フレディを阻止したいローリーは睡眠状態に入りフレディを止めようとする。ローリーはそこで母親の死がフレディの仕業だったことを知る。現実の世界では目覚めたジェイソンが暴走しキーア、リンダマンが犠牲になってしまう。ローリーはフレディを現実世界に引っ張り出した。
フレディの最大の弱点は、人々が自分のことを恐れていなくては活動できないという自らの性質である。『フレディVSジェイソン』冒頭ではエルム街の大人達が緘口令を敷いたために子供達がそもそもフレディのことを知らないという状態にあったため、窮地に陥っていた。
また、自分への恐怖の強さにそのパワーは比例しているため、ほんの何人かが名前を知ったり思い出したりした程度では、満足に殺戮を行うことはできない(『フレディVSジェイソン』で、復活しかけの状態で男性を襲ったところ、鉤爪で体を貫いたにも関わらず殺すことが出来なかった)。
最後には、現実世界でフレディとジェイソンの激しい戦いが始まる。
現実世界では、夢の世界のように本来の力を発揮できず弱体化するフレディだが、本作『フレディvsジェイソン』では超人的な肉体能力をもったジェイソンと体術で互角に渡り合っている。
鉄の爪で顔面を刺されたジェイソン…ジェイソンはフレディに殺害される。フレディが勝利したかのように思われたが、母親の復讐のためローリーは火を放ち爆破する。
爆発に巻き込まれ炎上し吹き飛ぶジェイソンとフレディ。怒ったフレディはローリーに襲い掛かる。しかし、死んだはずのジェイソンが一瞬、海から浮上してきて、フレディの背後から、フレディの右腕(の鉄の爪)でフレディの心臓を貫いた…。ジェイソンの強烈な一撃(自身の鉄の爪)を受けたフレディは左手に持っていたナタを落としてしまう。
ローリーは、フレディが落としたナタを拾い、フレディの首を力いっぱいはねた。ローリがとうとう母親の仇を討つ。
ローリーのナタの一撃を受けて、首が吹っ飛ぶフレディ。
首チョンパされたフレディ…。
吹き飛んだフレディの生首は海に沈んでいく…。火の海の中ウィルを担ぎローリーは去っていく。
その後、ジェイソンが湖から出てくる。その手にはフレディの生首が。
しかし、フレディの首は薄気味笑いを浮かべジェイソンを見るのであった(ウィンクをするフレディ)。
『エルム街の悪夢』(2010年・リブート版)
ウェス・クレイヴン監督の傑作ホラー「エルム街の悪夢」をリメイク。
リメイク版のフレディ・クルーガーは幼稚園の地下に住んでいた庭師兼管理人で、園児たちに一番好かれていた人だが裏で性的な悪戯と復讐心を持っていた男。秘密の穴に子供たちをつれて行ったことをしていたことが親たちにばれてしまい、無実を主張するも生きたまま火炙りにされてしまう。しかし夢の中に現れる殺人鬼として復活し、当時幼稚園に通っていた児童たちを狙う。
1作目の見せ場・名場面のオマージュが随所に施され見どころ満載。
ナンシー・ホルブルックのお風呂シーンの悪夢は、1作目の「ナンシー・トンプソン」の股間に近づくフレディの鉄の爪の名場面をオマージュしたもの。
ナンシー・ホルブルック(演:ルーニー・マーラ、日本語吹替 – 三ツ木勇気)は、クエンティン、ジェシー、クリス、ディーンの4人と一緒に悪夢にうなされている。クエンティンと共にフレディと戦う。主人公のナンシー・ホルブルックが目撃する悪夢のシーン。見えない何者かに血みどろの女性の遺体袋が引きずられている。1作目の「遺体袋のティナ」のオマージュ。再現率が高いオマージュ。
1作目の「遺体袋のティナ」と同様に、女性の右腕が遺体袋から飛び出しているところも、再現されている。
クリステン・フォーレン(演:ケイティ・キャシディ)の殺害方法は、1作目のティナ・グレイの有名な空中浮遊の殺害シーンをオマージュしたもの。残虐性は控えめになっている。
ナンシーの母親が巻き込まれる衝撃のラストのオマージュは残虐性が異常に高まっている。
ナンシーの母親の背後にある鏡の中に、フレディが突然表れた…。1作目のラストシーンのオマージュ。
ナンシーの母親は、背後からフレディの鉄の爪で顔面を貫かれ、鏡の中に引きずり込まれて消え去った。残虐性が大幅に高まったオマージュになっている。