初代ウルトラマン(1966年)の衝撃的なトラウマシーン・トラウマ回(怖い話・ホラー回・トラウマ怪獣)をまとめた一覧。初代ウルトラマンの敗北シーン・やられシーン・ピンチシーンなど特撮史に残る過激な表現、懐かしい名場面やショキングな残酷シーン・トラウマシーンで満載。
初代ウルトラマン
『ウルトラマン』は、1966年7月17日から1967年4月9日まで、TBS系列で毎週日曜19:00 – 19:30(JST)に全39話が放送された。武田薬品の一社提供枠「タケダアワー」内で放送。TBSにて最初にカラーで放送された特撮テレビ番組。空前のブームとなった(最高視聴率42%の特大ヒット)。『ウルトラマン』(TBS)の放映によって、子供たちの間に「怪獣ブーム」と呼ばれる爆発的な社会現象となった(1966年(昭和41年)から1968年(昭和43年)頃の第一次怪獣ブーム)。
初代ウルトラマンは、歴史上人類と初めて接触したとされているM78星雲出身のウルトラ戦士。第1話「ウルトラ作戦第一号」で赤い球に姿を変えて凶悪な宇宙怪獣ベムラーを追っていたが、その際に誤って衝突し死なせてしまった科学特捜隊のハヤタ・シンの命を救うために彼と命を共有(一心同体=融合)しており、普段は彼の姿で人間として暮らしている。
ウルトラマンのテレビサイズのオープニング
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『ウルトラマン』第1話「ウルトラ作戦第一号」/ 赤い玉(ウルトラマン)と衝突し命を落とすハヤタ隊員
小型ビートルが青い球に接近したとき、突然、赤い球(ウルトラマン)が現れた。ハヤタ「あっ、あっ、うわあああああああーっ!!」
科学特捜隊のハヤタ隊員は小型ビートルで青い球体と赤い球体を追跡するが、赤い球体と衝突したうえに墜落死してしまう。
赤い球体の正体はウルトラマンだった。ウルトラマンは、赤い球に姿を変えて凶悪怪獣ベムラー(青い球体の正体)を追っていたがその際に科学特捜隊のハヤタ・シン(早田進)に誤って衝突し死なせてしまった。
M78星雲人の彼は、宇宙の墓場への護送中に逃亡した宇宙怪獣ベムラー(青い球体の正体)を追って地球までやって来た。そして、自分の不注意でハヤタを死なせたことに対する罪の意識からウルトラマンは、ハヤタに自分の命を分け与えて地球の平和を守るために戦うことを決意。こうして、ウルトラマンとハヤタは一心同体となった。
特撮史に光り輝く巨大変身ヒーロー「ウルトラマン」の初登場シーン(ウルトラマンとハヤタが会話するシーン)
墜落炎上の現場のハヤタの遺体が上空に舞い上がり、赤い球に吸い込まれていった(怪奇現象的にちょっと怖いホラー演出になっている)。
赤い球の中ではハヤタは球の中にいた何者かからテレパシーを受けていた。ハヤタ「おい誰だ、そこにいるのは」
落命したハヤタとの会話シーンで、ウルトラマンがぼやーっとでてくる。ここがウルトラマンの初登場シーン。伝説のはじまり。
ハヤタ「君は一体何者だ?」
ウルトラマン「M78星雲の宇宙人だ」ハヤタ「M78星雲の宇宙人?」
ウルトラマン「そうだ…遠い宇宙からベムラーを宇宙の墓場に運ぶ途中、ベムラーに逃げ出されて、それを追って地球に来た。」ハヤタ「ベムラー?」
ウルトラマン「宇宙の平和を乱す悪魔のような怪獣だ」ウルトラマン「申し訳ないことをした、ハヤタ隊員。その代わり、私の命を君にあげよう。」
ハヤタ「君の命を…君はどうなる?」
ウルトラマン「君と一心同体になるのだ。そして、地球の平和のために働きたい」(ベーターカプセルが落ちてくる)
ハヤタ「これは何だ?」
ウルトラマン「ベーターカプセル」
ハヤタ「ベーターカプセル?」
ウルトラマン「困ったときに、これを使うのだ…そうすると…」ハヤタ「そうするとどうなる?」
ウルトラマン「はっはっはっは(不気味な笑い声を響かせる)。心配することはない」
赤い球体は爆発四散した。ウルトラマンとハヤタ隊員の姿(死体・遺体)は消えた。
ハヤタ隊員の墜落現場に駆け付けた科学特捜隊のイデ隊員「やっぱりハヤタのビートルだ…キャップ、キャップ…あれじゃあ、助からねえな…」
同僚のアラシ隊員「しかしハヤタの死体がないっていうのは変ですね」自分の不注意でハヤタを死なせたことに対する罪の意識からウルトラマンは、ハヤタに自分の命を分け与えて地球の平和を守るために戦うことを決意。こうして、ウルトラマンとハヤタは一心同体となった。
ウルトラマンとハヤタが会話するシーンは、ウルトラマンの掛け声を担当する中曽根雅夫がアフレコ現場に間に合わず、急遽編集技師の近藤久が声をあてることになった。なお近藤は最終回「さらばウルトラマン」でもウルトラマンの声をあてている。
ウルトラマンAタイプは、頬がこけて皺のよったような顔が特徴的であり、少し不気味な印象かもしれない。「ウルトラマンAタイプ」(もっとも初期に使用されたスーツ及びそのマスク)特有のラテックス製の顔の表面、上アゴの形状(頬がこけて皺のよったような顔が特徴的)が苦手、怖いと思う人は多い。
帰ってきたウルトラマン以降は人形が用いられたが、初代ウルトラマンの変身シーンは「ウルトラマンAタイプ」の着ぐるみが用いられている。
変身・巨大化時の「右手を宙空に突き上げ、左手は顔の隣に置く」ポーズ(ぐんぐんカット)はウルトラマンの代表的なポーズとして以降のシリーズでも踏襲されている。
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『ウルトラマン』第2話「侵略者を撃て」 / 初代「バルタン星人」の怪奇アクション・ホラー演出
初代「バルタン星人」は、夜闇のビル街を動き回る人類の理解を超えた不気味な存在としてホラーチックに描かれていた。子供には怖い怪奇色が強い演出。
- 分身能力で暗躍するバルタン星人の不気味な笑い声が響く。「フォッフォッフォフォッフォッフォフォッ・・・」
- アラシ隊員が調査に向かうが、既に科学センターを占拠していた謎の宇宙人が放つ怪光線によって動きを封じられてしまう。宇宙人の名は、バルタン星人。バルタン星人との交渉のため、ハヤタとイデが科学センターに急ぐが…。
ウルトラ怪獣(宇宙人)でトップクラスの知名度を誇る宇宙忍者バルタン星人が初登場。ウルトラ戦士とバルタン星人の因縁の戦いはここから始まった。
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『ウルトラマン』第12話「ミイラの叫び」 / 怪奇色が濃いミイラ人間の恐怖…モンスター系ホラー映画のような展開。トラウマ必至のグロテスクな姿。
ミイラ人間は、鬼の台丘陵の中の洞窟で7000年間眠り続けていたミイラ。岩本博士により東京まで運ばれたが、再び洞窟に戻るために念道力を使って自らの体に電撃を浴びせて復活した。
ミイラ人間は、科学センターに運び込まれ保管されたが、その夜に自身の念力で電源装置を動かし、電気のショックで復活した。
ミイラ人間は、猿人の様な姿をしており、極めて不気味。劇中では「ミイラ」と呼ばれていた。子供が泣き出すレベルのトラウマ必至のグロテスクな姿。
ミイラ人間は、センターの警備員二人を殺害し逃走、再び洞窟に戻って眠りに着こうとしたが、科特隊によって下水処理場に追い詰められる。
ミイラ人間は、不気味な唸り声でドドンゴを呼び出すが、アラシ隊員のスパイダーショットの一撃を受けて倒された。
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『ウルトラマン』第18話「遊星から来た兄弟」/ ザラブ星人の化けた元祖「にせウルトラマン」…人相の悪い「偽物ヒーローキャラ」の草分け的存在
ザラブ星人の化けた元祖にせウルトラマン。明らかに一目で分かる偽物だが、誰も気が付かなかった事で有名…。にせウルトラマンの「目が吊り上がっている(目つきが悪い)」、「爪先が尖っている」という(本物との違い)特徴は以後の偽者に受け継がれていく。人相の悪い「偽物ヒーローキャラ」の草分け的存在であり、ウルトラシリーズに限らず後の作品の偽物キャラに与えた影響は大きく重要な存在。
ザラブ星人の化けた元祖にせウルトラマンとは、ハヤタ隊員を捕らえたザラブ星人が、ウルトラマンの評判を落とすために化けた姿。街にウルトラマンが現れ、建物を壊し始めた。にせウルトラマンだった。
映画『シン・ウルトラマン』ザラブ名場面映像【大ヒット上映中】
「私の名はザラブ。ウルトラマン同様他天体からの来訪者だ。“外星人第2号”に当たる」「君はもう私の物だ。ウルトラマン」
ザラブは、にせウルトラマンに変身し、自衛隊の横須賀基地を襲撃。
人類にウルトラマンの存在を危険視させることでウルトラマンを抹殺しようとし、さらにはベーターカプセルで変身する神永の映像をネットへ流出させ、地球で神永/ウルトラマンが不利になる状況を作り出す。神永の正体は世界中にバレてしまい、政府機関に狙われてしまったため禍特対に居られなくなり、身を隠す羽目になってしまった。
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『ウルトラマン』第19話「悪魔はふたたび」 / ドロドロに溶けて死亡してしまったバニラ
スーパーガンとスパイダーショットがバニラの背後に命中するが効果なし。原子弾が撃ち込まれ、バニラの目に命中。アボラスが容赦なく発泡攻撃。全身泡まみれのバニラ。グチュグチュと音を立てながら溶け始めます。泡を残し完全に溶けてしまったバニラ。
アボラスとのバトルは互角であったが、アラシ隊員の発射した原子弾を左目に受けてダウンしてしまい、その隙にアボラスの放った溶解液を大量に浴び、ドロドロに溶けて死亡してしまった。
霧状の溶解液を噴霧するアボラス
赤色火焔怪獣バニラは、ウルトラマンと戦う事無くアボラスの溶解泡をモロに浴び、溶けて死亡してしまった。
このドロドロに溶ける溶解シーンは、子供にとってなかなかショッキング
体勢を整えてスペシウム光線を放とうとした一瞬の隙を突いて、アボラスは、得意の霧状の溶解液を吐きつける。白い霧に覆われて姿が見えなくなったウルトラマン。徐々に霧が晴れ、ウルトラマンの姿が視界に見えてくる。「おっウルトラマンが!」ムラマツ隊長の指差す先には、スペシウム光線のポーズをとった姿勢のまま、ブクブクと不気味な音を発する白い泡に包まれて凝固するウルトラマンの姿があった。
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『ウルトラマン』第22話「地上破壊工作」/ 地底人(凶悪地底怪人)
- 地底人は、氷河期の到来以前の地殻変動のため、地下4万mの世界へ移住せざるを得なくなった古代地球人類が地下世界で独自の進化を遂げた種族。なお、リーダー格の地底人は「地底人X」と呼ばれている。劇中では女性工作員を含め数十人が登場している。
地底人(科学特捜隊パリ支部のアンヌ・モーハイム隊員の偽物(偽アンヌ))は、長い地下での生活で目が退化して無くなっていた。
地底人の女性工作員が、科学特捜隊パリ本部から来日したアンヌ・モーハイム隊員を誘拐し、彼女に成りすまして科特隊極東支部へ潜入、ハヤタを拉致。
科学特捜隊パリ支部のアンヌ・モーハイム隊員の偽物(偽アンヌ)「ここは地下4万メートルの場所。我々地底人がいよいよ、地球全体を征服する日が来たのよ」
(リーダー格の地底人)地底人X「ご苦労アンヌ。聞けハヤタ。我々は氷河期以前地殻変動で地下にもぐって以来、晴れて太陽の光を、浴びることの出来る日を待っていた」
地底人(凶悪地底怪人)は、一見普通の人間と変わらないが、長い地下での生活で目が退化して無くなっており、この特徴から正体が発覚しないよう、地上で行動する際は、常にサングラスを掛けて正体を隠している。台本では顔はのっぺらぼうと記載されていた。
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『ウルトラマン』第23話「故郷は地球」/ ジャミラの正体は人間だった
泥の中でのたうちまわるジャミラは、視聴者にトラウマを刻み込んだ。
ジャミラは、『ウルトラマン』第23話「故郷は地球」に登場する怪獣。怪獣ジャミラの正体は、人間衛星の宇宙飛行士のジャミラさんだった。正真正銘の地球人であった。後味の悪い結末は視聴者の多くにトラウマを残した。地球人の宇宙飛行士:ジャミラが過酷な環境に適応して変貌を遂げた怪獣。元人間だった宇宙飛行士ジャミラの復讐と悲劇を描いた。
ムラマツとハヤタがアランに怪獣の正体を質問したところ、アランは躊躇しつつも衝撃の事実を語った。
「諸君、あれは怪獣なのではありません。あれは……いや、彼は我々と同じ人間なのです」
その正体は、かつて宇宙開発競争時代に某国が打ち上げた有人衛星に搭乗していた宇宙飛行士ジャミラ。彼の乗っていた宇宙船は遭難し、宇宙を漂流した末に空気も水もない惑星に不時着したが、某国は実験失敗による国際社会の批判を恐れてこの事実を隠蔽してしまった。ジャミラはその惑星の過酷な環境が影響して、棲星怪獣ジャミラへと変貌し、自分を見捨てた地球に復讐しに現れたのだった。
駆けつけたイデは、あまりの惨状を見かねてジャミラに思わず叫んだのだった。
「ジャミラてめぇ!人間らしい心はもうなくなっちまったのかよーーーーっ!!!」
ウルトラマンは、手からジャミラに向けてウルトラ水流を発射した。大量の水を浴びたジャミラは、たちまち体が崩れ始め断末魔をあげ、泥まみれになりながらもがく。
その動きはやがて弱まっていき、とうとううつ伏せに倒れ動かなくなった。彗星怪獣ジャミラは絶命した。
ジャミラは、ウルトラ水流を受け、もがき苦しむ。赤ん坊の泣き声に似た断末魔の叫びを発して絶命する。その悲痛極まりない死に方は涙を誘わずにはいられない。
科学特捜隊とアランが会場へ向かう中、イデは一人立ちつくし墓碑を見ていた。
「犠牲者はいつもこうだ。文句だけは美しいけれど」
第23話「故郷は地球」は、ウルトラマン全39話の中で、最も暗く救いのない悲しみに満ちた作品。
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『ウルトラマン』第30話「まぼろしの雪山」/ 悪ガキからいじめを受ける「雪ん子」
村人に追い立てられて力尽きて死んでゆく雪ん子。雪ん子の命が尽きるとともに、ウーも幻となって消えてしまった。
『ウルトラマン』第30話「まぼろしの雪山」(伝説怪獣ウー登場)は、差別や偏見をテーマにした、幻想的ながらも切なく重い物語。
「雪ん子」と呼ばれる少女ユキ「ウー、ウーよ、助けて!」「ウー、ウーよ!」
ウーは、孤児のユキ(雪ん子)が村人から迫害を受け、助けを呼ぶと、彼女を救うべく現れる。ユキの危機を救うためにのみ現れるので、行き倒れになったユキの母親の化身ではないかとされている。また、当地では伝承で知られる存在であった模様である。
村の悪ガキ集団に偏見でいじめられる雪ん子「ウーは、お前がいるから出てきたんだろ!早くこの村から、どこかへ行ってしまえ!」
少女ユキ「どうして私だけのけ者にするの」
思い込みでいじめる子供たち「雪ん子は、雪女の子供だってみんなが言ってらあ!仲良くなんかできるもんか!早くどこかへ行ってしまえ!」
人間の醜い本性、異物を排斥する残酷なコミュニティ/ムラ社会の闇(集団心理の恐ろしさ)を描く。
「雪ん子」(ユキ)を村ぐるみで殺害しようとした。村の子供たちが掘った落とし穴をそのままにしていたため、酔った猟師が落ちて凍死した事故が、思い込みと偏見によりユキの仕業と決めつけられてしまい、村人に追われる。大人たちも揃いもそろってクズの集まり。
「雪ん子」と呼ばれる少女ユキはウーとコンタクトを取っていることから地元住民に忌み嫌われ、さらには生命の危機に晒される。ユキを守るかのごとく、ウーは麓のスキー場に出現する。
雪ん子の亡骸のそばには、可愛がっていた白ウサギだけが寄り添っていた。
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『ウルトラマン』第28話「人間標本5・6」/トラウマキャラの三面怪人ダダ(ダダ271号)
子供にとってのトラウマキャラの三面怪人ダダ。3種類の顔を持ち、それぞれを使い分けることが可能。壁を通り抜ける、人間に乗り移る、テレポートするなどのさまざまな超能力を持つ。
スペシウム光線で顔に損傷を受けたダダ271号
スペシウム光線で顔面に酷い火傷を負わされたダダ271号は「だめだ、ウルトラマンは強い」と上司に泣きついたが…。ダダもまた、上司に恵まれない不憫な労働者であった。
子供達にはその外見や不気味な声でみんなのトラウマだが、大人になって見返すと、そのフルボッコぶりや、組織の中で上司からぞんざいな扱いをされつつも必死に成果をあげようとする姿に悲哀を感じるトラウマブレイカーでもある。
引用元: ピクシブ百科事典「ダダ」
ダダは、3種類の顔(赤目のA、青目のB、黄目のC)を持ち、それぞれを使い分けることが可能。
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『ウルトラマン』第31話「来たのは誰だ」 / 吸血植物ケロニアの恐怖演出はみんなのトラウマ
ケロニアは南米原産の吸血植物が進化した姿であり、人間のように歩き回って動物を襲い生血をすすり、さらに人間に擬態しUFOを作って飛び回るという常識外れの知能を持っていた。
動物の中でも人間の血が最も美味いことを知り、人間を征服して世界に自分達植物の王国を建造しようと目論んだ。
南米ボリビア支部の科特隊隊員、ゴトウ隊員に化けて日本に襲来、気候のよい日本で仲間を増やし、植物を苦しめる人類を殲滅して地球を支配しようと目論む。
ゴトウの部屋に潜入したフジは、机に置いてある謎の機械に目に留める。その機械を調べようとすると……衣装棚から緑色の怪人が現れた!怪人が目から発する怪光線を浴びたフジは倒れてしまう。
巨大化したケロニア「おごれる人間共よ。もうお前達の世界は終わりだ。我々植物人間がお前達にとって変わるのだ。海の向こうから、我々の仲間が。我々はついに高度の文明を持つようになった。お前達人間共を滅ぼして植物人間の王国を打ち立てるのだ。」
ナレーション「植物人間の開発したエアシップコンビナートが続々と各地に飛んでいる。」(仲間のUFO部隊も、世界中の都市に大群で押しかけてきた。)
ハヤタはウルトラマンに変身し、スペシウム光線を浴びせるが全く通用せず、怪力とアイ・スパークで苦しめられる。しかし一瞬の隙をついてウルトラマンはケロニアを投げ飛ばし、ひるんだところに最強の必殺技『ウルトラアタック光線』を発射。直後にケロニアは大爆発、スペシウム光線でUFO部隊も全て撃墜された。
「しかし、なぜ吸血植物が高度文明を持つようになったのか?」という疑問を口に出すハヤタ。すると、そこにベランダから無事生還を遂げた二宮博士が現れ、ハヤタの疑問に応えた。
「それは全くの謎です」
「こんなに科学が発達した世の中でなんと不思議なことが多いんでしょう。しかし、このような事件が再び起こらないとは誰も言えない。いや、再び三度起こりうるでしょう。我々人間は心しなければならない。いくら高度に発達しても血を吸って身を肥やすのは、もはや文明とは言えないのですから。」
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『ウルトラマン』第33話「禁じられた言葉」/ 虚ろな表情で街を徘徊する巨大フジ隊員
フジ隊員の弟・サトル少年に、語りかけてくるメフィラス星人。地球人の代表として、フジ隊員の弟・サトル少年を選び、彼が「地球をあげます」と自発的に言うよう穏やかな口調で仕向け、本人いわく「地球人の心への挑戦」を行う。
巨大フジ隊員は、地球を狙う侵略者・メフィラス星人が、捕らえたフジアキコ隊員を巨大化させて操ったもの。
メフィラス星人によって巨大化された科学特捜隊のメンバーであるフジ・アキコ隊員(演:桜井浩子)。巨大フジ隊員は、メフィラス星人(初代)が地球侵略の口実作りのために、科学特捜隊のフジ隊員の弟サトルに「地球をあげます」と言わせようとした際、サトルを精神的に追い詰めて脅すためのパフォーマンスの一つとして、彼の姉を巨大化させた姿。
フジ隊員としての意識はなく、特捜隊の仲間たちの声も聞こえないままビルを壊しながら暴れ続けていた。
巨大フジ隊員は、メフィラス星人により意思を一時的に消され、虚ろな表情で街を徘徊したり、星人の命令でビルを破壊する。
いくら科学特捜隊の一員とはいえ、巨大化して町を壊すとなると最早怪獣に過ぎないと判断した警官隊は発砲。それを見た科学特捜隊の面々と警官隊が揉みあいになった直後、空から響き渡ったメフィラス星人の高笑いと共に巨大フジ隊員は姿を消した。
葛飾北斎「蛸と海女」のパロディである会田誠の『巨大フジ隊員VSキングギドラ』(1993年)。芸術家の会田誠は巨大フジ隊員がキングギドラに陵辱されながら捕食されるというアブノーマルな絵画「巨大フジ隊員VSキングギドラ」を描いている。
『シン・ウルトラマン』の「浅見弘子」(演:長澤まさみ)が巨大化…。丸の内に現れた巨大化した浅見弘子。
『シン・ウルトラマン』に登場するメフィラス
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『ウルトラマン』第37話「小さな英雄」/ピグモンの最期
イデ隊員「ウルトラマン…何をやってるんだ?ウルトラマァァン!」
ハヤタと一緒にいたイデ隊員はドラコを前にしてウルトラマンが来ることを祈り叫ぶ。するとドラコはイデ隊員の方へ向かっていった。イデ隊員の危機を察知したピグモンはドラコの気を引こうと岩陰から出てきて危機を救うが、ドラコに叩き潰されてしまう。
怒ったドラコによって叩き潰され、ピグモンは命を落としました。ピグモンは駆けつけたハヤタの腕の中で息を引き取った。
イデ隊員をかばい再び命を落とすピグモン。
ハヤタ隊員「ピグモーン!」
ハヤタ隊員「イデ! ピグモンでさえ我々人類の平和のために命を投げ出して戦ってくれたんだぞ!科特隊の一員としてお前は恥ずかしいと思わんのか!」
それを見たハヤタは科学特捜隊の一員として恥ずかしくないのかとイデ隊員に殴りかかる。
ハヤタに叱咤され頬を張られたイデ隊員「僕が間違ってた。くそぉ!」
我に返ったイデ隊員は自分が開発したスパーク8をドラコに発射、ドラコを撃退する。
ピグモンは、ジェロニモンによって蘇らされるが、ジェロニモンの人間襲撃計画を科特隊に知らせた後、イデ隊員をかばい再び命を落とす。この勇敢な行動により、科学特捜隊はピグモンに特別隊員の称号を贈った。
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『ウルトラマン』第39話「さらばウルトラマン」(最終回)/ ゼットンにウルトラマンが敗れて死亡する衝撃的な展開
ゼットンに胸のカラータイマーを破壊されたウルトラマンの目の光は消え、ゆっくりと大地に倒れる。ウルトラマンは敗れ去った・・・。
ゼットン星人の切り札、宇宙恐竜ゼットンの「初めてウルトラマンを倒した怪獣」というインパクトは強烈であり、数多のウルトラ怪獣の中でも屈指の知名度・人気を誇る。
ウルトラマンはスペシウム光線を発射するが、ゼットンは光線を吸収し、波状光線に変えて撃ち返す。
ウルトラマンを倒した最強怪獣として名高い「宇宙恐竜ゼットン」。ウルトラマンの放ったスペシウム光線を吸収・反射することでウルトラマンを倒した。
ウルトラマンは、ゼットンの波状光線によって胸のカラータイマーを破壊された。
ウルトラマンの目の光は消え、ゆっくりと大地に倒れる。
前のめりに倒れるウルトラマンであったが、次のシーンでは、なぜかうつ伏せではなく仰向けに倒れていた。身動きをしないウルトラマン。死亡しているようだ…。絶望的な光景。
- フジ隊員「ウルトラマン!死んじゃ駄目!立つのよ!起き上がって!ウルトラマン!!あなたが死んでしまったら地球はどうなるの!?ウルトラマーン!!!」
これまでの怪獣達との戦いが走馬灯として蘇る。
死の間際で「走馬灯」を見ているウルトラマン…BGMも合わさって、あまりにも衝撃的なシーン。
ゼットンに敗れたウルトラマンを迎えに来た宇宙警備隊隊長ゾフィーはウルトラマンを故郷M78星雲に連れ戻すために「ウルトラマン。目を開け!私は、M78星雲の宇宙警備隊員ゾフィ。さあ、私と一緒に光の国へ帰ろうウルトラマン。」と語り掛ける。 - 「ゾフィ。私の体は、私だけの物ではない。私が帰ったら、一人の地球人が死んでしまう。」
- 「ウルトラマン。お前はもう十分地球のために尽くしたのだ。地球人が許してくれるだろう。」とゾフィーは故郷M78星雲への帰還を促す。
- 「ハヤタは立派な人間だ。犠牲にはできない。私は地球に残る。」と故郷への帰還を拒むウルトラマンに、
- 「地球の平和は、人間の手で掴みとることに価値があるのだ。ウルトラマン。いつまでも地球にいてはいかん。」とゾフィーは諭します。
- 「ゾフィー、それならばわたしの命をハヤタにあげて地球を去りたい」と願うウルトラマン。
- 驚いたゾフィーは、「お前は死んでもいいのか?」
- ウルトラマンは、「構わない。わたしはもう2万年も生きたのだ。地球人の命は非常に短い。それにハヤタはまだ若い。彼を犠牲にはできない」と固い意思を示す。
- ウルトラマンが自分の命を捨ててまで地球人のハヤタを生かすと告げたことへ驚いたゾフィーは
- 「ウルトラマン、そんなに地球人が好きになったのか。」と絶句する。
- ウルトラマンの固い決意に納得したゾフィーは、「よき、わたしは命をふたつ持ってきた。そのひとつをハヤタにやろう」と申し出た。
- 「ありがとう。ゾフィ」
「じゃあ、ハヤタと君のからだを分離するぞ」 - 結局ゾフィーは命を2つ持ってきたことを明かし、ウルトラマンとハヤタの二人は生き続けることになった。
ゾフィーとの対面時に、ウルトラマンのカラータイマーが潰れている描写が映る。
ウルトラマンは光の国に帰っていった。番組を見終わった全国の子供たちが、泣きながら窓を開けて夜空を見上げたという。それくらい衝撃的であったという。
フジ「不思議な赤い玉ね。」
ムラマツ「仲間が迎えに来たんだ。」
イデ「すると、もうウルトラマンは・・・。」
アラシ「我々の前に、二度と姿を現すことはないんですか?」
ムラマツ「地球の平和は、我々科学特捜隊の手で守り抜いていこう。」『シン・ウルトラマン』に登場するゼットン「天体制圧用最終兵器 ゼットン」と「ゾーフィ」
『シン・ウルトラマン』の「ゾーフィ」 / 光の星の裁定者「私は執行者として、天体制圧用最終兵器を伴ってきた」「そんなに人間が好きになったのか」
「ゾーフィ」は、ウルトラマンでありながらゼットンを使って人類を滅ぼそうとするという意表を突いた展開でファンに衝撃を与えた。元々ゾーフィは、ゾフィーとゼットン星人の情報が錯綜した結果児童誌に誤報として「宇宙人ゾーフィ」の名で掲載された存在であり、ウルトラマンファンの間ではマイナーなネタとして知られていたが、本作で公式なキャラクターとして登場したことでファンを驚かせた
物語終盤、新たに地球へ来訪した光の星の裁定者は、人類を「他の星の知的生命体に利用される生物兵器になり得る存在」と見なし、結局はザラブと同じように人類を地球ごと滅却する判決を下している。
「ゾーフィ」は、異次元空間に落ちたウルトラマンを救出しているのだが、彼はこの作戦を実行するに当たって「二度と戻れないかもしれない異次元に飛ばされる」と忠告を受けている。そしてその通り、ウルトラマンは全力を出しても尚発生したワームホールから逃れる事が出来なかった。それを、いくらウルトラマンの生きたいという意志が信号として発せられていたとはいえ、彼を救出して且つゾーフィ自身もまた無事に元の宇宙へと帰還している事から、その能力の高さが窺える。
『シン・ウルトラマン』では生命体ではなくゾーフィが用意した天体制圧用最終兵器という設定。ウルトラマンが光の星で禁じられていた人類との融合を果たしたことで、マルチバース全ての知的生命体に地球の人類が生物兵器への転用が可能であることを知らせたとして、地球を今のうちに廃棄処分するために衛星軌道上に配備された。生成途中でウルトラマンと交戦し、電磁光波防壁でその攻撃を阻むと、反撃してウルトラマンを大気圏に落下させる。
そんなに人間が好きになったのか。ウルトラマン。
ウルトラマン最終回のゾフィーの台詞「ウルトラマン、そんなに地球人が好きになったのか。」をオマージュしている。
ゼットンを操る謎の宇宙人ゾーフィ…ゼットン星人とゾフィーの情報が混ざった結果生まれた「宇宙人ゾーフィ」。
「ゼットンを操る宇宙人ゾーフィ」の初出は「週刊朝日」昭和42年(1967年)4月7日号とされる。ゼットン星人とゾフィーの情報が混ざった結果生まれた「宇宙人ゾーフィ」。
宇宙人ゾーフィの見た目はゾフィーであり、説明文はほとんどゼットン星人のもの。ゼットン星人と混同されていた。
昭和期の怪獣図鑑において、ゾフィーに似た宇宙人がゼットンを操っていたと書かれている事が多いが、これはウルトラマン放送当時に情報が錯綜し、ゼットン星人と混同していた為と言われているが、イラストと名前以外は『ゼットンを操り、頭が非常に良く、スーパーガンに弱い』とゼットン星人そのままの解説がなされている。イラストは概ね、頭が黒いゾフィーで統一されているが、ボディが帰ってきたウルトラマンに近い物も見受けられる。偶に頭が赤かったりするものもあり、当時はどれだけ資料の入手が困難であったかが伺える。